41 / 125
第二章 混沌竜の契約者
訪問
しおりを挟む
「はぁ!?おいロイ国王様なんて嘘だろ?」
「コールよ、嘘ではないぞ」
慌てるコールにコンがまったりとくつろいだまま言う。
「え、嘘、国王様がこの村に来るなんて、皆に伝えないと!?」
「おいおい、国王様をお迎えするなんてどうすりゃいいんだよ……」
「コン君、国王様って、あの国王様?」
「お兄ちゃんどうしよう!?」
「ちょ、ちょっと落ち着いて皆!」
自分もそのあまりに急な報告に驚く中、ひとまずコンに確認を取る。
「ねえコン、国王様はこっちにどうやって来るの?」
「ロイが王都から帰ったのと同じ転移魔法を使って送り迎えをするつもりだが?」
ああ、そういえば国王様との別れ際に水晶玉を渡して空間魔法どうこう言ってた気がする。
「え、それじゃあコンが呼べば今すぐにでも到着するってこと?」
「メルクからは《急なお願いなのでそちらの都合が悪ければ断ってくれても構わない》と言ってくれと言われているが?」
「それじゃあ急いで帰ってお迎えの準備を……」
そう言ってこのままブロウにカウホースを借りて村まで帰ろうかと思い、ブロウに話しかけようとする。
「あとメルクから《私は国王プルト・メルクとしてではなく、ただの竜好きの中年オヤジ、メルクとして扱ってくれ》と来ているが?」
もうそれどうしたらいいの……
「ちゅうね……いや、それはダメだろ!幾ら何でも国王様に何かあったら国の一大事だろ!?」
今ここに居る中で(コンを除き、意外と)1番賢いブロウが頭を抱える。
「それでコンさん、こっちから国王様に質問って出来るのか?」
そしてちょっと皆でどうするか悩んで、ブロウがそう問いかける。
「無論、出来るぞ」
「ならさ、護衛だとかは一緒なのか聞いてくれないか?」
それを聞いたコンは頷き、ちょっと黙り込んでから言う。
「ふむ、護衛は《コン殿が居るので護衛は連れて行かないが、一応私が何かしでかさないかの監視のため総務大臣も付いて来るそうだ》とのことだ」
あ、大臣お疲れ様です。
「では本当に何もお迎えする準備も無いし、まだ村人にも伝えてないけどどうしたらいいのか、出来れば国王様と総務大臣様のお二方に聞いてくれない?」
「ふむ、了解した。……まず国王様から《気にしなくて良い。むしろ伝えないでいただけたら国民のありのまま生活を見る良い機会にもなるので、これからの政務活動の参考になる》とのことだ」
「てことは、村中見て回るおつもりなのか?」
「そして大臣からは《私達の勝手な行動で国民にご迷惑をおかけするつもりはない。服装もメイドに頼んで古着屋でそちらに合わせた服装を一通り揃えてある。身分はただの商人として扱ってくれれば助かる》だそうだ」
「はー……国王様って、なんかもっと偉そうにしてるイメージだったんだけど、意外といい人?」
「うん。僕は前に王様に呼ばれて行ったけど、かなり気さくで優しい人だったよ」
ちょっと、竜が好き過ぎて変な行動をすることあるけどけど凄くいい人。
それから僕はコンに少し準備をするから待ってもらう事を伝えてもらい、皆には国王様であることを秘密にすることとしてひとまず大急ぎで家に帰った。
「よし、それじゃあお願い出来る?」
「うむ。向こうも準備は良いそうだ」
それから昼前には準備を済ませ、親には王都でお世話になった人が遊びに来ると伝えて、今は家に直接呼ぶのは不自然だから村の北門の外の少し離れた所に居る。
そしてコンが「いくぞ」と言うと、僕達の前に平民と同じ格好をした国王様と大臣が現れた。
「これが転移魔法か!」
「本当に一瞬で移動が可能なのですね」
そして、2人は初めての転移魔法に驚いている。
「お久しぶりです、メルクさん、ノトさん」
僕はその2人を名前で呼ぶ。
「久し振りだの、ロイ君、コン殿!」
「お久しぶり振りです、ロイ様、コン様」
現在興奮している国王様に、すぐに冷静になった大臣。
前に謁見した時と変わりないようで安心する。
「僕とコンは呼び捨てにして下さい。親には王都でお世話になった人が来ると伝えてあるので」
今の口調は国王様に対しては無礼になるけど、下手に敬語ばかりだと下手したら皆に気付かれてしまうからとなるべく使い過ぎないよう言われたのだ。
「そういえばメルクさん、こんなに急に遊びに来てお仕事の方は大丈夫なのですか?」
「うむ、あれから仕事を山ほどこなして時間を空けたのだ」
「今後、そのために徹夜までなさるのはお体に障りますから絶対にお止めください。おかげで私も含めた皆が心配したのですから」
「……メルクよ、あまり無茶するでないぞ」
「コールよ、嘘ではないぞ」
慌てるコールにコンがまったりとくつろいだまま言う。
「え、嘘、国王様がこの村に来るなんて、皆に伝えないと!?」
「おいおい、国王様をお迎えするなんてどうすりゃいいんだよ……」
「コン君、国王様って、あの国王様?」
「お兄ちゃんどうしよう!?」
「ちょ、ちょっと落ち着いて皆!」
自分もそのあまりに急な報告に驚く中、ひとまずコンに確認を取る。
「ねえコン、国王様はこっちにどうやって来るの?」
「ロイが王都から帰ったのと同じ転移魔法を使って送り迎えをするつもりだが?」
ああ、そういえば国王様との別れ際に水晶玉を渡して空間魔法どうこう言ってた気がする。
「え、それじゃあコンが呼べば今すぐにでも到着するってこと?」
「メルクからは《急なお願いなのでそちらの都合が悪ければ断ってくれても構わない》と言ってくれと言われているが?」
「それじゃあ急いで帰ってお迎えの準備を……」
そう言ってこのままブロウにカウホースを借りて村まで帰ろうかと思い、ブロウに話しかけようとする。
「あとメルクから《私は国王プルト・メルクとしてではなく、ただの竜好きの中年オヤジ、メルクとして扱ってくれ》と来ているが?」
もうそれどうしたらいいの……
「ちゅうね……いや、それはダメだろ!幾ら何でも国王様に何かあったら国の一大事だろ!?」
今ここに居る中で(コンを除き、意外と)1番賢いブロウが頭を抱える。
「それでコンさん、こっちから国王様に質問って出来るのか?」
そしてちょっと皆でどうするか悩んで、ブロウがそう問いかける。
「無論、出来るぞ」
「ならさ、護衛だとかは一緒なのか聞いてくれないか?」
それを聞いたコンは頷き、ちょっと黙り込んでから言う。
「ふむ、護衛は《コン殿が居るので護衛は連れて行かないが、一応私が何かしでかさないかの監視のため総務大臣も付いて来るそうだ》とのことだ」
あ、大臣お疲れ様です。
「では本当に何もお迎えする準備も無いし、まだ村人にも伝えてないけどどうしたらいいのか、出来れば国王様と総務大臣様のお二方に聞いてくれない?」
「ふむ、了解した。……まず国王様から《気にしなくて良い。むしろ伝えないでいただけたら国民のありのまま生活を見る良い機会にもなるので、これからの政務活動の参考になる》とのことだ」
「てことは、村中見て回るおつもりなのか?」
「そして大臣からは《私達の勝手な行動で国民にご迷惑をおかけするつもりはない。服装もメイドに頼んで古着屋でそちらに合わせた服装を一通り揃えてある。身分はただの商人として扱ってくれれば助かる》だそうだ」
「はー……国王様って、なんかもっと偉そうにしてるイメージだったんだけど、意外といい人?」
「うん。僕は前に王様に呼ばれて行ったけど、かなり気さくで優しい人だったよ」
ちょっと、竜が好き過ぎて変な行動をすることあるけどけど凄くいい人。
それから僕はコンに少し準備をするから待ってもらう事を伝えてもらい、皆には国王様であることを秘密にすることとしてひとまず大急ぎで家に帰った。
「よし、それじゃあお願い出来る?」
「うむ。向こうも準備は良いそうだ」
それから昼前には準備を済ませ、親には王都でお世話になった人が遊びに来ると伝えて、今は家に直接呼ぶのは不自然だから村の北門の外の少し離れた所に居る。
そしてコンが「いくぞ」と言うと、僕達の前に平民と同じ格好をした国王様と大臣が現れた。
「これが転移魔法か!」
「本当に一瞬で移動が可能なのですね」
そして、2人は初めての転移魔法に驚いている。
「お久しぶりです、メルクさん、ノトさん」
僕はその2人を名前で呼ぶ。
「久し振りだの、ロイ君、コン殿!」
「お久しぶり振りです、ロイ様、コン様」
現在興奮している国王様に、すぐに冷静になった大臣。
前に謁見した時と変わりないようで安心する。
「僕とコンは呼び捨てにして下さい。親には王都でお世話になった人が来ると伝えてあるので」
今の口調は国王様に対しては無礼になるけど、下手に敬語ばかりだと下手したら皆に気付かれてしまうからとなるべく使い過ぎないよう言われたのだ。
「そういえばメルクさん、こんなに急に遊びに来てお仕事の方は大丈夫なのですか?」
「うむ、あれから仕事を山ほどこなして時間を空けたのだ」
「今後、そのために徹夜までなさるのはお体に障りますから絶対にお止めください。おかげで私も含めた皆が心配したのですから」
「……メルクよ、あまり無茶するでないぞ」
1
お気に入りに追加
4,075
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
便利スキル持ちなんちゃってハンクラーが行く! 生きていける範疇でいいんです異世界転生
翁小太
ファンタジー
無意識に前世の記憶に振り回されていたせいで魔導の森と呼ばれる禍々しい場所にドナドナされたユーラス(8歳)が、前世の記憶をハッキリ取り戻し、それまで役に立たないと思われていた自らのスキルの意味をようやく理解する。
「これって異世界で日本のものを取り寄せられる系便利スキルなのでは?」
そうしてユーラスは前世なんちゃってハンクラ―だった自分の持ち前の微妙な腕で作った加工品を細々売りながら生活しようと決意する。しかし、人里特に好きじゃない野郎のユーラスはなんとか人に会わずに人と取引できないかと画策する。
「夜のうちにお仕事かたずけてくれる系妖精は実在するというていで行こう」
―――――――――――――――――
更新再開しました(2018.04.01)
知らない異世界を生き抜く方法
明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。
なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。
そんな状況で生き抜く方法は?
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる