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4年生 ヤエおねえちゃんの痛み

パとママの深夜の話

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 いつものように9時に布団に入って寝たんだけど、夜中にトイレに行きたくなって目が覚めた。

 階段を下りていったら、まだお茶の間の電気がついてて、パパとママが何か話していた。

 でも入っていったら「寝なさい」って叱られそうだけど、何の話しているのか、おいしいお菓子こっそり食べてないかとか、ちょっと気になるから、気付かれないようにそうっと廊下に立っていた。

「…ヤエももう少し…ねえ」
「あの子にはあの子のいいところがあるよ。焦ることはない」
「コウがあんまり出来が良すぎるから、余計にね」
「お前、そんなことヤエに言うなよ?」
「言うわけないでしょ!でも、時々ムナしくなるのよ。
 かわいいかわいいっていくら無理して褒めても、
 ジツがともわないっていうか…」
「高学年になったんだ、様子を見よう」

 うまく言えないんだけど、2人がヤエちゃんの話してるけど、あんまり楽しそうじゃないのだけは分かった。
 2人が楽しそうじゃないと、ヤエちゃんも楽しくない。

▽▽

 布団に戻ってから少し考えた。
 ヤエちゃんはあんまり勉強が得意じゃない(好きでもない)。
 頑張っても80点くらいしか取れない。
 ママは「すごーい、頑張ったね」って褒めてくれるけど、そういえばお兄ちゃんなんて、100点しか取ったことないかもしれない。

 クラスのミナちゃんが、「小学校のテストで、100点取れないっておかしくない?」みたいに、勉強のできる子たちと笑っていたことがあって、ちょっと感じ悪いなって思ったことも思い出した。

 でも、「ジツがともなわない」って何だろう?

▽▽

 次の日ミナちゃんに、「じつがともなわないってどういう意味?」って聞いたら、「中身空っぽってことだよ」って言われた。
 そう言われて、ミナちゃんがヤエちゃんをバカにしてるような気がして、ムカッとしたけど、「お姉ちゃんだから」我慢した。

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