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新しい都市
オークって鬼っぽいよね。鬼と言えば
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ヘビ討伐後に周辺を探ってみると、採掘スポットをいくつか見つけた。
そこから取れる物はドワーフ村と同じで銅と鉄のみ。
「ヘビが強かったから良いのが出ると思ったけど、こんなものか」
「俺っちは良いと思うけど、もっと奥行ってみるか?」
「いや、今日はここまでにしよう。ウーゴの装備を先に揃えたい」
なんと言っても、ウーゴが戦力の要だからな。俺だけだと逆にやられていたところだよ。
鉄も取れたし成果は問題ないので、足取り軽く街へ帰る。
「じゃあ、また明日な」
「テッケンさんによろしくね」
うさぎや狼ばっかりだったから、ヘビ皮見たら喜ぶと思うんだ。
失敗しても良いってことにしたから、大丈夫なはず。
ウーゴも行ったし、俺も道具作りに行くか。
「待ってたよ」
鍛冶工房でグスタフさんが待ってくれていた。
「素材の追加ですか? 今日もそこそこ取ってきましたよ」
「それもだけど、これを見てくれないか」
そう言ってグスタフさんが取り出したのは、昨日言っていたメイス……のようなもの。
思ったより短く先端は細くなっている。
「警棒にも見えますね。方針転換ですか?」
「違う違う。この先にこれから取り付けるんだ」
確かに溝《みぞ》が入っている。
でも、これだと……。
「首が弱くなってすぐ壊れませんか?」
「うむ。だからこっちも作ってみたんだ」
こんどの棒は先端が太めに作られている。これなら首が折れることは無いだろう。ただし、接続した後の留め具が無い。それについても言おうとしたんだが、止められる。
「言いたいことはわかるが待ってくれ」
先端部に殴打部を取り付けると、形だけはフランジ型のメイスになった。刃物が六方に剥き出していて、かなり凶悪な見た目になっている。
「このフランジにも穴があってな。組み合わせて……、ここに針金を通すんだ」
「あ! そういうことか!」
「ただのメイスなら、我々でなくても良いだろう? だから取り替え式のフランジにしたんだ。それに」
新たに取り出したのは、何かの描き途中の紙。よく見ると、今見せてもらったメイスの持ち手部分のようだ。
「これは?」
「配布用のオリジナルレシピを作っているんだ」
「えぇぇ!? そんなの出来るの?」
「教授のクエストで教えてくれたよ。ハッチ氏は魔法工房で調べてないから、知らないと思ったよ」
グスタフさんの話では、魔法工房の資料室でレシピ集を探すとクエストが始まるらしい。内容も簡単で、数十分で終わるのでオススメだと言っていた。
「ひと段落したらやってみると良い。その前に」
針金作りが待っている。
2時間かけて針金20巻を作成した。
「これでしっかり締めて……、完成!」
【フランジ・メイス-(付け替え可)】
「これはなかなか、見た目も良いですね」
「あとは実践するだけです。これだけだと心配なので、こっちも作りました」
【スパイクメイス】
木製の棒に金属を被せた形をしている。赤鬼が持っていそうな見た目だな。
「ヤーポンの鬼がスパイクを持ってるの見ました。オークならこっちもありかと」
お伽話の再現か!
確かに見たい気もする。
明日が楽しみだな。ふふふ。
ログイン後、ゲーム内の空を見ると、曇りとなっていた。
なぜそんなところを見ているかというと、今朝のニュースで惑星の環境映像が流れたからだ。
_______________
「久しぶりの惑星映像ですが、どう変わっているのでしょうね」
「長期計画ですからね。期待せずに見てみましょう」
映像には、上空が雲で覆われていて、薄暗くなっている。そんな中でも、変わらずロボットたちがせっせと土を回収したり運搬したりする内容だった。ただし、それだけではなく、ドーム内の一部に小さな緑が見えている。
「まさか植物が生えているとは! なんという植物ですか?」
「資料によると、あれは持ち込んだ植物が変異したようで、AL–01と命名されたようですね」
「極小のサボテンにも見えますね」
細かい分類などは発表されてないようだ。
その植物も面白いが、ロボットの動く経路が面白い。
「ゲームで言うと、場所はどこでしょうか?」
「妖精種のある地域とだけ書かれています」
俺にとっては慣れたドワーフ村から鉱山までの流れだったので見入ってしまった。
ポックルやエルフの村も経路は同じなんだろうか?
もうちょっと他の村に行っておけば良かったな。
なかなか面白いニュースだった。
こういう風景映像は好きだから、もっと流して欲しいな。
もしくは、ゲーム画面とロボット画面の両方が見れる機能の追加を希望したい。
_______________
「そこをどいてちょ」
後ろを見ると、ケットシー族の知らない奴がいた。
「あ、ごめん」
「ありがとん」
あんなケットシーいたっけな?
「あ、ハッチ!」
「パッド?」
「今、僕の仲間通らなかった?」
「ちょうど向こうに行ったところだよ」
軽くお辞儀して走って行ってしまった。
パッドが追いついたのか、話している声が聞こえるけど、知らない言葉だな。
ケットシーって別言語を持ってるのかな?
そこから取れる物はドワーフ村と同じで銅と鉄のみ。
「ヘビが強かったから良いのが出ると思ったけど、こんなものか」
「俺っちは良いと思うけど、もっと奥行ってみるか?」
「いや、今日はここまでにしよう。ウーゴの装備を先に揃えたい」
なんと言っても、ウーゴが戦力の要だからな。俺だけだと逆にやられていたところだよ。
鉄も取れたし成果は問題ないので、足取り軽く街へ帰る。
「じゃあ、また明日な」
「テッケンさんによろしくね」
うさぎや狼ばっかりだったから、ヘビ皮見たら喜ぶと思うんだ。
失敗しても良いってことにしたから、大丈夫なはず。
ウーゴも行ったし、俺も道具作りに行くか。
「待ってたよ」
鍛冶工房でグスタフさんが待ってくれていた。
「素材の追加ですか? 今日もそこそこ取ってきましたよ」
「それもだけど、これを見てくれないか」
そう言ってグスタフさんが取り出したのは、昨日言っていたメイス……のようなもの。
思ったより短く先端は細くなっている。
「警棒にも見えますね。方針転換ですか?」
「違う違う。この先にこれから取り付けるんだ」
確かに溝《みぞ》が入っている。
でも、これだと……。
「首が弱くなってすぐ壊れませんか?」
「うむ。だからこっちも作ってみたんだ」
こんどの棒は先端が太めに作られている。これなら首が折れることは無いだろう。ただし、接続した後の留め具が無い。それについても言おうとしたんだが、止められる。
「言いたいことはわかるが待ってくれ」
先端部に殴打部を取り付けると、形だけはフランジ型のメイスになった。刃物が六方に剥き出していて、かなり凶悪な見た目になっている。
「このフランジにも穴があってな。組み合わせて……、ここに針金を通すんだ」
「あ! そういうことか!」
「ただのメイスなら、我々でなくても良いだろう? だから取り替え式のフランジにしたんだ。それに」
新たに取り出したのは、何かの描き途中の紙。よく見ると、今見せてもらったメイスの持ち手部分のようだ。
「これは?」
「配布用のオリジナルレシピを作っているんだ」
「えぇぇ!? そんなの出来るの?」
「教授のクエストで教えてくれたよ。ハッチ氏は魔法工房で調べてないから、知らないと思ったよ」
グスタフさんの話では、魔法工房の資料室でレシピ集を探すとクエストが始まるらしい。内容も簡単で、数十分で終わるのでオススメだと言っていた。
「ひと段落したらやってみると良い。その前に」
針金作りが待っている。
2時間かけて針金20巻を作成した。
「これでしっかり締めて……、完成!」
【フランジ・メイス-(付け替え可)】
「これはなかなか、見た目も良いですね」
「あとは実践するだけです。これだけだと心配なので、こっちも作りました」
【スパイクメイス】
木製の棒に金属を被せた形をしている。赤鬼が持っていそうな見た目だな。
「ヤーポンの鬼がスパイクを持ってるの見ました。オークならこっちもありかと」
お伽話の再現か!
確かに見たい気もする。
明日が楽しみだな。ふふふ。
ログイン後、ゲーム内の空を見ると、曇りとなっていた。
なぜそんなところを見ているかというと、今朝のニュースで惑星の環境映像が流れたからだ。
_______________
「久しぶりの惑星映像ですが、どう変わっているのでしょうね」
「長期計画ですからね。期待せずに見てみましょう」
映像には、上空が雲で覆われていて、薄暗くなっている。そんな中でも、変わらずロボットたちがせっせと土を回収したり運搬したりする内容だった。ただし、それだけではなく、ドーム内の一部に小さな緑が見えている。
「まさか植物が生えているとは! なんという植物ですか?」
「資料によると、あれは持ち込んだ植物が変異したようで、AL–01と命名されたようですね」
「極小のサボテンにも見えますね」
細かい分類などは発表されてないようだ。
その植物も面白いが、ロボットの動く経路が面白い。
「ゲームで言うと、場所はどこでしょうか?」
「妖精種のある地域とだけ書かれています」
俺にとっては慣れたドワーフ村から鉱山までの流れだったので見入ってしまった。
ポックルやエルフの村も経路は同じなんだろうか?
もうちょっと他の村に行っておけば良かったな。
なかなか面白いニュースだった。
こういう風景映像は好きだから、もっと流して欲しいな。
もしくは、ゲーム画面とロボット画面の両方が見れる機能の追加を希望したい。
_______________
「そこをどいてちょ」
後ろを見ると、ケットシー族の知らない奴がいた。
「あ、ごめん」
「ありがとん」
あんなケットシーいたっけな?
「あ、ハッチ!」
「パッド?」
「今、僕の仲間通らなかった?」
「ちょうど向こうに行ったところだよ」
軽くお辞儀して走って行ってしまった。
パッドが追いついたのか、話している声が聞こえるけど、知らない言葉だな。
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