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嵐の中、外に出たアリアはヤギと感動の再会をはたす事が出来た。
ヤギは嬉しそうアリアに頭をこすりつけ、アリアは背中を撫でてやる。
しかし、体が冷えてしまって可哀想だった。
急いで馬小屋まで連れて行く。
温かい藁のベッドに寝かせる前に、手ぬぐいで濡れた体を拭いてやるアリアだ。
「アリア、大丈夫かい?」
馬小屋に入ってきたのはサファイアだった。
「こんな嵐の中、外に出てきて大丈夫ですか?」
自分は大丈夫たが、サファイアの方が大丈夫では無いだろうと思うアリア。
雷はおさまったが、風も雨もまだ強い状態だ。
「平気さ。僕も手伝うよ」
サファイアは気にした様子は無く、アリアに近づく。
「そんな、王子様に手伝って貰うような作業では無いのですが……」
「二人の時はサブだと思って接して欲しいな」
「とんだ無茶振りを言ってきますね」
嵐にも慣れてきたサファイアには、既に恐怖心は無かった。
手に布を取る。
「あ、気を付けて下さいね!」
「うわぁ!」
「だからこの子、気性が荒いんですってばぁ。蹴っちゃ駄目よ!」
足でサファイアを攻撃しようとするヤギを宥めるアリア。
サファイアには危ないので、離れていて欲しい。
「サファイア様はそこで見守っていて下さい」
「見守るだけ?」
「蹴られたいんですか?」
シュンとしてしまうサファイア。
ちょっと可哀想だっただろうか。
「じゃあ、この手ぬぐいを絞ってください」
アリアはヤギを拭いて濡れてしまった手ぬぐいをサファイアに渡す。
サファイアはそれを絞り、アリアは乾いた布でまたヤギを拭いてあげた。
それを何度か続け、だいぶ乾いて来たので、ヤギを藁のベッドに入れる。
「この子の飼い主さんに返さないといけませんよね? 何処の誰かわかります?」
「せっかく逃げて来たんだし、勝手に引き取ってしまえば?」
「新しい飼い主さんが心配しているかも知れませんし、それじゃあ泥棒じゃないですか!」
何を言い出すのかと、サファイアを叱る様な口調になるアリア。
「泥棒になるのかい?」
「落ちてる財布は交番に届けるでしょ? 貴方、届けないの?」
「それは、確かに届けるよね」
うーんと考えてしまうサファイアだ。
ヤギはせっかくアリアを探して逃げてきたというのに……
少し可哀想だ。
こいつ一匹なら買い戻しても良いだろうか?
しかし用途はどう言い訳したら良いのだろう。
「じゃあ、買い取り主を調べてみるよ」
買い取り主は調べれば直ぐに解るだろうが……
「有り難う」
アリアはサファイアにお礼を言うと、ヤギの頭を撫で『おやすみ』を言って、馬小屋を出た。
サファイアもアリアの後に続く。
「身体が冷えてしまいましたね。お風呂の用意をします」
お風呂は各部屋に付いている。
アリアはサファイアの部屋に向かうのだった。
「アリアの部屋は大変な有様だったから、こっちの部屋に移動したよ」
室内に戻ると、手ぬぐいで拭けるだけ拭いてから部屋に向かう。
サファイアは宿主に変えてもらった部屋にアリアを案内した。
「まぁ、いいのに……」
あの部屋でも良かったのにと、申し訳なくなるアリア。
「宿主は気にするなと言っていたよ。もう窓は開けないで欲しいとも言っていたけどね」
「ええ、気をつけるわ……」
アリアはシュンと反省した様子である。
部屋の片付け等の費用は多めに此方から提示したし、宿主はウハウハしていたけど。
それは言わない方が良さそうだ。
「サファイア様のお風呂の準備をしなきゃ!」
アリアは気を取り直して、サファイアの部屋にお邪魔するのだった。
アリアがお風呂を沸かしている間、サファイアは暖炉の前で温まる。
ソッと近づいて来たのは側近だ。
特に用は無かったが、何か騒がしかったので、顔を出してみたのだ。
「何か落ち込んでいます?」
サファイアは少し考え事をしている様子だ。
雨に濡て体調でも崩したのかと、少し心配する側近。
王子はひ弱では無いが、アリア殆ど元気モリモリと言うわけでも無い。
アリアと一緒に居ると楽しそうでは有るが、サファイアとは少し常識がズレている様で疲れる事も有るのだろう。
そう察する従者だ。
「アリアの元に帰ってきたヤギを買い取り主に返すのが忍びなくてね。私があのヤギだったら絶望する。どうしか出来ないものだろうか……」
ハァーとため息を吐くサファイア。
アリアのヤギを心配している様子だ。
我が王子は心優しい方だなぁと、微笑ましく見える従者。
「そうですね。あのヤギは雄のようですし、用途も限られています…… あそこまで育った雄は種ヤギにしかなりません。城でヤギを増やしても……」
「そうだよな」
決算報告書におかしなものを書く訳にもいかない。
サファイアは頭を悩ませてしまう。
従者も少し考えて見るが、こればっかりはどうしようも無いだろう。
そもそも城で飼っている動物と言えば番犬と移動用の馬、あとは伝書鳩ぐらいなものである。
アリアの趣味で烏骨鶏等は卵も取れるので飼っているが、ヤギはどうなんだろうか。
これが羊なら毛糸に興味を持った王が増やしてみようと施設を作るなりなんなりしそうであるが。
うーん。
従者も頭を悩ませる。
「サファイア様、お風呂の用意が…… あら、従者さんと一緒に入浴されるんですか?」
お風呂の準備が出来たアリアがサファイアを呼びに来た。
見るといつの間にか従者さんが来ている。
「いえ、自分は用件を済ませましたので。お風呂はアリアさんが入れてあげてください」
従者はそう言ってさっさと部屋を出ていった。
なんか、犬みたいな扱いだなぁと、サファイアは出ていく従者をムッとした顔で見送るのだった。
結局、ヤギの件はどうにも出来そうに無かった。
「お風呂に入りましょう」
アリアはサファイアをお風呂に連れて行くのだった。
最近は、サファイアの着替えもお風呂の補助も従者ではなくアリアの仕事になっていた。
サファイアはまだ慣れないが、アリアは全く顔色を変えずにサファイアの服を脱がして手を引いて浴場に連れて行く。
そして丁寧に身体を洗ってくれるのだ。
もちろん、大事なところはサファイアが嫌がって自分で洗うが、そこ意外は全部アリアが洗ってくれる。
そして濡れても良いように薄着になっているアリアは全く気にせずびしょびしょになるので、本当に目に毒だった。
サファイアはもうずっと俯いているしか無い。
見たいけど、見たら多分あらぬ所が反応してしまい、アリアにドン引きされる。
それだけは何としても死守しなければからないのだ。
こうして、今日もサファイアは天国なのか地獄なのか解らない時間を過ごすのであった。
ヤギは嬉しそうアリアに頭をこすりつけ、アリアは背中を撫でてやる。
しかし、体が冷えてしまって可哀想だった。
急いで馬小屋まで連れて行く。
温かい藁のベッドに寝かせる前に、手ぬぐいで濡れた体を拭いてやるアリアだ。
「アリア、大丈夫かい?」
馬小屋に入ってきたのはサファイアだった。
「こんな嵐の中、外に出てきて大丈夫ですか?」
自分は大丈夫たが、サファイアの方が大丈夫では無いだろうと思うアリア。
雷はおさまったが、風も雨もまだ強い状態だ。
「平気さ。僕も手伝うよ」
サファイアは気にした様子は無く、アリアに近づく。
「そんな、王子様に手伝って貰うような作業では無いのですが……」
「二人の時はサブだと思って接して欲しいな」
「とんだ無茶振りを言ってきますね」
嵐にも慣れてきたサファイアには、既に恐怖心は無かった。
手に布を取る。
「あ、気を付けて下さいね!」
「うわぁ!」
「だからこの子、気性が荒いんですってばぁ。蹴っちゃ駄目よ!」
足でサファイアを攻撃しようとするヤギを宥めるアリア。
サファイアには危ないので、離れていて欲しい。
「サファイア様はそこで見守っていて下さい」
「見守るだけ?」
「蹴られたいんですか?」
シュンとしてしまうサファイア。
ちょっと可哀想だっただろうか。
「じゃあ、この手ぬぐいを絞ってください」
アリアはヤギを拭いて濡れてしまった手ぬぐいをサファイアに渡す。
サファイアはそれを絞り、アリアは乾いた布でまたヤギを拭いてあげた。
それを何度か続け、だいぶ乾いて来たので、ヤギを藁のベッドに入れる。
「この子の飼い主さんに返さないといけませんよね? 何処の誰かわかります?」
「せっかく逃げて来たんだし、勝手に引き取ってしまえば?」
「新しい飼い主さんが心配しているかも知れませんし、それじゃあ泥棒じゃないですか!」
何を言い出すのかと、サファイアを叱る様な口調になるアリア。
「泥棒になるのかい?」
「落ちてる財布は交番に届けるでしょ? 貴方、届けないの?」
「それは、確かに届けるよね」
うーんと考えてしまうサファイアだ。
ヤギはせっかくアリアを探して逃げてきたというのに……
少し可哀想だ。
こいつ一匹なら買い戻しても良いだろうか?
しかし用途はどう言い訳したら良いのだろう。
「じゃあ、買い取り主を調べてみるよ」
買い取り主は調べれば直ぐに解るだろうが……
「有り難う」
アリアはサファイアにお礼を言うと、ヤギの頭を撫で『おやすみ』を言って、馬小屋を出た。
サファイアもアリアの後に続く。
「身体が冷えてしまいましたね。お風呂の用意をします」
お風呂は各部屋に付いている。
アリアはサファイアの部屋に向かうのだった。
「アリアの部屋は大変な有様だったから、こっちの部屋に移動したよ」
室内に戻ると、手ぬぐいで拭けるだけ拭いてから部屋に向かう。
サファイアは宿主に変えてもらった部屋にアリアを案内した。
「まぁ、いいのに……」
あの部屋でも良かったのにと、申し訳なくなるアリア。
「宿主は気にするなと言っていたよ。もう窓は開けないで欲しいとも言っていたけどね」
「ええ、気をつけるわ……」
アリアはシュンと反省した様子である。
部屋の片付け等の費用は多めに此方から提示したし、宿主はウハウハしていたけど。
それは言わない方が良さそうだ。
「サファイア様のお風呂の準備をしなきゃ!」
アリアは気を取り直して、サファイアの部屋にお邪魔するのだった。
アリアがお風呂を沸かしている間、サファイアは暖炉の前で温まる。
ソッと近づいて来たのは側近だ。
特に用は無かったが、何か騒がしかったので、顔を出してみたのだ。
「何か落ち込んでいます?」
サファイアは少し考え事をしている様子だ。
雨に濡て体調でも崩したのかと、少し心配する側近。
王子はひ弱では無いが、アリア殆ど元気モリモリと言うわけでも無い。
アリアと一緒に居ると楽しそうでは有るが、サファイアとは少し常識がズレている様で疲れる事も有るのだろう。
そう察する従者だ。
「アリアの元に帰ってきたヤギを買い取り主に返すのが忍びなくてね。私があのヤギだったら絶望する。どうしか出来ないものだろうか……」
ハァーとため息を吐くサファイア。
アリアのヤギを心配している様子だ。
我が王子は心優しい方だなぁと、微笑ましく見える従者。
「そうですね。あのヤギは雄のようですし、用途も限られています…… あそこまで育った雄は種ヤギにしかなりません。城でヤギを増やしても……」
「そうだよな」
決算報告書におかしなものを書く訳にもいかない。
サファイアは頭を悩ませてしまう。
従者も少し考えて見るが、こればっかりはどうしようも無いだろう。
そもそも城で飼っている動物と言えば番犬と移動用の馬、あとは伝書鳩ぐらいなものである。
アリアの趣味で烏骨鶏等は卵も取れるので飼っているが、ヤギはどうなんだろうか。
これが羊なら毛糸に興味を持った王が増やしてみようと施設を作るなりなんなりしそうであるが。
うーん。
従者も頭を悩ませる。
「サファイア様、お風呂の用意が…… あら、従者さんと一緒に入浴されるんですか?」
お風呂の準備が出来たアリアがサファイアを呼びに来た。
見るといつの間にか従者さんが来ている。
「いえ、自分は用件を済ませましたので。お風呂はアリアさんが入れてあげてください」
従者はそう言ってさっさと部屋を出ていった。
なんか、犬みたいな扱いだなぁと、サファイアは出ていく従者をムッとした顔で見送るのだった。
結局、ヤギの件はどうにも出来そうに無かった。
「お風呂に入りましょう」
アリアはサファイアをお風呂に連れて行くのだった。
最近は、サファイアの着替えもお風呂の補助も従者ではなくアリアの仕事になっていた。
サファイアはまだ慣れないが、アリアは全く顔色を変えずにサファイアの服を脱がして手を引いて浴場に連れて行く。
そして丁寧に身体を洗ってくれるのだ。
もちろん、大事なところはサファイアが嫌がって自分で洗うが、そこ意外は全部アリアが洗ってくれる。
そして濡れても良いように薄着になっているアリアは全く気にせずびしょびしょになるので、本当に目に毒だった。
サファイアはもうずっと俯いているしか無い。
見たいけど、見たら多分あらぬ所が反応してしまい、アリアにドン引きされる。
それだけは何としても死守しなければからないのだ。
こうして、今日もサファイアは天国なのか地獄なのか解らない時間を過ごすのであった。
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