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4章洞窟生活 後編

71.9,最初の頃のアイツら 後編

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勇者と名乗る高校生達と別れて私達も違う人から案内を受けていた。罠抜け師と能力付与師,商人,会計士は訓練所より内務省の方を先にと……、今さっき知り合った私達にそんな事を教えても大丈夫だと思ってるのだろうか?
教育のレベルが低い世界なのだろうな、王の姿がまさにだしな。

商人と会計士で無くともこのくらいの計算はできる。やって見ると周りから歓声が、低能な人達から喜ばれ……ニヤケる。共に来た同僚も少し照れていた。悪くないな……もう少し色々計算方法や企画書の作り方を教えていたらお腹がすいてきた。

サンドイッチと珈琲が出てくる、この世界にも珈琲があるのだな。少し渋くて苦いが飲めない訳では無いので、サンドイッチを片手に休憩……しばらくすると同僚と共に体が痺れて動けなくなる。毒を盛られたのか!?

首にベルトを巻かれ、抵抗できない殺される!目を瞑り歯を食い縛るが何も起きない……何かを呟かれ指に痛みが、見ると紙に指を押し当てられ次の瞬間!首に痛みが!

同僚も苦しそうに唸り声を上げ、暫くすると体の痺れも無くなり周りの奴等に掴みかかろうとするも体が痺れ首と全身に痛みが走る。

「バカな召喚者だ。その首に巻かれてるのは『隷属の首輪』だソレが首にある限り我々の命令には逆らえず、我々に危害を加えられない。死ぬまで我々に使われる存在になったのだよ」何を言っている?隷属の首輪?
「隷属の首輪ってのは奴隷等につける物だろ!奴隷は違法ではないのか!?」目の前の奴等は周りを見渡し

「お前達の世界では奴隷は居ないようだな?この世界では奴隷が居るのだよ。それにな……、お前達の世界に魔法は無かったのだろう?この世界には魔法が在りその首輪は魔法で外れないように成っている。付けられた時点でお前達は奴隷なのだ」

「もちろん、この方法は違法だが?お前達はこの国の人間でもなければこの世界の人間でもない法律の適応外だえっと『奴隷1番』?せいぜいその頭でこの国を良い方に導いてくれたまえ」

は?名前が奴隷1番?「俺の名は………かっ!声が出せれない」

目の前にメイドが現れて、
「自己紹介をする前に奴隷の紙に血を足らされたのでしょう?適当な名前を書かれてしまったのでしょう。空欄ならまだ自分の名前が言えたのですが……。名前が書かれてしまったのなら、もうその名前以外の自分の名前は発する事も書くこともできませんよ」

この国は、こんな事をしてるのか。なんて所に来てしまったんだ。ここから追放された人達をバカにした目で見たが、アッチの方がまだ自由にできて良かったのでは……?メイドはまだ話してくる。

「奴隷になってしまいましたが、良かったですね?追放なら5日後には殺されて身ぐるみを剥がされてましたよ?それに……、私があなたの専属メイドです。誰かを殺す以外の事は全てできますよ?あなたの専属メイドと言う奴隷なので……」そう目の前の女性は儚くほほえみお辞儀した。

なに?あのオタク共はどうでも良いとしてあの幼く見えた子供達も殺させる?この国は腐ってる!
「君も奴隷?まだほんの15~7才くらいだろう?」何かを思い出すように考えながら答えてくれた。

「私が奴隷になった理由は契約で話せませんがそうですね……、そのくらいだったと思いますよ?途中から数えるのを辞めてしまったので」

「殺す以外ができるなら追放された、女の子達を救う事はできるか?」

「私もこの内務省から出る事ができません。全てとはこの狭い世界の中だけと言う意味です。誤解させて、すみません」くそ!あのオタク達はちゃんとあの子達を守れるのか?いやそれよりも自分の心配が先だ。この首輪を外せば!

手で首輪に触れる前にメイドに捕まれた「どうして邪魔をする?こんな物!外してしまえば……」目の前でメイドが自分の首輪に触れ、悲鳴と血を吐き倒れる。

近寄ろとするが鎖に繋がれ側に寄れない、少し経つと起き上がり近くで「こうなりますよ」と言葉で説明してくれれば良いのに行動で先に教えて来た。

「私があなたの首輪に触れるのは大丈夫ですし、あなたが私の首輪に触れるのも大丈夫が外そうとすると両方に激痛が走りますよ気を付けて下さい」さらに「この地獄では私の体を使って、気を紛らわして下さい。それくらいしかすること無いですし」

俺はとんでもない地獄に来てしまった。同僚は薄い壁の向こうでもう専属のメイドと盛ってるようだ。私は今日はもう寝よう……側で私に寄り添う様にメイドが目を閉じた。

誰か助けてくれ……この地獄から……
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