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第一部ルート4「動き出す歯車」
始まり4
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僕は気持ちのよい夢の中から、不快に叫ぶポルテの声で現実に戻された。
目の前にはアリルが上に乗っかって微笑んでこちらを見ている。
どうやらお弁当を食べてそのまま寝てしまったらしい。
眠い目を擦りながら慌てているポルテに内容を聞いた。
「そんなに慌ててどうしたの?」
「君達こそ、何してるんだ!」
僕は別に何もしていないんだけどなぁ…と考えていると、アリルが代わりに答えてくれた。
「愛を育んでいましたのよ」
朝を思い出すと同じ状況があったので、これが愛情表現なのかと理解する。
今度だれかに試してみよう。
納得して頷いた。
アリルはとても嬉しそうな顔をしていた。
「邪魔が入ったから続きはまた後でね。…それで獣人君、本題は私達の事じゃないよね?」
アリルの真剣な問いに、ポルテが思い出したかのように喋り出す。
「あぁっ、それどころじゃなかった。もうシエルは機人に会いにいちゃったの?」
僕は縦に頷く。
ポルテは不安そうな顔で理由を述べ始めた。
「それが罠かもしれない!今獣人の街に機人が訪れて、シエルを指名手配しているって…身柄を引き渡さない場合は、保護条約を破棄し攻撃対象とすると言ってきてるんだ!」
「ふむ…つまりシエルが現在会っている機人の差し金でその場でシエルを足止めしつつ、現場で身柄引き渡しを不成立にするのが目的って事?」
俺は予想をで回答した。
「そういう事!」
「まって!」
アリルが間に割り込んできた。
「なんでシエルちゃんは機人と会いにいってるわけ?」
機人と犬猿の仲である天人のアリルは怒りを表に出しながらこちらを責め立てる。
こればかりは言い訳も通じないであろうと思い、黙っていた事を謝罪して僕と機人の事を説明しようとした時だった。
突然窓ガラスが不規則にリズムよく割れ出した。
「伏せて!」
アリルが反射的に声をかけ、僕の上で伏せた状態を取る。
「あわわわわわわっ!」
ポルテも便乗して咄嗟に伏せた。
落ち着いて見返すと銃痕が無数にあっちこっちに付いていた。
誰かがこちらにを向かって発砲してきているらしい。
遠くで銃声が微かに聞こえている。
その銃弾の雨を眺めながらほんの数秒間後に事態はまた別の方向へとシフトチェンジした。
「ちょっ、ちょっとここから入るのはまずいかも…」
「だが一番ココが近い。入ってから問題定義があれば思考する…」
「ど、どうなっても知らないからね!!!」
外から勢いよく走ってくる足音とボソボソとした会話が聞こえて来た。
だんだんその音は近づいてくる。
そして割れた窓ガラスの隙間を、とても大きい体が外から飛び込んできた。
「え?ちょっ、どこ触ってって、ふえぇっ!?…」
空中でR2-894型がシエルをお姫様抱っこされながら、割れ残った窓枠のガラス片をキラキラと散らし、そのままガラス片がバキバキと床を軋ませながら大きな音を立てて着地をした。
「直ぐに飛び込みたかったので、咄嗟に抱き抱えた。不快に思ったのであれば謝罪する。」
R2-894型は自分が入って来た窓際の壁を背にしゃがみこんだ。
僕の体は急に軽くなる。
アリルがR2-894型に向かい、涙を浮かべながら突進していた。
反射的に力が入り、包帯から血がジワっと滲み出ている。
「ストーーーーーップ!」
シエルがアリルに対し大声で叫んだ。
R2-894型が着地してシエルが止めに入るその間、わずか5秒程の出来事である。
目の前にはアリルが上に乗っかって微笑んでこちらを見ている。
どうやらお弁当を食べてそのまま寝てしまったらしい。
眠い目を擦りながら慌てているポルテに内容を聞いた。
「そんなに慌ててどうしたの?」
「君達こそ、何してるんだ!」
僕は別に何もしていないんだけどなぁ…と考えていると、アリルが代わりに答えてくれた。
「愛を育んでいましたのよ」
朝を思い出すと同じ状況があったので、これが愛情表現なのかと理解する。
今度だれかに試してみよう。
納得して頷いた。
アリルはとても嬉しそうな顔をしていた。
「邪魔が入ったから続きはまた後でね。…それで獣人君、本題は私達の事じゃないよね?」
アリルの真剣な問いに、ポルテが思い出したかのように喋り出す。
「あぁっ、それどころじゃなかった。もうシエルは機人に会いにいちゃったの?」
僕は縦に頷く。
ポルテは不安そうな顔で理由を述べ始めた。
「それが罠かもしれない!今獣人の街に機人が訪れて、シエルを指名手配しているって…身柄を引き渡さない場合は、保護条約を破棄し攻撃対象とすると言ってきてるんだ!」
「ふむ…つまりシエルが現在会っている機人の差し金でその場でシエルを足止めしつつ、現場で身柄引き渡しを不成立にするのが目的って事?」
俺は予想をで回答した。
「そういう事!」
「まって!」
アリルが間に割り込んできた。
「なんでシエルちゃんは機人と会いにいってるわけ?」
機人と犬猿の仲である天人のアリルは怒りを表に出しながらこちらを責め立てる。
こればかりは言い訳も通じないであろうと思い、黙っていた事を謝罪して僕と機人の事を説明しようとした時だった。
突然窓ガラスが不規則にリズムよく割れ出した。
「伏せて!」
アリルが反射的に声をかけ、僕の上で伏せた状態を取る。
「あわわわわわわっ!」
ポルテも便乗して咄嗟に伏せた。
落ち着いて見返すと銃痕が無数にあっちこっちに付いていた。
誰かがこちらにを向かって発砲してきているらしい。
遠くで銃声が微かに聞こえている。
その銃弾の雨を眺めながらほんの数秒間後に事態はまた別の方向へとシフトチェンジした。
「ちょっ、ちょっとここから入るのはまずいかも…」
「だが一番ココが近い。入ってから問題定義があれば思考する…」
「ど、どうなっても知らないからね!!!」
外から勢いよく走ってくる足音とボソボソとした会話が聞こえて来た。
だんだんその音は近づいてくる。
そして割れた窓ガラスの隙間を、とても大きい体が外から飛び込んできた。
「え?ちょっ、どこ触ってって、ふえぇっ!?…」
空中でR2-894型がシエルをお姫様抱っこされながら、割れ残った窓枠のガラス片をキラキラと散らし、そのままガラス片がバキバキと床を軋ませながら大きな音を立てて着地をした。
「直ぐに飛び込みたかったので、咄嗟に抱き抱えた。不快に思ったのであれば謝罪する。」
R2-894型は自分が入って来た窓際の壁を背にしゃがみこんだ。
僕の体は急に軽くなる。
アリルがR2-894型に向かい、涙を浮かべながら突進していた。
反射的に力が入り、包帯から血がジワっと滲み出ている。
「ストーーーーーップ!」
シエルがアリルに対し大声で叫んだ。
R2-894型が着地してシエルが止めに入るその間、わずか5秒程の出来事である。
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