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何をするにも道具から
ぶち猫の雑貨屋配信
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「あーあー。ちゃんと見えてますか?」
”見えてるよ。”
「よしよし。見れないところあったら後で教えてね。」
”了解。”
”りょ!”
「おほん。すみませんが、ログは一度切っておきます。じゃあ、雑貨屋工房の初公開といきましょうか。今いるところが販売部分ですね。」
戸棚を一つずつ見ていって、商品を説明していく。
「こんな風に、まだスカスカの状態です。最近増えたのがこれ。解体用のナイフです。劣化鉄鉱石で作られたマイナス品のみ。私が作れるようになって店頭に並びました。次は売り子さんの紹介です。」
カメラが動いてカウンターを映し出す。
「こちらが売り子をしてくれている親方のパートナーのリリーさんです。」
「何してんだい?」
「あ、今店内を撮影してまして、これに向かって挨拶お願いします。」
「これ?雑貨屋のリリーだよ。裁縫覚えたきゃ会いに来な。少しなら教えてあげるよ。」
「そんな訳で、裁縫上手なリリーさんでした。次は奥に行きましょう。」
カウンター横を通って行くと広めの土間。
中央に大きな炉があり、端っこで親方が腕組み待っている。
「こちらが雑貨屋工房です。現在の弟子は私ともう1人。名前は言わなくても有名ですから省きます。そして奥にいるのが親方のドーインさんです。見た目は怖いですが、丁寧な説明と親方TIPsが有名ですね。」
親方が不思議そうな顔でやってくる。
「その浮いてるのは何だ?」
「これはカメラです。こちらに簡単な自己紹介お願いします。」
「お、おう。雑貨屋のドーインだ。武器防具以外の全般を請け負っている。料理道具から工具まで何でも作るぞ。武器が作りたきゃ武具店に行け。」
「ありがとうございます。この村の第2陣は、ほとんど武具店に行っちゃいました。ですが、武具を作る工具は全部ここ発注なので、良品作りたかったら工具待ちです。ちなみにプレイヤーからの受注は現在受け付けていません。」
そこに兄弟子がやってくる。
「親方!とってきましたよ!」
「よし。じゃあ火入れからだな。」
タイミング良く鍛冶が始まるので、カメラを回して様子をみよう。
「ハッチさん。鍛冶場の撮影して良いですか?」
「ん?親方が良いなら問題無いんじゃ無い?」
「良いぞ。」
よし。
これで運営に止められることはないな。
「許可を貰ったので、現場を見ましょう。」
鉱石をバケツに入れて溶かす行程から始まりインゴットを作成する。
「鍛冶作業の最初は鉱石を溶かすところから、インゴット作成までします。スキルレベルが低くても成功しやすい部類です。レベル0の場合はクリティカル以外消失します。」
ハッチが、挟んだインゴットを火に入れて熱している。
「このように火入れして、柔らかくしながらハンマーで叩いていきます。折り返しはできますが、私たちのスキルレベルだと灰を掛けただけで消失しました。」
リズム良くハンマーでカンカン叩き、折り返しまた叩いてを繰り返す。
やっと納得したのか、叩きながら形を整えて行く。
「ノンストップでお送りして、ここまで30分叩いています。そろそろ最終の叩きに入りますよ。」
ぶち猫がそう言っても最後の1振りが無い。
「ハッチさんどうしたんですか?」
「あ、あ。これで5度目。あぁぁぁ!恵比寿様お願いしますぅぅぅ!」
ハッチがいきなり仰け反ってハンマーを掲げ、プルプル震えながら祈り出した。
「あぁ。また出ちゃったか。えっとこれはハッチさんの癖というか。神頼みですね。」
「やり直して5度!ドワ活2時間で1チャンス。ここまで1チャンス合計3時間。次こそ頼みます!俺のスキルよ唸れ!」
ハッチ渾身の一打。
パキーン。
「折り返しが足んねーんだよ。」
「親方ぁぁぁぁぁ!」
「えっと、移動やら、他の作業も含むと2日ですね。新レシピは成功低いのが多いんですけど…。ハッチさんは高難度に挑戦中なので、もっと悪くてこんな感じです。」
地面に倒れたハッチが、立ち上がると親方に向かって歩き出す。
「ほれ。これ持ってけ。」
「ドワ活行ってきまーす。」
「えー。皆さんお疲れ様でした。明日からいらっしゃる3陣の方。良ければ雑貨屋来ませんか?はぁ。変な配信になっちゃったな。」
そこに親方がやってきた。
「これってまだ映ってるのか?」
「あ、まだ映ってますけど。」
「新人ども良く聞け。雑貨屋の作る物は、解体・採掘・採取から生産の道具全般だ。誰かが作るのを待ってるのか?種族は関係ねぇ!物が作りてえなら来い。」
「あ、ありがとうございます。以上ぶち猫の雑貨屋配信でした。」
”雑貨やってみようかな。”
”え?あの難易度みただろ?”
”確かポックル村が近かったよな。”
”人族領でも雑貨屋あるんじゃないか?”
”ちょっとスレ漁ってくるわ。”
”見えてるよ。”
「よしよし。見れないところあったら後で教えてね。」
”了解。”
”りょ!”
「おほん。すみませんが、ログは一度切っておきます。じゃあ、雑貨屋工房の初公開といきましょうか。今いるところが販売部分ですね。」
戸棚を一つずつ見ていって、商品を説明していく。
「こんな風に、まだスカスカの状態です。最近増えたのがこれ。解体用のナイフです。劣化鉄鉱石で作られたマイナス品のみ。私が作れるようになって店頭に並びました。次は売り子さんの紹介です。」
カメラが動いてカウンターを映し出す。
「こちらが売り子をしてくれている親方のパートナーのリリーさんです。」
「何してんだい?」
「あ、今店内を撮影してまして、これに向かって挨拶お願いします。」
「これ?雑貨屋のリリーだよ。裁縫覚えたきゃ会いに来な。少しなら教えてあげるよ。」
「そんな訳で、裁縫上手なリリーさんでした。次は奥に行きましょう。」
カウンター横を通って行くと広めの土間。
中央に大きな炉があり、端っこで親方が腕組み待っている。
「こちらが雑貨屋工房です。現在の弟子は私ともう1人。名前は言わなくても有名ですから省きます。そして奥にいるのが親方のドーインさんです。見た目は怖いですが、丁寧な説明と親方TIPsが有名ですね。」
親方が不思議そうな顔でやってくる。
「その浮いてるのは何だ?」
「これはカメラです。こちらに簡単な自己紹介お願いします。」
「お、おう。雑貨屋のドーインだ。武器防具以外の全般を請け負っている。料理道具から工具まで何でも作るぞ。武器が作りたきゃ武具店に行け。」
「ありがとうございます。この村の第2陣は、ほとんど武具店に行っちゃいました。ですが、武具を作る工具は全部ここ発注なので、良品作りたかったら工具待ちです。ちなみにプレイヤーからの受注は現在受け付けていません。」
そこに兄弟子がやってくる。
「親方!とってきましたよ!」
「よし。じゃあ火入れからだな。」
タイミング良く鍛冶が始まるので、カメラを回して様子をみよう。
「ハッチさん。鍛冶場の撮影して良いですか?」
「ん?親方が良いなら問題無いんじゃ無い?」
「良いぞ。」
よし。
これで運営に止められることはないな。
「許可を貰ったので、現場を見ましょう。」
鉱石をバケツに入れて溶かす行程から始まりインゴットを作成する。
「鍛冶作業の最初は鉱石を溶かすところから、インゴット作成までします。スキルレベルが低くても成功しやすい部類です。レベル0の場合はクリティカル以外消失します。」
ハッチが、挟んだインゴットを火に入れて熱している。
「このように火入れして、柔らかくしながらハンマーで叩いていきます。折り返しはできますが、私たちのスキルレベルだと灰を掛けただけで消失しました。」
リズム良くハンマーでカンカン叩き、折り返しまた叩いてを繰り返す。
やっと納得したのか、叩きながら形を整えて行く。
「ノンストップでお送りして、ここまで30分叩いています。そろそろ最終の叩きに入りますよ。」
ぶち猫がそう言っても最後の1振りが無い。
「ハッチさんどうしたんですか?」
「あ、あ。これで5度目。あぁぁぁ!恵比寿様お願いしますぅぅぅ!」
ハッチがいきなり仰け反ってハンマーを掲げ、プルプル震えながら祈り出した。
「あぁ。また出ちゃったか。えっとこれはハッチさんの癖というか。神頼みですね。」
「やり直して5度!ドワ活2時間で1チャンス。ここまで1チャンス合計3時間。次こそ頼みます!俺のスキルよ唸れ!」
ハッチ渾身の一打。
パキーン。
「折り返しが足んねーんだよ。」
「親方ぁぁぁぁぁ!」
「えっと、移動やら、他の作業も含むと2日ですね。新レシピは成功低いのが多いんですけど…。ハッチさんは高難度に挑戦中なので、もっと悪くてこんな感じです。」
地面に倒れたハッチが、立ち上がると親方に向かって歩き出す。
「ほれ。これ持ってけ。」
「ドワ活行ってきまーす。」
「えー。皆さんお疲れ様でした。明日からいらっしゃる3陣の方。良ければ雑貨屋来ませんか?はぁ。変な配信になっちゃったな。」
そこに親方がやってきた。
「これってまだ映ってるのか?」
「あ、まだ映ってますけど。」
「新人ども良く聞け。雑貨屋の作る物は、解体・採掘・採取から生産の道具全般だ。誰かが作るのを待ってるのか?種族は関係ねぇ!物が作りてえなら来い。」
「あ、ありがとうございます。以上ぶち猫の雑貨屋配信でした。」
”雑貨やってみようかな。”
”え?あの難易度みただろ?”
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”人族領でも雑貨屋あるんじゃないか?”
”ちょっとスレ漁ってくるわ。”
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