（完結）魔王と従者

11話 ※突然のイラマチオ

　真夜中の事である。
　漆黒の裏柳小水センサーが反応した。

「裏柳、裏柳」

　声を掛けるが起きてくれない。
　どうしようか。
　このままだと裏柳はおねしょをしてしまう。
　裏柳のプライドが傷つく上に、俺としても勿体ない。

　しかし良く寝ているな。

　捲って直接フェラチオしちゃってもいけそうな気がする。
　フェラちっゃって良いだろうか。
　いや、そんな駄目だよな。
　本人の許可無くフェラちっゃうなんていけない。
　ここは、はやり、いつも通りグラスを用意して、中に出して貰うとしよう。
　いや、でも裏柳の意識が無いのだから、どっちにしろ大して違わない。
　フェラっちまおうぜ俺。
　起きない裏柳が悪いだろう。
　そもそも誘って来たのは裏柳だし、誘っておいて先に寝ちゃうの良くないよ裏柳。
　フェラっちゃうか？
　いやいや

　漆黒の頭の中の天使と悪魔が激しい攻防を繰り広げてしまっていた。
　そんなこんなしているうちに裏柳は限界を向かえる。

「んん……　ん」

　苦しそうな顔に吐息が漏れた。

　めっちゃエロい。

　きっと夢でトイレを探しているか、見つけたトイレがあまりに汚くてするかしないか迷っているか、どちらかだ。
　おねしょする時なんてだいたいそんな夢だろう。
　『ええいしてしまえー』ってすると、漏れているんだ。
　あぁ、どうしよう。
　ここままだと、本当に裏柳が本当におねしょをしてしまう。
　いや、おねしょしちゃって恥ずかしがる裏柳を見てみたいとも思うが、勿体ない。
　裏柳の小水は大事である。
　どうしよう。どうしよう。

　天使と悪魔の攻防に決着もつかず、漆黒は焦る。

「裏柳、起きて。裏柳！」

　何とか起きて貰おうと声を掛けるが、すごく熟睡していて起きてくれない。
　
「んん、トイレ……」

　寝言だ。
　顔を真っ赤にして悩ましげな表情をしている。
　大変エッチな顔だ。

　裏柳は限界であろう。漆黒も限界である。
　取り敢えずグラスを出した。
　やはり無許可でフェラするなんていけない。
　漆黒の攻防は天使が軍配を上げた様だ。
　裏柳を抱き起こす。
　目をつむり『見てない見てない』と言い聞かせ、ネグリジェを捲る。
　ショーツを下ろす。
　裏柳が言うのでフラミンゴに下着も作らせたのだ。
　これはこれで手触りが良くてエッチだ。
　もう、裏柳に関しては全てかエッチだ。

　漆黒はグラスをスタンバイし、裏柳の顔を見つめる。
　顔は見たい。

　その時

「んん？」

　裏柳がうっすら目を開けた。

　あわわ、あわわ
　どうしよう。

　このタイミングで起きられるのは困る。

「裏柳、これはその……」

　誤解しないで欲しい。
　俺は寝ている裏柳に手を出そうとしている訳では無いだ。
　ただ、小水を貰えたくて。
　その……　あの……

「うー、ダメ。もう漏れちゃう！！　漆黒！　口を開けてくれ」

　慌てる漆黒を押し倒し、馬乗りになってくる裏柳。

　え、割りと力強いな。

　とか、そんな事はどうでも良く、唖然としてしまう漆黒。

「早く！　漏れちゃう！！」
「あ、ああ」

　漏れる漏れると焦る裏柳に、言われた通りに口を開く。

「うぐっ……」

　突然、頭を捕まれた。
　ビックリする漆黒。
　裏柳が己の陰茎を口の中に押し込んで来る。
　漆黒からしたら可愛らしい陰茎なので、苦しくも何とも無いのだが、いきなりイラマチオされるとは思わなかった。
　漆黒は頭がついていかない。
　そしておもいっきり口中で用を足された。

「んぐっ！！」

　殆ど反射的に飲み込む。
　何とか溢さずに済んだ。

「ふーっ、スッキリした。美味しかったか？」

　陰茎を口内から抜き取り、にこりと微笑む裏柳。

「ゲホゲホ、美味しかった」

　出来る事ならもっとゆっくり味あわせて貰いたかった。
　ビックリして味なんて解らん。
　そして、ちょっと咽た。
　後味は最高であるし、めちゃくちゃ元気にはなったが……

「良かった。おやすみ」
「えっ！？」

　裏柳は身なりを整えると、そのままベッドに入る。
　再びスヤスヤ眠りについてしまった。

「裏柳。ねぇ、裏柳。あの～」

　駄目だ。もう起きてくれそうにない。
　この俺にいきなりイラマチオきめた挙げ句、一人でスッキリさせて眠りにつくとは、とんでもない悪魔だ。
　俺の猛ってしまったマラはどうしてくれるんだ。
　出来れば、もうちょっと付き合ってくれて、精子も口の中に出してくれたら良かったのに……

　もう仕方ないので裏柳の可愛い寝顔をおかずに自慰するしかない。
　この俺に自慰なんて情けない事をさせるのも裏柳だけだ。
　本当に魔性だ。
　全く可愛い寝顔しやがって！！