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39話
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体力の回復に一日、バリア等の修復に二日費やしてしまい、漆黒が裏柳を迎えに行けるようになるまで三日を費やしてしまった。
色々な事に魔力や体力を使ってしまい、漆黒ヘトヘトである。
裏柳を取り戻して、沢山ハグしてキスして小水貰って、出来ればセックスしたい。
もう一人、孕ませるΩを攫って来なければならないのだが、一片に二人を連れてくるのは流石にリスクが有りすぎる。
先ず裏柳を連れて来て、また様子を見てから孕ませるΩを連れてくる他、無いだろう。
漆黒もその胸を側近達に伝え、裏柳の待つ白の王国へと向かうのであった。
裏柳の居る場所へと直接瞬間移動する。
裏柳の手を掴んだ。
「えっ? 誰だ?」
目が合った裏柳は、そう驚いた様に言った。
花嫁衣装であった。
寝て起きても全くモヤモヤ感も白亜への嫌悪感も無くならなかった裏柳。
これはマリジッジブルーと言うやつなのかも知れない。
いくら嫌だろうと王族から申し出を裏柳の身分で断る事も出来ない。
結婚するしか無かった。
寝起きの裏柳へ、白亜は白い薔薇を差し出した。
「これを受け取ってくれる前に、君は神隠しに合ってしまったよね」
そう言って、「受け取ってくれるかい?」と、首を傾げる白亜。
昔から変わらない。幼馴染の愛らしい表情。
こんなに自分は白亜が嫌いだっただろうか。
そんな筈ないのだが……
受け取りたく無い。
それに、差し出された薔薇はもう一本有った気がした。それが何色なのかも本当にそうだったのかも思い出せないが……
「裏柳?」
なかなか受け取らない裏柳に不安そうな表情をする白亜。
「申し訳ありません、寝惚けておりました。有難う御座います」
裏柳は薔薇を受け取るという選択肢しか出来ない。
白い薔薇を受け取れば、婚約は済んでしまう。
「嬉しいよ裏柳。やっと君が僕のものになってくれた」
白亜は満面の笑みを浮かべて裏柳を抱きしめる。
俺はお前のものじゃない!
そう言いたくなった。
では、誰のものだと言うのだろう。
裏柳は自分の感情を押し込めて白亜を抱きしめかえすのだった。
「そうだ僕達の結婚式は三日後に決まったよ」
「……解りました」
「嬉しいな。子供は何人欲しい?」
「私との間に出来るかどうか……」
「卑屈な事を言わないの」
嬉しそうな白亜、裏柳は複雑な気持ちであった。
三日など、あっと言う間に過ぎてしまう。
式の準備は着々と進み、衣装の作成やら会場準備、お祝いの言葉も沢山言われた。
夜になると白亜が夜這いにやってくる。
「婚約したのだから良いだろう?」
と、言うのだ。
「初夜は結婚式の後という決まりです」
どうしても嫌で、そう断り続けた。
首を噛まれない様に手でガードして操を守る。
「全くそんな伝統を守る者等もういないよ。頑なだね。君のそう言う所も愛らしいと思うよ」
そう言って額にキスをするだけで、去ってくれたから良かったが、それだけでも嫌で吐き気がした。
早く助けに来てくれ。そう願う。
誰が助けに来てくれると言うのか。
そして早くも式当日。
沢山の人々が祝福してくれていた。
白亜が笑顔で「綺麗だよ」と、言ってくれる。
嬉しく無かった。
誰か別の人に言って欲しい言葉であった。
誰だか思い出せない。
それが辛かった。
悲しくて、涙が流れてる。
「そんなに嬉しいがってくれるんだね」
そう白亜は誤解して言う。
裏柳はも頷いて誤魔化すしかなった。
式は順調に進み、最後の誓いのキスとなった。
誓いのキスをしたら結婚が成立してしまう。
嫌だ。
早く助けに来て!!
そう願った時だった。
誰かに手を引かれたのだ。
色々な事に魔力や体力を使ってしまい、漆黒ヘトヘトである。
裏柳を取り戻して、沢山ハグしてキスして小水貰って、出来ればセックスしたい。
もう一人、孕ませるΩを攫って来なければならないのだが、一片に二人を連れてくるのは流石にリスクが有りすぎる。
先ず裏柳を連れて来て、また様子を見てから孕ませるΩを連れてくる他、無いだろう。
漆黒もその胸を側近達に伝え、裏柳の待つ白の王国へと向かうのであった。
裏柳の居る場所へと直接瞬間移動する。
裏柳の手を掴んだ。
「えっ? 誰だ?」
目が合った裏柳は、そう驚いた様に言った。
花嫁衣装であった。
寝て起きても全くモヤモヤ感も白亜への嫌悪感も無くならなかった裏柳。
これはマリジッジブルーと言うやつなのかも知れない。
いくら嫌だろうと王族から申し出を裏柳の身分で断る事も出来ない。
結婚するしか無かった。
寝起きの裏柳へ、白亜は白い薔薇を差し出した。
「これを受け取ってくれる前に、君は神隠しに合ってしまったよね」
そう言って、「受け取ってくれるかい?」と、首を傾げる白亜。
昔から変わらない。幼馴染の愛らしい表情。
こんなに自分は白亜が嫌いだっただろうか。
そんな筈ないのだが……
受け取りたく無い。
それに、差し出された薔薇はもう一本有った気がした。それが何色なのかも本当にそうだったのかも思い出せないが……
「裏柳?」
なかなか受け取らない裏柳に不安そうな表情をする白亜。
「申し訳ありません、寝惚けておりました。有難う御座います」
裏柳は薔薇を受け取るという選択肢しか出来ない。
白い薔薇を受け取れば、婚約は済んでしまう。
「嬉しいよ裏柳。やっと君が僕のものになってくれた」
白亜は満面の笑みを浮かべて裏柳を抱きしめる。
俺はお前のものじゃない!
そう言いたくなった。
では、誰のものだと言うのだろう。
裏柳は自分の感情を押し込めて白亜を抱きしめかえすのだった。
「そうだ僕達の結婚式は三日後に決まったよ」
「……解りました」
「嬉しいな。子供は何人欲しい?」
「私との間に出来るかどうか……」
「卑屈な事を言わないの」
嬉しそうな白亜、裏柳は複雑な気持ちであった。
三日など、あっと言う間に過ぎてしまう。
式の準備は着々と進み、衣装の作成やら会場準備、お祝いの言葉も沢山言われた。
夜になると白亜が夜這いにやってくる。
「婚約したのだから良いだろう?」
と、言うのだ。
「初夜は結婚式の後という決まりです」
どうしても嫌で、そう断り続けた。
首を噛まれない様に手でガードして操を守る。
「全くそんな伝統を守る者等もういないよ。頑なだね。君のそう言う所も愛らしいと思うよ」
そう言って額にキスをするだけで、去ってくれたから良かったが、それだけでも嫌で吐き気がした。
早く助けに来てくれ。そう願う。
誰が助けに来てくれると言うのか。
そして早くも式当日。
沢山の人々が祝福してくれていた。
白亜が笑顔で「綺麗だよ」と、言ってくれる。
嬉しく無かった。
誰か別の人に言って欲しい言葉であった。
誰だか思い出せない。
それが辛かった。
悲しくて、涙が流れてる。
「そんなに嬉しいがってくれるんだね」
そう白亜は誤解して言う。
裏柳はも頷いて誤魔化すしかなった。
式は順調に進み、最後の誓いのキスとなった。
誓いのキスをしたら結婚が成立してしまう。
嫌だ。
早く助けに来て!!
そう願った時だった。
誰かに手を引かれたのだ。
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