13 / 30
第二章 クロノス
13 誤解
しおりを挟む
(コイツがエルミスか、噂で聞く以上の美少女だ。アフロディーティは綺麗って感じだったが、エルミスは可愛いって感じだ!コイツも俺のものに……!)
フェンガーリが舌なめずりをした後エルミスに話しかける。
「俺の名前はフェンガーリだ!この街で冒険者をしている」
「こ、こんにちは。私はエルミスだよ。よろしく」
エルミスは苦笑いをしながら挨拶をする。
「ここであったのも何かの縁だ。良かったら一緒にお茶でもどうだ?」
フェンガーリが爽やかな笑顔でエルミスをお茶に誘う。
「ちょっと!これ以上女の子をたぶらかすのはやめてください!」
「そうよ!この子まで入ったらいよいよ勝ち目が無くなるわ!」
フェンガーリパーティの少女達はフェンガーリを睨みつける。
「ははは……。せっかくだけど、これから予定があるから。ごめんね」
エルミスはフェンガーリの誘いを苦笑しながら断る。
(なるほどな。この俺の周りにいる美少女達を見て自信を失っちまったのか)
フェンガーリはエルミスの肩に腕をまわす。
「そんな恥ずかしがることねぇって!エルミスは綺麗なんだから」
「ちょ、ちょっと!やめてよ」
エルミスは本当に嫌そうにな顔をする。
(照れちゃって。可愛いじゃねぇか)
フェンがーリはエルミスが嫌がっているのに気づかず、顔を近ずける。
「おい。本当に嫌がっているじゃないか。やめろフェンガーリ」
見かねたアフロディーティがエルミスからフェンガーリを引き離そうとする。
(お!アフロディーティ、俺が他の女口説いているから嫉妬してるのか?クソッ!こうなったら二人同時に愛するしか……!)
フェンガーリが見当違いな想像をしていた時、不意に みんなのポーション屋さん の店の扉が開く。
「ふぅ~。少し休憩!」
店の中から顔を出したのは、赤髪で童顔の少年、アーリスだった。
開店準備が一段落した彼は、息抜きをしようと外に出たのだが、目の前に広がっていている光景に絶句する。
アーリスの目に映ったのは、自分を追放したフェンガーリと同じ学園時代を過ごした親友、エルミス、アフロディーティがイチャイチャしているという地獄のような光景だった。
「……お邪魔しました」
アーリスはスゥーと店の中に戻りパタンと店の扉を閉めた。
エルミスとアフロディーティの顔がみるみるうちに青くなっていく。
「ね、ねえ!ちょっと待ってアーリス!誤解だよ!」
フェンガーリを払い除け、エルミスは急いで店の扉を開けて中に入っていく。
「わわわ!入ってこないでよ!まだ気持ちを整理が出来てないから!」
「だから!違うんだってー!」
アーリスの誤解をとこうと必死になっているエルミスとは対照的に、アフロディーティはがくりと膝から崩れ落ちる。
「しまった。やってしまった……!久しぶりの再会がこれとは……。第一印象最悪だ。アーリスに嫌われたら……僕は……」
アフロディーティはこの世の終わりのような顔をして、ブツブツとつぶやく。
「お、おい。どうしちまったんだよ2人とも……」
その様子をわけが分からない、という風にフェンガーリが動揺する。
それとは別に、先日アーリスを連れ戻すのを任された二人の少女はニヤリと笑う。
「そんなことより!今の、アーリスだったわよね」
「ええ、間違えありません。あの忌々しい顔……忘れもしません!」
その言葉にアフロディーティの方がピクリと震えるが誰も気が付かない。
フェンガーリパーティの少女達は店のドアを蹴り開けて中に入っていく。
「ゴミーリス!迎えに来たわよ!」
「私たちの奴隷としてパーティに戻ってください!」
アーリスは、エルミスに 信じてよ~!と、肩を揺さぶられながら、フェンガーリパーティの少女達がすごい勢いで入ってくるのを確認しながら、さっき目の前に広がった光景を思い出しながら――
「うああああああああ!俺は何も誤解してないし、奴隷にもならない!それに店はまだオープンしてないよ!みんなの出てけー!」
アーリスは目をぐるぐると回しながら近くにあった筋力増強ポーションをごくごくの飲む。
「アーリスが壊れちゃった……」
ぽけーっとしているエルミスをアーリスがヒョイっと持ち上げる。
「わっ!ちょっと!下ろしてよ!」
アーリスはそのまま目にも止まらぬ速さでフェンガーリパーティの少女達に急接近する。
「なっ!」
「いつの間に!」
そのまま少女二人をフェンガーリに当たるように店から勢いよく押し出す。
「お、お前ら!ぐはぁ!」
フェンガーリは白目を向いて倒れる。
エルミスだけは受身をとって、特にダメージはないが、他の二人はフェンガーリの体の上で、 いたたたた とお尻をさすっている。
エルミスはふと横を見ると、道の端っこで体育座りをしているアフロディーティがいる。
「嫌われただろうか……。嫌われたらだろうな……。もういっそ変身魔法で別人になりすますか。だがそれでは……」
エルミスは ふぅ とため息をついてアフロディーティ。起き上がらせる。
「はは……。ここ数時間のアーリスの記憶を消せばまだ何とか間に合う」
アフロディーティは心ここに在らずという感じで何かをボソボソと呟いている。
エルミスはそのまま店の扉をノックする。
「ねえアーリス、開けてくれない?」
フェンガーリが舌なめずりをした後エルミスに話しかける。
「俺の名前はフェンガーリだ!この街で冒険者をしている」
「こ、こんにちは。私はエルミスだよ。よろしく」
エルミスは苦笑いをしながら挨拶をする。
「ここであったのも何かの縁だ。良かったら一緒にお茶でもどうだ?」
フェンガーリが爽やかな笑顔でエルミスをお茶に誘う。
「ちょっと!これ以上女の子をたぶらかすのはやめてください!」
「そうよ!この子まで入ったらいよいよ勝ち目が無くなるわ!」
フェンガーリパーティの少女達はフェンガーリを睨みつける。
「ははは……。せっかくだけど、これから予定があるから。ごめんね」
エルミスはフェンガーリの誘いを苦笑しながら断る。
(なるほどな。この俺の周りにいる美少女達を見て自信を失っちまったのか)
フェンガーリはエルミスの肩に腕をまわす。
「そんな恥ずかしがることねぇって!エルミスは綺麗なんだから」
「ちょ、ちょっと!やめてよ」
エルミスは本当に嫌そうにな顔をする。
(照れちゃって。可愛いじゃねぇか)
フェンがーリはエルミスが嫌がっているのに気づかず、顔を近ずける。
「おい。本当に嫌がっているじゃないか。やめろフェンガーリ」
見かねたアフロディーティがエルミスからフェンガーリを引き離そうとする。
(お!アフロディーティ、俺が他の女口説いているから嫉妬してるのか?クソッ!こうなったら二人同時に愛するしか……!)
フェンガーリが見当違いな想像をしていた時、不意に みんなのポーション屋さん の店の扉が開く。
「ふぅ~。少し休憩!」
店の中から顔を出したのは、赤髪で童顔の少年、アーリスだった。
開店準備が一段落した彼は、息抜きをしようと外に出たのだが、目の前に広がっていている光景に絶句する。
アーリスの目に映ったのは、自分を追放したフェンガーリと同じ学園時代を過ごした親友、エルミス、アフロディーティがイチャイチャしているという地獄のような光景だった。
「……お邪魔しました」
アーリスはスゥーと店の中に戻りパタンと店の扉を閉めた。
エルミスとアフロディーティの顔がみるみるうちに青くなっていく。
「ね、ねえ!ちょっと待ってアーリス!誤解だよ!」
フェンガーリを払い除け、エルミスは急いで店の扉を開けて中に入っていく。
「わわわ!入ってこないでよ!まだ気持ちを整理が出来てないから!」
「だから!違うんだってー!」
アーリスの誤解をとこうと必死になっているエルミスとは対照的に、アフロディーティはがくりと膝から崩れ落ちる。
「しまった。やってしまった……!久しぶりの再会がこれとは……。第一印象最悪だ。アーリスに嫌われたら……僕は……」
アフロディーティはこの世の終わりのような顔をして、ブツブツとつぶやく。
「お、おい。どうしちまったんだよ2人とも……」
その様子をわけが分からない、という風にフェンガーリが動揺する。
それとは別に、先日アーリスを連れ戻すのを任された二人の少女はニヤリと笑う。
「そんなことより!今の、アーリスだったわよね」
「ええ、間違えありません。あの忌々しい顔……忘れもしません!」
その言葉にアフロディーティの方がピクリと震えるが誰も気が付かない。
フェンガーリパーティの少女達は店のドアを蹴り開けて中に入っていく。
「ゴミーリス!迎えに来たわよ!」
「私たちの奴隷としてパーティに戻ってください!」
アーリスは、エルミスに 信じてよ~!と、肩を揺さぶられながら、フェンガーリパーティの少女達がすごい勢いで入ってくるのを確認しながら、さっき目の前に広がった光景を思い出しながら――
「うああああああああ!俺は何も誤解してないし、奴隷にもならない!それに店はまだオープンしてないよ!みんなの出てけー!」
アーリスは目をぐるぐると回しながら近くにあった筋力増強ポーションをごくごくの飲む。
「アーリスが壊れちゃった……」
ぽけーっとしているエルミスをアーリスがヒョイっと持ち上げる。
「わっ!ちょっと!下ろしてよ!」
アーリスはそのまま目にも止まらぬ速さでフェンガーリパーティの少女達に急接近する。
「なっ!」
「いつの間に!」
そのまま少女二人をフェンガーリに当たるように店から勢いよく押し出す。
「お、お前ら!ぐはぁ!」
フェンガーリは白目を向いて倒れる。
エルミスだけは受身をとって、特にダメージはないが、他の二人はフェンガーリの体の上で、 いたたたた とお尻をさすっている。
エルミスはふと横を見ると、道の端っこで体育座りをしているアフロディーティがいる。
「嫌われただろうか……。嫌われたらだろうな……。もういっそ変身魔法で別人になりすますか。だがそれでは……」
エルミスは ふぅ とため息をついてアフロディーティ。起き上がらせる。
「はは……。ここ数時間のアーリスの記憶を消せばまだ何とか間に合う」
アフロディーティは心ここに在らずという感じで何かをボソボソと呟いている。
エルミスはそのまま店の扉をノックする。
「ねえアーリス、開けてくれない?」
0
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
最強美少女達に愛されている無能サポーター 〜周りの人から馬鹿にされ続けてもう嫌なのパーティメンバーの天才たちが離してくれない〜
妄想屋さん
ファンタジー
最強の美少女パーティメンバーに囲まれた無能、アルフ。
彼は周囲の人の陰口に心を病み、パーティメンバー達に、
「このパーティを抜けたい」
と、申し出る。
しかし、アルフを溺愛し、心の拠り所にしていた彼女達はその申し出を聞いて泣き崩れていまう。
なんとかアルフと一緒にいたい少女達と、どうしてもパーティを抜けたい主人公の話。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
あの理不尽王子をやっつけたい!!!! 〜自分達に向けられる理不尽に仲間(美少女)達と立ち向かう!〜
妄想屋さん
ファンタジー
なんで何もしてないのに檻に入れられなきゃいけないんだ!
あの理不尽王子をやっつけたい!!!
未不磨 宇井(主人公)とその仲間(美少女)たちは理不尽な世界で今日も生きていく。
第五皇女の成り上がり! 捨てられ皇女、皇帝になります
清家未森
ファンタジー
後宮でくらす見捨てられた第五皇女・ユーゼリカは弟を養うため、趣味と実益を兼ねた節約貧乏生活を送っていた。幼い時に母を亡くし、後ろ盾のないユーゼリカたちは他の皇子皇女にも嘲笑われる立場。そんな中、父である現皇帝は、後宮中の皇子皇女を集め、『これから三年の後、もっとも財を築き、皇宮を豊かにした者』を次期皇帝にすると宣言。戸惑う彼らの中でまっさきに手を挙げたのはユーゼリカだった。しかもその方法は――人材育成!? 次代の天才を育成し、彼らにがっぽり稼いでもらうため、おんぼろ屋敷を買い上げ、寮経営を始めたユーゼリカだったが、集まったのは奇人変人ついでに美形の曲者ぞろいで……!?
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる