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15話
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裏柳を助けた魔物は灰男と名乗った。
取り敢えずどうしようもないので言われるままにメイドとして働く事にする。
動物のブラッシングとか、餌を運んだり、床を掃除したり。灰男は直ぐに何処かへ出掛けてしまった為、緊張する事が無くて良かった。心置きなく動物に話を聞ける。
「あいつは何をしようとしている?」
そう怯える動物達に話しかけた。
「私達を使って、人間を襲わせようとしている」
動物達は素直に教えてくれた。
「人間を?」
「王様が張っているバリアを壊して王様の魔力を削ろうとしている」
「漆黒がバリアを張って守っているのか?」
「この国の王様がバリアを張って外と内を守ってる。人間と魔物は相容れない。戦争になってしまうのを防いでいるの」
「そうだったのか……」
本当に俺は漆黒の事を何も知らなかった。思いの外、漆黒は大変な役割を担っていたのだと気付く。
「なぜあいつは人間と魔物を戦わせたいんだ?」
「解らない。私達は人間を襲いたくない。怖い」
動物達はビクビクと怯えていた。
「解った。大丈夫だ洗脳されても俺が解いてやる。安心しろ」
動物達に声を掛けつつ、裏柳はメイドとしての仕事をこなした。
やはりあいつは件の犯人の様だ。
解っても何も出来ないのが歯痒い。
何か漆黒に知らせる方法があったら良かったのだが……
川沿いを探す漆黒と鳥。虎もやはり裏柳が心配で一緒に探していた。虎も裏柳が心配だったのだ。この川を上手く流れたなら白の王国に流れつく筈であった。バリアも向こうから入れないが、裏柳ならば此方からなら出られる筈である。
生きててくれ。
漆黒はただただそう願う。
空から探していた鳥が不自然に集まった獣の死骸を見つける。
漆黒も気付いて駆け寄った。
一瞬、ひやりとしたが死骸の中に裏柳は居ない。
だが微かに裏柳の匂いが残っていた。
ここに居たのは確かである。
「裏柳! 裏柳ーー!」
名前を呼ぶが返事はない。
「こちらから匂いが……」
クンクンと匂いをかぐ虎、虎は裏柳の匂いを追う。虎は嫌な予感がした。漆黒と鳥も後に続いた。
「この辺りで匂いが曖昧になっています」
「ああ……」
途中から虎も漆黒も匂いが追えなくなってしまった。
「おそらくこの辺りにバリアが施されてあるんだろう。正確に場所が解らなければ何も無い様に見える類のものか」
チッと舌打ちした。
裏柳の声でも聞こえれば壊せる程度の物だと思うが……
ある程度、想定出来る音は消えるように設定ぐらいしているだろう。どうする。
思案する漆黒。バイオリンを取り出す。
試してみるか……
昔し一緒に歌ったこの曲を、お前も覚えているか?
微かに音が聞こえた。懐かしい曲。
これは……
これは錫のヴァイオリンの音。
近くに居るのか!?
駆け出す裏柳。洞窟の出口に向かう。
見えた。
漆黒だ。
漆黒が見えるのに!
何か見えない壁にぶつかる。
ガンガン叩くが聞こえない様だ
「漆黒! ここだ! 漆黒!!」
そう名前を呼んでも此方に気付いてくれない。
どうしたら良いんだ。目の前にいるのに……
「漆黒……」
ここに居るよ。俺、ここに……
目の前に居るのに見てもらえない。
悲しくなってきて涙が溢れる。
途方にくれ、座り込んだ裏柳は自然と懐かしい歌を口付さんだ。
錫とよく歌った歌を、漆黒のヴァイオリンに合わせて。
「裏柳!!」
聴こえた! 裏柳の声は漆黒の耳に届いた。
漆黒は聴こえた場所にバリアを見つけ、壊す。
「漆黒~~」
涙目の可愛いメイドが抱きついて来た。
「何だその格好!!!」
なんでそんな可愛い格好をさせられていんだ。
「着替えがこれしか無かったんだ」
「何か変な事をされたりとかしてないよな!?」
ガシッと裏柳の肩を掴む。
「何もされてない」
首を振る裏柳だが信用ならない。よく考えたら裏柳は全裸だったはずである。こんな可愛い子が一糸纏わぬ体で流れて来たら襲うだろう。絶対。
「そんな事より! ここが件の犯人の屋敷なんだ!」
慌てた様子で洞窟を指す裏柳。
「何だと!?」
そんな偶然有るのだろうか。
「バリアを壊してお前の力を削って戦争を起こす気なんだ!」
「何でだ!?」
知能があるならば獣だろうと魔物だろうとそんな事をしてメリットも無い事を知っている筈だが……
愉快犯なのだろうか。
「…… そこまで解らなかった」
「そうか。取り敢えず応援を……」
漆黒は直ぐに虎へと命じて応援を呼ぼうとした。
「おっと、ちょっと目を離したスキに凄いなぁ~」
駆け出した虎を遮ったのは駱駝に乗って戻って来た灰男であった。
チッと舌打ちする虎。
「貴様が件の犯人だそうだが? 何が目的だ」
「漆黒様!」
キッと睨む漆黒と目が合い、灰男は跪く。
「漆黒様……」
漆黒を見つめ、頬を染める。
「ステキ」
語尾にハートでも付きそうな勢いである。
「おい、質問に答えろ!」
なんだこの気持ち悪い視線は!
漆黒は気分が悪くなってきた。
「ああ、漆黒様が僕に声をかけて下さっている」
灰男は感動したかの様に手を合わせ、涙目だ。
「おい、いい加減にしろ。貴様俺を馬鹿にしてるのか!?」
何なんだ気色悪い。
「そんな滅相もありません。お慕いしております」
縋る様に足元に近寄り、見上げてくる灰男は真剣な面持ちである。嘘をついている様には見えないが…… しかし、解らん。
「背中を刺すよう様な真似をして何をほざいているんだ」
いい迷惑でしかない。
「そんなつもりは…… ただ、僕は漆黒様を楽にして差し上げたくて…… 漆黒様がバリアを張り続ける事で漆黒様の死期が早まっしまいます。だから……」
灰男は必死な様子であるが、言っている事は滅茶苦茶である。
「それで貴様が壊してしまうから俺が余計な力を使わされ、寿命を縮める羽目になったと言う事か?」
本末転倒も良いところである。
漆黒の言葉にショックを受けた様で、灰男は涙目で落ち込んでしまった。
「おい、虎、縛りあげろ!」
覇気が無くなった灰男に、漆黒は縄を出して虎に投げる。
「はっ!」
縄を受け取った虎は灰男に躙り寄た。
その時だ
「そうはいかないよ!」
虎に取り押さえられそうになった灰男は抵抗し、動物をけしかけたのだ。
まさか抵抗されるとは思っておらず、スキをつかれてしまった。
「うわぁ!」
動物達に襲われる虎。
「離せ!」
漆黒も動物に連れさらわれそうになる。
「漆黒様! 僕、Ωなんです。だから~だから~」
どさくさに紛れて漆黒に抱きつく灰男。
「だから何だ! 離せ! 俺をどうする気だぁ」
振払おうにも動物が邪魔してきて上手く逃げられない漆黒は声を荒げる。
「孕ませてください~」
興奮する灰男からは発情期特有の香りがしてくる。
「ふざけるな! 離せ!! おい、臭い匂いを出すな!!!」
「漆黒様~~」
「うわああ!!」
像の鼻に巻き取られ、動けない漆黒に迫る灰男。
必死に抵抗する漆黒だが、像の力が強くてどうにも出来ない。
灰男の唇が近づいてくる。
もう駄目だぁと目を瞑った時。
「皆! 落ち着いて!! 怖くないぞ!! さぁ正気に戻ったら森へお帰り」
裏柳が大きい声で動物達の注目を引く。
どうやら裏柳はこのスキをついて動物達を檻から出し、逃した様である。
瞬間、像は漆黒を離し、虎を襲っていた動物達も動きを止めた。
『ありがと』
動物達のお礼が裏柳にだけに聞こえた。
「バイバーイ。 元気でねーー」
森に帰る動物達に笑顔で手を振る裏柳。
残された灰男はもう抵抗する手立てが無く、大人しくお縄になるのだった。
「でわ、私は先にコイツを牢屋に投げ込みます」
虎は捕まえた灰男を掴んで城へ向かう。
発情してしまい、しきりに「孕ませて~漆黒様~」等と言っている男を漆黒の側に居させられない。
急いで引き離してくれた虎に感謝する漆黒である。
「何か疲れたな」
「ああ……」
残された裏柳と漆黒はドッと疲れてしまう。
「鳥が背中に乗せてくれるって」
「そうか、お邪魔させて頂こう」
二人で鳥に乗り、城に帰る事にするのだった。
取り敢えずどうしようもないので言われるままにメイドとして働く事にする。
動物のブラッシングとか、餌を運んだり、床を掃除したり。灰男は直ぐに何処かへ出掛けてしまった為、緊張する事が無くて良かった。心置きなく動物に話を聞ける。
「あいつは何をしようとしている?」
そう怯える動物達に話しかけた。
「私達を使って、人間を襲わせようとしている」
動物達は素直に教えてくれた。
「人間を?」
「王様が張っているバリアを壊して王様の魔力を削ろうとしている」
「漆黒がバリアを張って守っているのか?」
「この国の王様がバリアを張って外と内を守ってる。人間と魔物は相容れない。戦争になってしまうのを防いでいるの」
「そうだったのか……」
本当に俺は漆黒の事を何も知らなかった。思いの外、漆黒は大変な役割を担っていたのだと気付く。
「なぜあいつは人間と魔物を戦わせたいんだ?」
「解らない。私達は人間を襲いたくない。怖い」
動物達はビクビクと怯えていた。
「解った。大丈夫だ洗脳されても俺が解いてやる。安心しろ」
動物達に声を掛けつつ、裏柳はメイドとしての仕事をこなした。
やはりあいつは件の犯人の様だ。
解っても何も出来ないのが歯痒い。
何か漆黒に知らせる方法があったら良かったのだが……
川沿いを探す漆黒と鳥。虎もやはり裏柳が心配で一緒に探していた。虎も裏柳が心配だったのだ。この川を上手く流れたなら白の王国に流れつく筈であった。バリアも向こうから入れないが、裏柳ならば此方からなら出られる筈である。
生きててくれ。
漆黒はただただそう願う。
空から探していた鳥が不自然に集まった獣の死骸を見つける。
漆黒も気付いて駆け寄った。
一瞬、ひやりとしたが死骸の中に裏柳は居ない。
だが微かに裏柳の匂いが残っていた。
ここに居たのは確かである。
「裏柳! 裏柳ーー!」
名前を呼ぶが返事はない。
「こちらから匂いが……」
クンクンと匂いをかぐ虎、虎は裏柳の匂いを追う。虎は嫌な予感がした。漆黒と鳥も後に続いた。
「この辺りで匂いが曖昧になっています」
「ああ……」
途中から虎も漆黒も匂いが追えなくなってしまった。
「おそらくこの辺りにバリアが施されてあるんだろう。正確に場所が解らなければ何も無い様に見える類のものか」
チッと舌打ちした。
裏柳の声でも聞こえれば壊せる程度の物だと思うが……
ある程度、想定出来る音は消えるように設定ぐらいしているだろう。どうする。
思案する漆黒。バイオリンを取り出す。
試してみるか……
昔し一緒に歌ったこの曲を、お前も覚えているか?
微かに音が聞こえた。懐かしい曲。
これは……
これは錫のヴァイオリンの音。
近くに居るのか!?
駆け出す裏柳。洞窟の出口に向かう。
見えた。
漆黒だ。
漆黒が見えるのに!
何か見えない壁にぶつかる。
ガンガン叩くが聞こえない様だ
「漆黒! ここだ! 漆黒!!」
そう名前を呼んでも此方に気付いてくれない。
どうしたら良いんだ。目の前にいるのに……
「漆黒……」
ここに居るよ。俺、ここに……
目の前に居るのに見てもらえない。
悲しくなってきて涙が溢れる。
途方にくれ、座り込んだ裏柳は自然と懐かしい歌を口付さんだ。
錫とよく歌った歌を、漆黒のヴァイオリンに合わせて。
「裏柳!!」
聴こえた! 裏柳の声は漆黒の耳に届いた。
漆黒は聴こえた場所にバリアを見つけ、壊す。
「漆黒~~」
涙目の可愛いメイドが抱きついて来た。
「何だその格好!!!」
なんでそんな可愛い格好をさせられていんだ。
「着替えがこれしか無かったんだ」
「何か変な事をされたりとかしてないよな!?」
ガシッと裏柳の肩を掴む。
「何もされてない」
首を振る裏柳だが信用ならない。よく考えたら裏柳は全裸だったはずである。こんな可愛い子が一糸纏わぬ体で流れて来たら襲うだろう。絶対。
「そんな事より! ここが件の犯人の屋敷なんだ!」
慌てた様子で洞窟を指す裏柳。
「何だと!?」
そんな偶然有るのだろうか。
「バリアを壊してお前の力を削って戦争を起こす気なんだ!」
「何でだ!?」
知能があるならば獣だろうと魔物だろうとそんな事をしてメリットも無い事を知っている筈だが……
愉快犯なのだろうか。
「…… そこまで解らなかった」
「そうか。取り敢えず応援を……」
漆黒は直ぐに虎へと命じて応援を呼ぼうとした。
「おっと、ちょっと目を離したスキに凄いなぁ~」
駆け出した虎を遮ったのは駱駝に乗って戻って来た灰男であった。
チッと舌打ちする虎。
「貴様が件の犯人だそうだが? 何が目的だ」
「漆黒様!」
キッと睨む漆黒と目が合い、灰男は跪く。
「漆黒様……」
漆黒を見つめ、頬を染める。
「ステキ」
語尾にハートでも付きそうな勢いである。
「おい、質問に答えろ!」
なんだこの気持ち悪い視線は!
漆黒は気分が悪くなってきた。
「ああ、漆黒様が僕に声をかけて下さっている」
灰男は感動したかの様に手を合わせ、涙目だ。
「おい、いい加減にしろ。貴様俺を馬鹿にしてるのか!?」
何なんだ気色悪い。
「そんな滅相もありません。お慕いしております」
縋る様に足元に近寄り、見上げてくる灰男は真剣な面持ちである。嘘をついている様には見えないが…… しかし、解らん。
「背中を刺すよう様な真似をして何をほざいているんだ」
いい迷惑でしかない。
「そんなつもりは…… ただ、僕は漆黒様を楽にして差し上げたくて…… 漆黒様がバリアを張り続ける事で漆黒様の死期が早まっしまいます。だから……」
灰男は必死な様子であるが、言っている事は滅茶苦茶である。
「それで貴様が壊してしまうから俺が余計な力を使わされ、寿命を縮める羽目になったと言う事か?」
本末転倒も良いところである。
漆黒の言葉にショックを受けた様で、灰男は涙目で落ち込んでしまった。
「おい、虎、縛りあげろ!」
覇気が無くなった灰男に、漆黒は縄を出して虎に投げる。
「はっ!」
縄を受け取った虎は灰男に躙り寄た。
その時だ
「そうはいかないよ!」
虎に取り押さえられそうになった灰男は抵抗し、動物をけしかけたのだ。
まさか抵抗されるとは思っておらず、スキをつかれてしまった。
「うわぁ!」
動物達に襲われる虎。
「離せ!」
漆黒も動物に連れさらわれそうになる。
「漆黒様! 僕、Ωなんです。だから~だから~」
どさくさに紛れて漆黒に抱きつく灰男。
「だから何だ! 離せ! 俺をどうする気だぁ」
振払おうにも動物が邪魔してきて上手く逃げられない漆黒は声を荒げる。
「孕ませてください~」
興奮する灰男からは発情期特有の香りがしてくる。
「ふざけるな! 離せ!! おい、臭い匂いを出すな!!!」
「漆黒様~~」
「うわああ!!」
像の鼻に巻き取られ、動けない漆黒に迫る灰男。
必死に抵抗する漆黒だが、像の力が強くてどうにも出来ない。
灰男の唇が近づいてくる。
もう駄目だぁと目を瞑った時。
「皆! 落ち着いて!! 怖くないぞ!! さぁ正気に戻ったら森へお帰り」
裏柳が大きい声で動物達の注目を引く。
どうやら裏柳はこのスキをついて動物達を檻から出し、逃した様である。
瞬間、像は漆黒を離し、虎を襲っていた動物達も動きを止めた。
『ありがと』
動物達のお礼が裏柳にだけに聞こえた。
「バイバーイ。 元気でねーー」
森に帰る動物達に笑顔で手を振る裏柳。
残された灰男はもう抵抗する手立てが無く、大人しくお縄になるのだった。
「でわ、私は先にコイツを牢屋に投げ込みます」
虎は捕まえた灰男を掴んで城へ向かう。
発情してしまい、しきりに「孕ませて~漆黒様~」等と言っている男を漆黒の側に居させられない。
急いで引き離してくれた虎に感謝する漆黒である。
「何か疲れたな」
「ああ……」
残された裏柳と漆黒はドッと疲れてしまう。
「鳥が背中に乗せてくれるって」
「そうか、お邪魔させて頂こう」
二人で鳥に乗り、城に帰る事にするのだった。
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