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夏樹が未智と出会ったのは幼稚園の頃である。
夏樹の生れは少し複雑であった。
田舎の地主の次男坊である夏樹だが、母が長男とは違う。
所謂、不倫で出来た子で有った。
長男の母が病弱で長く無かった為、後妻として自分の母が正妻に収まったのだが、やはり周りから好い目では見られなかった。
父は自分を可愛がってくれたが、兄からも煙たがられた。
夏樹は幼なかがらに肩身が狭い思いであった。
そんなストレスが外に出てしまった夏樹は幼稚園では我が物顔で粗暴な態度であった。
不倫で出来た次男坊だとしても、夏樹は地主のボンボンである。
そして容姿が整っており、地元では浮いてしまう程、美形だった。
幼稚園児であっても、周りからモテモテだったのである。
夏樹は王様気取りであった。
そんな夏樹は良く男の子から玩具を奪って泣かす事が有った。
保育士は夏樹を贔屓する所があり、「◯◯くんはコレで遊ぼうね」と、別な玩具を渡して宥めるだけだった。
それがどうしても許せなかったのが未智である。
未智は夏樹から玩具を奪った。
「俺様の玩具を返せ!」
と、怒る夏樹に「お前の玩具じゃない。みんなの玩具だ!」と怒る未智。
「俺様は地主の子だぞ! 金持ちは偉いんだ!」
「偉いのはお前じゃなく、お前の親だろ!」
取っ組み合いの喧嘩になり、結局未智ど夏樹を泣かせた。
未智は保育士に「お友達を泣かせたら駄目でしよ」と怒られたが「先に友達を泣かせたのはそこの俺様だ!」と、怒る未智だった。
幼稚園の頃の未智は男勝りであり、夏樹も男の子だと思っていた程である。
男の子は喧嘩すると仲良くなったりする所がある。
そんな経緯から、夏樹と未智は仲良くなり、夏樹も少し丸くなったのだった。
夏樹は未智の言った『偉いのはお前の親』に反初し、勉強を頑張った。
元々、夏樹を溺愛している父親が夏樹にも家庭教師をつけてくれていた。
真面目に勉強した夏樹は元々頭が良く、兄より出来た。
英語も普通に会話出来る程マスターし、小学校に上がる頃には留学の話を提案される程になっていた。
夏樹を溺愛している父は渋ったが、母は放任な所が有り、好きにすれば?みたいな感じであった。
夏樹は思い切って留学する事にした。
その時、未智と約束したのだ。
『俺が自分の力で金持ちになったら未智は俺と結婚しろよ!』
『やれるもんならやってみろ』
未智はあの事、覚えているだろうか。
それから俺は未智と会うのを我慢してまで頑張って勉強した。
たまに帰れる時は何よりも先に未智に会い行った。
なんか、変な男に付きまとわれてて心配していたのだが、さり気なく盗聴器を携帯に仕込んで見守ったり、一人暮らしをはじめた時はカメラまで仕込んで安全を見守った。
その盗聴器とカメラが役に立て直ぐに島とか言うストーカーを捕まえて貰えて良かったが、未智は本当に無自覚に人を誑かすので心配だ。
まぁ、俺の所に置いてしまえば安心である。
東京にも父の土地が有り、会社を立ち上げる時に手を貸して貰ったが、そのお金も返したし、会社も軌道に乗っている。
早く未智を迎えに行かたかったが、中途半端か状態では認めて貰えないと思ったのだ。
さて、これからこの難攻不落な天然を、どう落とすか、それが問題だな。
夏樹の生れは少し複雑であった。
田舎の地主の次男坊である夏樹だが、母が長男とは違う。
所謂、不倫で出来た子で有った。
長男の母が病弱で長く無かった為、後妻として自分の母が正妻に収まったのだが、やはり周りから好い目では見られなかった。
父は自分を可愛がってくれたが、兄からも煙たがられた。
夏樹は幼なかがらに肩身が狭い思いであった。
そんなストレスが外に出てしまった夏樹は幼稚園では我が物顔で粗暴な態度であった。
不倫で出来た次男坊だとしても、夏樹は地主のボンボンである。
そして容姿が整っており、地元では浮いてしまう程、美形だった。
幼稚園児であっても、周りからモテモテだったのである。
夏樹は王様気取りであった。
そんな夏樹は良く男の子から玩具を奪って泣かす事が有った。
保育士は夏樹を贔屓する所があり、「◯◯くんはコレで遊ぼうね」と、別な玩具を渡して宥めるだけだった。
それがどうしても許せなかったのが未智である。
未智は夏樹から玩具を奪った。
「俺様の玩具を返せ!」
と、怒る夏樹に「お前の玩具じゃない。みんなの玩具だ!」と怒る未智。
「俺様は地主の子だぞ! 金持ちは偉いんだ!」
「偉いのはお前じゃなく、お前の親だろ!」
取っ組み合いの喧嘩になり、結局未智ど夏樹を泣かせた。
未智は保育士に「お友達を泣かせたら駄目でしよ」と怒られたが「先に友達を泣かせたのはそこの俺様だ!」と、怒る未智だった。
幼稚園の頃の未智は男勝りであり、夏樹も男の子だと思っていた程である。
男の子は喧嘩すると仲良くなったりする所がある。
そんな経緯から、夏樹と未智は仲良くなり、夏樹も少し丸くなったのだった。
夏樹は未智の言った『偉いのはお前の親』に反初し、勉強を頑張った。
元々、夏樹を溺愛している父親が夏樹にも家庭教師をつけてくれていた。
真面目に勉強した夏樹は元々頭が良く、兄より出来た。
英語も普通に会話出来る程マスターし、小学校に上がる頃には留学の話を提案される程になっていた。
夏樹を溺愛している父は渋ったが、母は放任な所が有り、好きにすれば?みたいな感じであった。
夏樹は思い切って留学する事にした。
その時、未智と約束したのだ。
『俺が自分の力で金持ちになったら未智は俺と結婚しろよ!』
『やれるもんならやってみろ』
未智はあの事、覚えているだろうか。
それから俺は未智と会うのを我慢してまで頑張って勉強した。
たまに帰れる時は何よりも先に未智に会い行った。
なんか、変な男に付きまとわれてて心配していたのだが、さり気なく盗聴器を携帯に仕込んで見守ったり、一人暮らしをはじめた時はカメラまで仕込んで安全を見守った。
その盗聴器とカメラが役に立て直ぐに島とか言うストーカーを捕まえて貰えて良かったが、未智は本当に無自覚に人を誑かすので心配だ。
まぁ、俺の所に置いてしまえば安心である。
東京にも父の土地が有り、会社を立ち上げる時に手を貸して貰ったが、そのお金も返したし、会社も軌道に乗っている。
早く未智を迎えに行かたかったが、中途半端か状態では認めて貰えないと思ったのだ。
さて、これからこの難攻不落な天然を、どう落とすか、それが問題だな。
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