【R18】アンナの不倫日記

18禁PC乙女ゲーの世界

　どうも、アンナです。

　酔っぱらってトンデモ発言をしたものの、ダンナくんは翌日はケロッと忘れているかのような態度でした。
　
　娘ちゃんは、内心まではわかんないけど、やっぱりいつもと変わらない態度です。
　まあ私が浮気したとか、そういうことまでは言わないし。
　裏で吹き込まれたらアウトですけどね　笑。

　うちの娘ちゃんは、アニメーションとか恋愛アドベンチャーゲーム（いわゆる乙女ゲー）が好きで、そういう情報誌を毎月買ってあげています。
　自分のお小遣いで買うのはちょっと高いので、中学生くらいの頃おねだりされて、ネットで定期購入するようになった感じ。

　私は海外ドラマが好きで、家事しながら見るために吹替派なんだけど、中にはめちゃくちゃセクシーな声の声優さんがいて、何ならオリジナルの俳優さんの声よりいいんじゃないかと思っている。
　娘ちゃんの雑誌を何となくめくっていたら、そういう声優さんでアニメやゲームキャラの仕事もやっている人も多いことを知った。
　これは共通の話題ができてうれしいと思っていたら、娘ちゃんもいろいろ教えてくれてさ。

　そのうち、ゲームソフトにCEROセロCとかＤとかって区分があることを知った。
　どうやら年齢区分らしいんだけど、CERO Ｄで「17歳以上対象」ということらしく、表現がかなりイロっぽいんだって。
　これがパソコン向けだともろに「18禁」相当のものもあるらしい。
　男性向けのエロゲーみたいな話は聞いたことあるけど、女性主人公ヒロインが多くのイケメンくんたちを攻略して、xxxまでしちゃうらしいのだ。

　娘ちゃんはCERO C（15歳以上）までしかやったことがないらしいけど、それでも一緒のベッドに入ってイチャイチャしたり、関係が最後まで進んでいることをにおわせる会話はあったりするらしい。

　『KNIGHT　BROTHERS』っていうゲームの阿佐ヶ谷つばさというキャラクターが、娘ちゃんのイチオトらしい。
　なになに？身長185センチ、26歳、超高偏差値大学卒の売れっ子ホストで、CV担当声優は長谷部はせべ順二じゅんじさん。

　「声を聞いただけで、耳がニンシンしちゃう声って言われてる人だよ」って…10代のマジメ系女子が何言ってんのよ。

　『KNIGHT　BROTHERS』は、資産家の10人の息子（全員男でハイスペックなイケメンで異母兄弟だらけ）が、父親の再婚でできたカワイイ妹ヒロインを優しく見守りつつ、虎視眈々と自分のモノにしようとねらう――みたいな設定の小説がもとになっていて、ドラマCDとゲームが出ているらしい。もうすぐアニメーションにもなるので、娘ちゃんは楽しみにしているそうだ。
　阿佐ヶ谷つばさ君は、10人兄弟の次男というか、２番目の妻が産んだ息子ってことらしい。

　「ママはどのキャラがいい？」って聞かれたから、ぱっと見の印象で「この子かな」って指さしたら、「阿佐ヶ谷あおい、６番目の妻が産んだ８番目の息子、大学３年生、二十歳、身長175センチ、陸上競技選手」というスペックが早口で披露された。
　CVは大野おおの泰輔たいすけという人で、「この人自身がイケメンっていうか、ハンサムな声優として知られている人だよ」だって。

　調べてみたら、確かに中性的で美しい顔立ちの人だった。
　声優さんだけあって、声も男っぽくて色気があるし、歌もうまいらしい。
　私が興味を持ったら、ほかに演じているアニメやゲームのキャラクターも教えてくれた。

　――で、いろいろ調べて試してたどり着いたのが、『いけずなMy Lovely』という、成人向けPC用乙女ゲームだった。
　通販サイトでこっそり買っちゃった。
　少し古いらしくて、安くなっていたの。

　日本の女子高生が異世界に迷い込んで、その世界の王族やその家臣、お抱え家庭教師なんかに誘惑されまくる設定だった。
　最初のうちは攻略対象に罵倒されたり、王の正妻やライバルに意地悪されたり辱めを受けたりするっていうくだりが多くて、ちょっとストレスたまるけど、ハッピーエンドもバッドエンドも２種類ずつあって、はちゃめちゃなストーリーも結構楽しめた。

　大野さんが担当していたのは、「ミキくん」っていうヤンデレキャラ。
　王室第二王子で、肩まで銀髪で目は金色。繊細で「この世のものとは思えない」と評される美貌の持ち主だって。
　なにそれっていろいろツッコみたくなるけど、だんだんゲームを進めていくと、クセになる個性の持ち主なのよ。

　ヒロインが自分の思い通りにならないと、笑顔で平手打ちしながら「僕に逆らうなんて、いい度胸だね」などと言ったりする。
　たまにヒロイン以外の女の子に目移りするんだけど、「あの子つまんないからボツ。やっぱり君の方がいいや」と言いながら、優しくキスして、そのまま寝台に押し倒して…みたいなことが数回。

　現実世界では絶対に近づきた来ないタイプだろうけど（というか、いてたまるか！）、ゲームならこれくらい荒唐無稽デタラメなキャラの方がいい。
　えっちなシーンだと、すごく色っぽい「息」が入った声で、恥ずかしいせりふをいっぱい言うし、「くちゅくちゅ」「ぺちゃぺちゃ」した効果音も割と頑張っている（いったい何の音かはナイショ）。

　こんなゲームやっていることをダンナくんに知られたら、絶対浮気扱いだろうな。

　そういえば、それと関係あるかは分かんないけど、こういう乙女ゲーの攻略対象の名前って、何となく中性的な名前が多い気がする。
　外国人の名前はよく分かんないけど、日本風の名前が、ね。

　これってまさか、ダンナとか彼氏の前で、うっかり推しのキャラクター名を呼んじゃったときの対策だったりして。
　男だと思われなければ気にも留めないだろうし、万が一聞かれても「女の友達だよ」ってごまかせるし。
　いやいや、さすがに考え過ぎかな？
　男でも女でも、ダンナや彼氏との「最中」にその名前呼んじゃったら一発アウトだしね。

　ところで、成人向けコンテンツでは、声優さんは「裏名」というのを使うらしいんだけど、私がプレイした『いけずなMy Lovely』みたいに、「表」と全く同じ名義で出ているものも少しはあるらしい。
　声優さんに詳しくなってくると、声で誰だか分かっちゃうし、この裏名はこの人のって分かっていて、意識的にその人が出ているゲームを探したりというのも楽しみらしい。

　まあその辺、娘ちゃんは「何それ、よく分かんない」という知らぬ存ぜぬの態度だったから、そういうことにしておいた　笑

　ぶっちゃけ未成年のマジメな子が「たばこなんか吸ったことありません」って顔して陰で吸ってたって、別にいいんだよ。
　私やダンナくんが若い頃はいろいろ緩かったらから、そんな子だらけだったもの。