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第11章 【番外編】姉・桐野すみれのお気に入り

そこまで聞いてない!

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 ちなみに、お姉ちゃんは根強い人気を持つ長寿テニス漫画の大ファンで、「テニスっていえば、あの子ちょっと雪ノ下ゆきのした学園の綱島つなしま一馬かずま君みたい!」と、私には伝わりにくい比喩をした。
 レイのことは前に「例えるなら、星雲せいうん学園の富岳ふがく幸助こうすけ君」と言っていた。
 優香もそれ結構好きだと言っていたし、後で優香に聞いてみよ。

◇◇◇

 優香に話したところ、

「富岳君か…わかるわかる」

「でも見た目なら大阪四聖しせい中の黒岩くろいわ由良之助ゆらのすけ君とか、千葉陸角りっかく中の佐々木ささき竜太郎りゅうたろう君もいい線かも」

「キャラ込みで考えると佐々木君かなあ」

「あ、でも海原うなばら大附属中の吉岡よしおか要次ようじ君も捨てがたいなあ」

「日高君の綱島君説は、目つきの悪いところとヘアスタイルはそうかもね」

「でも綱島君はクールで無口な子だから、“ガワ”だけだなあ」

「ついでに言うと、喜多川は海原大の温井ぬくい良太りょうた君っぽい」

「如才なくて兄弟が多くてケーキづくりが得意なキャラなんだけど、まあ良ちゃんほどはモテないか。二次元の人と比べるのも間違ってるけど」

「ちなみに私は海原大なら良ちゃんと武田たけだ正太郎せいたろう君推しです」

「良ちゃんは、ダブルスペアの大桑おおくわアントニオ君と“ダイヤモンドペア”って呼ばれてて、テニスでもプライベートでも息ぴったりなんだー」

「武田君はさっき言った吉岡君と幼馴染でね、もう1人ひのき怜人《れいと》君っていうド秀才情報収集マンがいて、この3人で「海原トップ3」っていわれてるの」

「それと雪ノ下だったら、一推しは知里川ちりかわ志郎しろう君(シローちゃん)、二推しは榛名はるな隆弘たかひろ君!」

 と言いつつ、キャラ絵のついた下敷きを見せてくれた。アニメ誌の付録みたい。

「知里川というキャラは、何だかポメラニアンっぽい小型犬、榛名君はシェパードみたいなかっこいい大型犬みたいになっている。こういうのはデフォルメっていうのかな?」

「まつりは絶対、雪ノ下の朝鳥あさとり純太郎じゅんたろう君とかタイプだと思うなー。ノッポで王子様っぽい美形だよ。綱島君とは幼馴染で同じ2年ね。つまり私らとタメだよ!」

「榛名君も2年生だけど、口が重くて、『はっ(返事)』と『雪ノ下は負けません』しか言わないんだけど、キャラに合ってるからヨシ!」

「身長190センチもあってね。気は優しくて力持ち系?」
 
「シローちゃんは3年生で、脱力系で寝てばかりいるんだけど、ひょいって肩に掛けて持ち上げちゃうの。寝てる人をだよ?すごくない?」

「シロー君も『ハルちゃん』って呼んで頼りにしてて、ダメな先輩だけどかわいくて」

「でも、榛名君と部長の物部もののべ信吾しんご様との主従関係も捨てがたくてねー」

「物部様だけは、敬称が様じゃないとダメで…」

 と、聞いてもいないことを息継ぎもせずに語り始めた。

◇◇◇

調子に乗ってすみません。
何となく「誰を想定して書いているかが理解できてしまったら負け」みたいなページになってしまいました。(筆者)
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