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第28章 卵が先か鶏が先か
意を決して
しおりを挟むさよりは「門限まであと4時間」というタイミングで俊也に電話をした。
「別れ話は人目のあるところで」というが、さよりには、そういう場で手際よく思いを伝えられるビジョンが見えなかった。
松崎にストーカーまがいのことをされ、公の場で大声で責め立てられた記憶のせいもあるだろう。
俊也から見ると、「距離を置こう」と言ってから3週間弱。ちょうどよい頃合いの気がした。
さよりは今日は外泊許可を取ったのだろうかと考えつつ、もっとやるべきことがあったので、時間を指定して部屋に来てもらうことにした。
『ちょっと今――手が離せないから。あと1時間くらいしてから部屋に来て。悪いな』
「はい、適当にお茶でも飲んでいます」
『ありがとう』
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