12 / 22
1章
10.森へ
しおりを挟む
~冒険者ギルド~
僕は次に行く場所についてマオさんに相談していた。
「この辺りで1番近いのは西の草原の先にある森ですね。ウォルフちゃんがいれば1日のうちに帰ってくる事ができますよ」
「わかりました。持っておくといい物って何かありますか?」
「森の入り口までなら特に必要な物はないですよ。奥に行くなら毒を使う魔物が多いので毒消しがあると安心ですね」
「最初なので、今日は入り口の近くで探索することにします」
「わかりました。入り口付近とはいえ、充分に注意してくださいね」
「はい、わかってます!いってきます」
今日行く事になった森は、《イール》西側の草原を抜けた先にあり、虫や植物の魔物が多く生息している。
森の近くまでは街道が整備されているため安全が確保されているが、森の中は道が無く見通しも悪いため、注意が必要だ。
~森の入り口~
僕達は森の入り口に来ていた。
僕のいた村周辺の森と違って広大で、特定の魔物を見つけることが出来るかわからなかった為に依頼は受けていない。
「それじゃ行こうか。特に植物の魔物には注意しようね」
「「キューッ」」
「ガウッ」
植物の魔物は木や花に擬態していることが多いため、警戒をしていなければパーティーが全滅することもよくあるらしい。
~森の中(入り口付近)~
「まだ入り口の光が見えるけど、随分薄暗いね」
アインがいた村は《イール》の東にある草原に点在している小さな森の中にあり、これほど広い森に入った経験は今までにない。
「この辺りでも魔物は出ると思うから、これ以上進むのはやめておこうか」
「キュッ」
「キュルゥ」
「グルゥ」
外の光が差し込み、方向がわかるようにしながら僕達は探索を始めた。
少しして、1体目の魔物を見つけた。
「え?緑色のスライム?敵意はなさそうだけど・・・"鑑定"」
lv5 グリーンスライム 中立
グリーンスライムはスライムの上位種等ではなく、周辺に草木が生い茂った場所で育ったスライムの体色が変化した個体である。
レベルが高い個体は回復スキルを使う事が出来る。
ランクはスライムと同じF。
「向こうから攻撃してこないなら放置でいいかな?色々な魔物を見てみたいからね」
僕達は探索を再開した。
「ーーーガウッ!」
「え!?ウォルフ!?」
ウォルフがいきなり僕を突き飛ばした、その直後、
「ギギギ・・・」
僕の頭の上を枝が通り過ぎたと同時に、何かを擦り合わせたような音が聞こえた。
「これって・・・"鑑定"」
lv6 トレント 敵対
トレントは森の木々に擬態する植物の魔物で、単独で行動する。
移動するのは基本的に夜で、昼の間は動かずに獲物を待ち構えている。
再生力が強く、攻撃を受けても時間をかければ再生する。
移動速度が遅いため逃げるのは容易。
ランクはE。
「トレントか・・・やろう、みんな」
「キュッ!」
「キュルゥ!」
「ガウッ!」
ウルフ(ウォルフ)に続いて2体目のEランクだが、あの時とは違い、仲間にウォルフがいる為、僕達は戦う事にした。
「ギギギギ・・・!!」
「みんな、お願い!」
僕はトレントが伸ばしてきた枝を切り払いながら指示を出した。
「グルルッ!」
「キュッ!」
「キュルルゥッ!」
最初にウォルフが爪で、そのあとにライムとルゥが体当たりを仕掛ける。
「ギギッ・・・!」
「みんなの攻撃でも倒れないなんて、タフだね」
植物の魔物は総じて生命力が強い傾向にある。
また、炎などに弱い一方で物理的な攻撃に強い個体が多い。
「でも効いていないことは無いはず、みんな、もう一度!」
先程僕が切り払った枝がまだ再生していないため、今度は僕も攻撃する事にした。
「ふっ!」
「キュッ!!」
「キュルルゥ!」
「ガウッ!」
「ギ・・・」.
僕達の攻撃をまともに受けたトレントは光の粒に変わったあと、そこには淡く光る枝が落ちていた。
「これはなんだろう?持ち帰ってマオさんに聞いてみようかな」
僕がトレントの落とした枝を"収納"スキルに入れた。その時、
「キューッ!」
「キュルゥ・・・!」
「グルルルルゥ・・・」
「ど、どうしたの?みんな」
みんなが警戒し視線を向ける方向を僕が見ると、
「な・・・何あれ!?」
1mほどもある紫色をした蜘蛛が5匹、こちらに向かって来ていた。
「「「「「キシャァァァ!」」」」」
「まずい!みんな逃げよう!!」
僕達はウォルフに乗って急いで森から出た。
~街道~
「何だったんだろう、あの魔物・・・」
"鑑定"を使う時間がなかったため、僕は魔物図鑑を取り出して虫の魔物が載っている項目を見ていた。
「見た目もそっくりだから、この魔物かな?」
ヴェノムスパイダー
成体は1.5mほどになる。基本的に群れで行動し、巣の近くを通る獲物に襲いかかる。
毒を持っており、噛まれると危険だが、毒消しで治療可能。
ランクは単独だとF。群れならE以上。
「見た目でなんとなく分かってたけど、毒持ってたんだ・・・戦わなくてよかったぁ。戦っても勝てたとは思わないけど・・・」
毒消しを持ってないことに加えて、数で負けていたため、勝算は低かった。
「とりあえず帰ってマオさんに報告しようかな。流石にもう一度森に入る気にはならないし」
いつもよりかなり早いが、僕達は《イール》に帰る事にした
~冒険者ギルド~
トレントの落とした枝を査定してもらっている間に、僕はマオさんとサークレッドさんに今日の顛末を報告していた。
「ヴェノムスパイダーの群れが森の入り口に現れただって?本来は巣からそこまで離れない魔物のはずなんだけど」
「そうですね。森の奥で何かが起きてるんでしょうか?」
「私達で話し合ってもどうにもならないね。アイン君。情報提供を感謝するよ。私はこの事を上層部に伝えなきゃいけないから失礼するよ。またね」
(思ったより大変なことになっちゃったな・・・どうなるんだろう)
サークレッドさんが去ったあと、ちょうど査定が終了した。
「それではアインさん、こちらがトレントの枝の買取金額になります。それと、今回の件本当にすみませんでした」
「い、いやそんな!毒消しを買わなかったのは僕ですし、マオさんが謝るようなことは無いですよ!」
「不確定な情報で冒険者の命を危険に晒すことはギルド職員として失格です。今後はこのような事が起こらないように努めます」
よっぽど気にしているのかマオさんの耳も倒れている。
「ほんとに気にしないでください!大丈夫ですから!」
「ありがとうございます。アインさんは優しいですね」
「あ、ルゥを触りますか?モフモフしてて落ち着きますよ!」
「キュルゥ」
ぼくはルゥを抱えてマオさんに手渡した。
「ふふっ、本当にモフモフですね。もう大丈夫です、元気が出ました」
マオさんはしばらくルゥに触れたあと、笑顔で離してくれた。
(耳も立ってるし、大丈夫そうかな)
「またいつでも言ってください。それじゃあまた明日来ますね!」
「はい。お待ちしてます」
僕達は冒険者ギルドを後にした。
~宿屋~
「マオさんって結構分かりやすいんだなぁ」
僕はマオさんの耳のことを思い返していた。
「それにしても、ヴェノムスパイダーは何だったんだろう」
サークレッドさんも巣からあまり離れないと言っていたし、図鑑にも似たような事が書いてあった。
「何も起こらなければいいんだけど・・・」
僕は不安を覚えつつも、明日に備えて眠ることにした。
トレントの枝・・・トレントから手に入る枝。生命力を帯びていて、量に応じて、光が強くなる。魔法使いが使う杖などに用いられることが多く、太いものだと建築の材料にもなる。ーーー魔物図鑑より引用
僕は次に行く場所についてマオさんに相談していた。
「この辺りで1番近いのは西の草原の先にある森ですね。ウォルフちゃんがいれば1日のうちに帰ってくる事ができますよ」
「わかりました。持っておくといい物って何かありますか?」
「森の入り口までなら特に必要な物はないですよ。奥に行くなら毒を使う魔物が多いので毒消しがあると安心ですね」
「最初なので、今日は入り口の近くで探索することにします」
「わかりました。入り口付近とはいえ、充分に注意してくださいね」
「はい、わかってます!いってきます」
今日行く事になった森は、《イール》西側の草原を抜けた先にあり、虫や植物の魔物が多く生息している。
森の近くまでは街道が整備されているため安全が確保されているが、森の中は道が無く見通しも悪いため、注意が必要だ。
~森の入り口~
僕達は森の入り口に来ていた。
僕のいた村周辺の森と違って広大で、特定の魔物を見つけることが出来るかわからなかった為に依頼は受けていない。
「それじゃ行こうか。特に植物の魔物には注意しようね」
「「キューッ」」
「ガウッ」
植物の魔物は木や花に擬態していることが多いため、警戒をしていなければパーティーが全滅することもよくあるらしい。
~森の中(入り口付近)~
「まだ入り口の光が見えるけど、随分薄暗いね」
アインがいた村は《イール》の東にある草原に点在している小さな森の中にあり、これほど広い森に入った経験は今までにない。
「この辺りでも魔物は出ると思うから、これ以上進むのはやめておこうか」
「キュッ」
「キュルゥ」
「グルゥ」
外の光が差し込み、方向がわかるようにしながら僕達は探索を始めた。
少しして、1体目の魔物を見つけた。
「え?緑色のスライム?敵意はなさそうだけど・・・"鑑定"」
lv5 グリーンスライム 中立
グリーンスライムはスライムの上位種等ではなく、周辺に草木が生い茂った場所で育ったスライムの体色が変化した個体である。
レベルが高い個体は回復スキルを使う事が出来る。
ランクはスライムと同じF。
「向こうから攻撃してこないなら放置でいいかな?色々な魔物を見てみたいからね」
僕達は探索を再開した。
「ーーーガウッ!」
「え!?ウォルフ!?」
ウォルフがいきなり僕を突き飛ばした、その直後、
「ギギギ・・・」
僕の頭の上を枝が通り過ぎたと同時に、何かを擦り合わせたような音が聞こえた。
「これって・・・"鑑定"」
lv6 トレント 敵対
トレントは森の木々に擬態する植物の魔物で、単独で行動する。
移動するのは基本的に夜で、昼の間は動かずに獲物を待ち構えている。
再生力が強く、攻撃を受けても時間をかければ再生する。
移動速度が遅いため逃げるのは容易。
ランクはE。
「トレントか・・・やろう、みんな」
「キュッ!」
「キュルゥ!」
「ガウッ!」
ウルフ(ウォルフ)に続いて2体目のEランクだが、あの時とは違い、仲間にウォルフがいる為、僕達は戦う事にした。
「ギギギギ・・・!!」
「みんな、お願い!」
僕はトレントが伸ばしてきた枝を切り払いながら指示を出した。
「グルルッ!」
「キュッ!」
「キュルルゥッ!」
最初にウォルフが爪で、そのあとにライムとルゥが体当たりを仕掛ける。
「ギギッ・・・!」
「みんなの攻撃でも倒れないなんて、タフだね」
植物の魔物は総じて生命力が強い傾向にある。
また、炎などに弱い一方で物理的な攻撃に強い個体が多い。
「でも効いていないことは無いはず、みんな、もう一度!」
先程僕が切り払った枝がまだ再生していないため、今度は僕も攻撃する事にした。
「ふっ!」
「キュッ!!」
「キュルルゥ!」
「ガウッ!」
「ギ・・・」.
僕達の攻撃をまともに受けたトレントは光の粒に変わったあと、そこには淡く光る枝が落ちていた。
「これはなんだろう?持ち帰ってマオさんに聞いてみようかな」
僕がトレントの落とした枝を"収納"スキルに入れた。その時、
「キューッ!」
「キュルゥ・・・!」
「グルルルルゥ・・・」
「ど、どうしたの?みんな」
みんなが警戒し視線を向ける方向を僕が見ると、
「な・・・何あれ!?」
1mほどもある紫色をした蜘蛛が5匹、こちらに向かって来ていた。
「「「「「キシャァァァ!」」」」」
「まずい!みんな逃げよう!!」
僕達はウォルフに乗って急いで森から出た。
~街道~
「何だったんだろう、あの魔物・・・」
"鑑定"を使う時間がなかったため、僕は魔物図鑑を取り出して虫の魔物が載っている項目を見ていた。
「見た目もそっくりだから、この魔物かな?」
ヴェノムスパイダー
成体は1.5mほどになる。基本的に群れで行動し、巣の近くを通る獲物に襲いかかる。
毒を持っており、噛まれると危険だが、毒消しで治療可能。
ランクは単独だとF。群れならE以上。
「見た目でなんとなく分かってたけど、毒持ってたんだ・・・戦わなくてよかったぁ。戦っても勝てたとは思わないけど・・・」
毒消しを持ってないことに加えて、数で負けていたため、勝算は低かった。
「とりあえず帰ってマオさんに報告しようかな。流石にもう一度森に入る気にはならないし」
いつもよりかなり早いが、僕達は《イール》に帰る事にした
~冒険者ギルド~
トレントの落とした枝を査定してもらっている間に、僕はマオさんとサークレッドさんに今日の顛末を報告していた。
「ヴェノムスパイダーの群れが森の入り口に現れただって?本来は巣からそこまで離れない魔物のはずなんだけど」
「そうですね。森の奥で何かが起きてるんでしょうか?」
「私達で話し合ってもどうにもならないね。アイン君。情報提供を感謝するよ。私はこの事を上層部に伝えなきゃいけないから失礼するよ。またね」
(思ったより大変なことになっちゃったな・・・どうなるんだろう)
サークレッドさんが去ったあと、ちょうど査定が終了した。
「それではアインさん、こちらがトレントの枝の買取金額になります。それと、今回の件本当にすみませんでした」
「い、いやそんな!毒消しを買わなかったのは僕ですし、マオさんが謝るようなことは無いですよ!」
「不確定な情報で冒険者の命を危険に晒すことはギルド職員として失格です。今後はこのような事が起こらないように努めます」
よっぽど気にしているのかマオさんの耳も倒れている。
「ほんとに気にしないでください!大丈夫ですから!」
「ありがとうございます。アインさんは優しいですね」
「あ、ルゥを触りますか?モフモフしてて落ち着きますよ!」
「キュルゥ」
ぼくはルゥを抱えてマオさんに手渡した。
「ふふっ、本当にモフモフですね。もう大丈夫です、元気が出ました」
マオさんはしばらくルゥに触れたあと、笑顔で離してくれた。
(耳も立ってるし、大丈夫そうかな)
「またいつでも言ってください。それじゃあまた明日来ますね!」
「はい。お待ちしてます」
僕達は冒険者ギルドを後にした。
~宿屋~
「マオさんって結構分かりやすいんだなぁ」
僕はマオさんの耳のことを思い返していた。
「それにしても、ヴェノムスパイダーは何だったんだろう」
サークレッドさんも巣からあまり離れないと言っていたし、図鑑にも似たような事が書いてあった。
「何も起こらなければいいんだけど・・・」
僕は不安を覚えつつも、明日に備えて眠ることにした。
トレントの枝・・・トレントから手に入る枝。生命力を帯びていて、量に応じて、光が強くなる。魔法使いが使う杖などに用いられることが多く、太いものだと建築の材料にもなる。ーーー魔物図鑑より引用
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ブラフマン~疑似転生~
臂りき
ファンタジー
プロメザラ城下、衛兵団小隊長カイムは圧政により腐敗の兆候を見せる街で秘密裏に悪徳組織の摘発のため日夜奮闘していた。
しかし、城内の内通者によってカイムの暗躍は腐敗の根源たる王子の知るところとなる。
あらぬ罪を着せられ、度重なる拷問を受けた末に瀕死状態のまま荒野に捨てられたカイムはただ骸となり朽ち果てる運命を強いられた。
死を目前にして、カイムに呼びかけたのは意思疎通のできる死肉喰(グールー)と、多層世界の危機に際して現出するという生命体<ネクロシグネチャー>だった。
二人の助力により見事「完全なる『死』」を迎えたカイムは、ネクロシグネチャーの技術によって抽出された、<エーテル体>となり、最適な適合者(ドナー)の用意を約束される。
一方、後にカイムの適合者となる男、厨和希(くりやかずき)は、半年前の「事故」により幼馴染を失った精神的ショックから立ち直れずにいた。
漫然と日々を過ごしていた和希の前に突如<ネクロシグネチャー>だと自称する不審な女が現れる。
彼女は和希に有無を言わせることなく、手に持つ謎の液体を彼に注入し、朦朧とする彼に対し意味深な情報を残して去っていく。
――幼馴染の死は「事故」ではない。何者かの手により確実に殺害された。
意識を取り戻したカイムは新たな肉体に尋常ならざる違和感を抱きつつ、記憶とは異なる世界に馴染もうと再び奮闘する。
「厨」の身体をカイムと共有しながらも意識の奥底に眠る和希は、かつて各国の猛者と渡り合ってきた一兵士カイムの力を借り、「復讐」の鬼と化すのだった。
~魔王の近況~
〈魔海域に位置する絶海の孤島レアマナフ。
幽閉された森の奥深く、朽ち果てた世界樹の残骸を前にして魔王サティスは跪き、神々に祈った。
——どうかすべての弱き者たちに等しく罰(ちから)をお与えください——〉
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
朝起きたら、ギルドが崩壊してたんですけど?――捨てられギルドの再建物語
六倍酢
ファンタジー
ある朝、ギルドが崩壊していた。
ギルド戦での敗北から3日、アドラーの所属するギルドは崩壊した。
ごたごたの中で団長に就任したアドラーは、ギルドの再建を団の守り神から頼まれる。
団長になったアドラーは自分の力に気付く。
彼のスキルの本質は『指揮下の者だけ能力を倍増させる』ものだった。
守り神の猫娘、居場所のない混血エルフ、引きこもりの魔女、生まれたての竜姫、加勢するかつての仲間。
変わり者ばかりが集まるギルドは、何時しか大陸最強の戦闘集団になる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる