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丸(まる)くなったミャーコの背中

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 私のせつただしいかどうかに関係なく、黒猫のチビは大きくなって、そして可愛かわいくなった。もと野良のらねこのミャーコとちがって、チビは最初から家の中にいたので、母のねこと言っていい。ミャーコの愛想あいそ愛嬌あいきょうは、実家じっかのアイドルとしてのこるためにミャーコが学習してたスキルだったが、チビはなにかんがえず周囲にあまえていた。

 家のそとにいる人間はこわがったが、家の中にいる人間やミャーコは家族なのだと、チビは理解りかいしていて。「一緒いっしょよー」と言わんばかりの態度たいどで、チビは家族のだれにでもっていく。私のさいしは今でもミャーコだけれど、チビのポジションは『し』くらいになったかもしれない。

 ある時期からミャーコは、うなってチビをとおざけるようになった。これはおやねこが、ねこおやばなれさせるために必要な習性しゅうせいらしい。「やっぱり親子おやこだよ」と私が言って、「いやいや、ちがうから」と母はみとめないのだった。

 チビはオスで、それもミャーコがチビをとおざけた一因いちいんだろうか。最近、チビは去勢きょせい手術しゅじゅつませて、おかげで少しはミャーコとチビも平和へいわきょうぞんしているらしい。チビはさら性格せいかく可愛かわいくなっていて、いことである。

 ミャーコは出産しゅっさん影響えいきょうか、去年きょねん体調たいちょうくずしてセキがつづいた。さいわい、今年ことしになってくなったが、以前よりはうごきもにぶくなったはする。たんふとっただけかもしれない。ヒザの上にったミャーコをでると、まるみがしたのがかった。

 ある日、にわでチビがネズミをって、それをおおいに母へ見せびらかしていた。私はその光景こうけいを少しはなれて見ていて、そしてミャーコも、私のヒザの上から同様どうように見ていた。ミャーコがどう思っているかは気になって、チビのことを敵視てきししているのではないかと私はかんがえて。そして、どうやら、そのかんがえは的外まとはずれだったとることになった。
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