あの理不尽王子をやっつけたい！！！！ 〜自分達に向けられる理不尽に仲間(美少女)達と立ち向かう！〜

第一章

2人の奴隷 後編

「さっきから廊下から悲鳴とか、叫び声が聞こえて来るんだけど……」

セドゥが怯えた様子で危機をうったえてくる。

「この城の兵士が、罪人達を制圧したのかな？今の僕の叫び声、聞こえてないといいけど……」

バターン！！

「誰だ！！」

行き良いよく扉が開き外から何者かが入って来ようとする。

バターン！！

さっきの勢いに負けまいような勢いで宇井が扉を閉める。
すると今度はそのドアをロボットのアームのようなもので壊しながら1人の少女が入ってくる。
14歳くらいだろうか、青いショートヘアで他の兵士とは違い研究服と学生服を足して2で割ったのようなものを着ている。
宇井が咄嗟に持っていた槍で青髪の少女を攻撃しようとするが、彼女のアームで受け止められてしまう。

「こんなもので、このクラーナを倒そうとは……」

クラーナのアームで槍がへし折られる。

「片腹痛い！」

クラーナが嘲るように宇井を見下ろす。

「ウイ！下がって！」

セドゥが爪を展開しクラーナの方へ飛び込んでいくがクラーナのアームで弾かれてしまう。
素早くセドゥが後ろに回り込み再び攻撃しようとするも、左肩に後ろ蹴りを食らってしまう。

「うぐ……！」

「悪くない機動力だ、だが私には及ばない！」

クラーナが、倒れ込んでいるセドゥにとどめを刺そうとする。

「どうかな！！」

宇井がへし折られた槍の砕けた刃の部分を持ち、手を血まみれにしながら、クラーナの背中を刺す。

「な、何を……貴様！」

クラーナは一瞬動揺するも、宇井の右足をかかとで踏みつける。

「うう……！」

情けない声を上げながら宇井が槍の刃を放してしまう。

「貴様ら……覚悟しろ！」

クラーナの殺意に満ちた声が廊下中に響き渡る。