51 / 93
第一部ルート5「つばさ」
侵入
しおりを挟む
私の声に反応して首元を抑え苦しそうにする仲間達。
とても見ているのが辛く感じる…。
もう少しで養殖場につく…。
もう少しの我慢…。
「養殖場に着いたぞ。まだアサト達は来ていないみたいだな。」
私は一旦呼びかけをストップさせる。
「これからどうするの?あの子達をこれ以上苦しめたくない…。」
心からの願いである。
一刻も早く洗脳を解いて、前と同じように接してあげたい。
もちろん自分の翼も取り返す前提で。
「アサト達と一緒に養殖場内部に入る事が一番望ましいが、今は君の仲間達が一番厄介だ。いつ声が届かなくなり攻撃を仕掛けてくるかわからない。」
「もう呼びかけは一切しないわ。みんなのあんな苦しそうな顔を見てられない…」
仕方なさそうにハクシが決断をする。
「わかった。先に内部に侵入しよう。多分内部構造は元この場所の主が言うのもなんだが、かなりトラップが設置してある。位置や場所は変えられていない限り全て把握している。」
「変えられてたら、どうするの?」
「トラップ自体は単純な物が多いから、見極めるしかないな。」
私は苦笑いを浮かべた。
そろそろ上空の仲間達が辛そうな目でこちらに銃口を向け始めた。
「急ごう。正面から入ることが一番安全な入り方だ。」
自信満々にハクシが言うのだから信じよう。
そして入口へと足を踏み入れた時だった…
「あれぇ?先輩じゃないですか?生きてたんですか?」
入口の奥で不気味な声を発している影が見える。
ハクシはいつでも射撃できる準備をして、警戒態勢に入った。
「俺はお前の暴走を止めにきた。」
その言葉を聞いた影は、ケタケタと笑い声を響かせる。
「暴走?そんなのした覚えはないですが…まぁ、いいですよ?ほら止めてみて下さい。」
なにか不気味で怪しい気配がする。
ハクシは周囲を警戒しつつ影の方へ歩き出していた。
しばらく進んだ時には嫌な予感が的中する。
突然ハクシの姿が目の前から消えた。
私は周囲をキョロキョロと見渡すと、ハクシの居た場所の下に大きな穴があいている事に気づく。
「ここに落とされt…」
最後まで言い切る前に目の前にハクシとは違う機人が素早い動きで接近してきた。
瞬く間に繰り出してきた拳は、お腹に激痛を残して私の意識を瞬時に失っていった。
とても見ているのが辛く感じる…。
もう少しで養殖場につく…。
もう少しの我慢…。
「養殖場に着いたぞ。まだアサト達は来ていないみたいだな。」
私は一旦呼びかけをストップさせる。
「これからどうするの?あの子達をこれ以上苦しめたくない…。」
心からの願いである。
一刻も早く洗脳を解いて、前と同じように接してあげたい。
もちろん自分の翼も取り返す前提で。
「アサト達と一緒に養殖場内部に入る事が一番望ましいが、今は君の仲間達が一番厄介だ。いつ声が届かなくなり攻撃を仕掛けてくるかわからない。」
「もう呼びかけは一切しないわ。みんなのあんな苦しそうな顔を見てられない…」
仕方なさそうにハクシが決断をする。
「わかった。先に内部に侵入しよう。多分内部構造は元この場所の主が言うのもなんだが、かなりトラップが設置してある。位置や場所は変えられていない限り全て把握している。」
「変えられてたら、どうするの?」
「トラップ自体は単純な物が多いから、見極めるしかないな。」
私は苦笑いを浮かべた。
そろそろ上空の仲間達が辛そうな目でこちらに銃口を向け始めた。
「急ごう。正面から入ることが一番安全な入り方だ。」
自信満々にハクシが言うのだから信じよう。
そして入口へと足を踏み入れた時だった…
「あれぇ?先輩じゃないですか?生きてたんですか?」
入口の奥で不気味な声を発している影が見える。
ハクシはいつでも射撃できる準備をして、警戒態勢に入った。
「俺はお前の暴走を止めにきた。」
その言葉を聞いた影は、ケタケタと笑い声を響かせる。
「暴走?そんなのした覚えはないですが…まぁ、いいですよ?ほら止めてみて下さい。」
なにか不気味で怪しい気配がする。
ハクシは周囲を警戒しつつ影の方へ歩き出していた。
しばらく進んだ時には嫌な予感が的中する。
突然ハクシの姿が目の前から消えた。
私は周囲をキョロキョロと見渡すと、ハクシの居た場所の下に大きな穴があいている事に気づく。
「ここに落とされt…」
最後まで言い切る前に目の前にハクシとは違う機人が素早い動きで接近してきた。
瞬く間に繰り出してきた拳は、お腹に激痛を残して私の意識を瞬時に失っていった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる