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第19章 松崎敏夫のルサンチマン
自己評価
しおりを挟む俺は非常に生真面目な性質だったから、私生活でどんな辛いことがあっても、やらなければならないことはこなしていた。
仕事は真面目にこなすのはもちろんのこと、勉強も――と言いたいところだったが、正直こちらに関しては、あまりはかばかしくなかった。
予備校の授業があるときも、体の疲労が原因で、つい居眠りをしてしまうこともあるし、自習もままならない。
結果、模試の成績も、今までのところ、あまり誇れる結果は残せていない。
しかしそれは仕事がきついからで――という理由がすぐに見つかるが、新聞奨学生である以上、働くことは前提である。
生半可なバイトとはわけが違う。自分は人生をかけているのだ。
時には契約途中で辞める者もいるが、違約金が発生する。
万が一そうなった場合、親が何とかしてくれるだろうが、たっぷり嫌味を言われるだろうし、田舎に帰ってこいと言われるのは目に見えている。
第一、自分で決めたことを途中で翻すのは格好悪いと考えているので、よほどの事情がない限り、それだけは避けたい。
◇◇◇
俺は頭は悪くないはずだ。
友達と話していると、「お前は難しいことを知っているな」と感心されることもあるし、勉強をする気もある。
だが、いろいろな事情で学内推薦で東地大に行くことはできなかった。
そこから勉強を始め、確かに普通に考えたら到底受からないような大学も受験したが、正直楽勝だと思っていたところにも運悪く蹴られた。
D判定、E判定ならまだしも、B判定だったことのあるところもあるので、正直不合格は不本意だったが、受験は水物だ。入試問題との相性とか、そのときのコンディションとか、いろいろある。
学内推薦を考えていた割に見通しが甘かったのは自分のせいだが、ほかの受験生より不利だったことも間違いない。
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2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
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