Original drug

佐治尚実

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「あっあっううう、いいやぁああ、やぁやう、うっあ」

 ベッドが激しく軋む音と翔祐の嬌声が甲高くなる毎に、一条の飢えた独占欲を徐々に潤して行くようだ。一条は嬉しそうに咆哮をあげている。

「顔を、君の、顔を」

 結合したまま、発汗してぬめる躰をひっくり返され、翔祐は悲鳴を上げる。

「っやぁあああ・・・・・・。っあっあっ、やぁだ、ひぃ」

「見えた、可愛いよ、ああぅ、いくいく」

 翔祐が雄を喰い尽くそうと胎内の粘膜が熱を発して、イヤらしく蠢く。美しい一条は奥深くを容赦なく突き上げれば、翔祐は息絶えたえに喘ぎ雄を締め付けた。

「っく・・・・・・うう、しょう、す、けぇ」

 一条は射精が近くなり、翔祐の身体の奥に半年ぶりの精液を溜めるようしていた。無我夢中で胎内を抉り、翔祐の涙と涎で汚れた顔に何度も口づけを降らす。

 翔祐が逃げようとしたら激情して、「逃がさない」と身体を強く抱擁し密着させてきた。

「汗と体温、肉も全て俺のものだ」

 酷く乱れた翔祐の媚態に「気が狂う」と、「これ程に乱れた翔祐は見た事が無い」とまで、ブツブツと譫言を続ける。

「ああ、出すよ、いっぱいだよ、翔祐、愛してるよ、愛してるよ、ああっ・・・・・・く」

「んん、っぁ、あああ、うううわああ、だめえええ、だしちゃだめええええ、ああっいやああっ」

 一条の精液を胎内で受け止めた翔祐は、全身を震わせ、声が出せず口を開けて泣いた。

「お尻に入れるのが一番きもちいい、ああ、まだまだ、精液溜めて泣く姿も綺麗だよ、ほら、四つん這いで俺が満足するまで愛させて貰うよ。翔祐、俺は半年待った、ご褒美をくれよ」

 性欲の化け物に禁欲をさせた愚かな翔祐は、いつでも堕ちる事を一条に待ち望まれていた。己の見っとも無く歓喜している身体が悔しかった。

 諦めて四つん這いでシーツを掻きむしる翔祐を見た一条は「好きなだけ翔祐を愛せる、愛おしい」と、頭を撫でてくる。

 一条の雄が屹立している、今にでも暴れそうな光景を翔祐は見ないようにしていた。

「そんな仕草もいじらしい」

 わざと頭から腰までの素肌を、一条は大きい手でなぞると翔祐は自分でも聞いたことのない嬌声を上げる。

「俺の愛は深いと出逢った頃に言っただろ、まさか覚えていない筈はないよね、可愛い可愛い」

「っあ」

「鎖が欲しい、監視カメラでは足りない、早く早く」

 そう一条が偉容な雄を、翔祐の開いた胎内に押し込む。窒息しそうだ、死んでしまう。

「あれ、声でなくなったの。自業自得だよ、半年とか冗談かと思った、ほら起きてよ可愛い声聞かせて」

 声を聞かせてと、腰だけ高く掲げた媚態に一条は一心不乱に鬼畜に突き上げた、何度も翔祐が泣くまで。

「あああ、うっ・・・・・・あっあっあっ、やだぁあああ、もう、やぁだ、ゆるして」

「はあぁ、許すわけないよ、それこそ冗談でしょ、ほら大きいの奥まであげるから泣かないで」

 肉のぶつかり合いと水音が卑猥な音を響かせると、翔祐のぼやける脳に二段階目のスイッチが入った。

「いちじょうさん、こわ、れる・・・・・・。っあああああっっ」

 奥深くを強く抉ると翔祐が喉をのけ反らせ絶叫した、一条の愛は重い性欲だけではない平等に愛も深い。

「やだ・・・・・・。こわれたら、すてられる。あっうう、いい」

 どうやら翔祐の禁欲を強行した原因は、異常な執着と性欲で己が壊れそうだ、と恐れるのではなかったようだ。壊れて使い物にならなくなった躰では一条に愛される存在でいられない、健気な思いであった。一条は「杞憂だと」、軽やかに笑った。 

「愛するよ何度だって、翔祐を壊しても愛してるよ。いい子だっ。早く壊れるといいね大きいのが足りなければディルドを入れればいいんだ、きっと翔祐は喜んでくれるよ・・・・・・。ああ、感じてるね、欲しいんだ!」

「愛して、一条さんが欲しい、ああ、大きいので酷く愛して・・・・・・。おねが、い、あっあっう」

「よかった、俺を選んでくれて有り難う。誰にも触らせないよ、俺だけの翔祐だ、俺だけの、ははは」

「いち、じょうさんだけの。いっぱい、えっちなこと、あっ・・・・・・して」

「エロい、イヤらしい子だ犯罪的だ、翔祐の為に半年感沢山精液を我慢したよ、次のも濃いよ」

 ベッドが揺れヘッドボードに縋る翔祐が激しい動きに耐えられず悲鳴をあげていた、胎内で大量の精液を放出され続け腹の中が水音が聞こえる。
 
濃厚な精液と分かれば何故教えてくれないのか。

「顔に掛けて。・・・・・・ああ」

 咆哮をあげる一条が、翔祐の胎内から雄を一気に抜きだした。急激な刺激に身を震わせる翔祐の顔に目掛けて、雄を一心不乱に扱いた。
 翔祐は口を開けて瞼を閉じて、「はやく」と待ち構える。

「くだ、さい」

 一条は呻いた。

「うっ」

 ぶしゃぁと、翔祐の顔と口内に熱い飛沫がぶっかけられた。それだけで翔祐は達してしまう。

「ああ、いいな、性欲に溺れた翔祐の顔、癖になるね、常用すればもっと効きやすくなるみたいだよ、副作用もないし」

「美味しい」

 顎から垂れる粘着質な精液を手で掬い、指で舐めしゃぶる翔祐を、幸せそうに一条も微笑む。

「あっ、ごめん副作用あったね、翔祐の美味しい飲み物がいっぱい出るんだって」

「っああ、ん、一条さんに、のんで、もらえ、っあ」

 快楽が疎かになっていても、生臭い精液の匂いだけで倒錯めいた快楽を得られた。ついに自分は堕ちても良いときが来たのか、一条が薬の副作用を説明する傍ら翔祐はクスクスと笑う。

「嬉しい」

 サイドテーブルから一条はカップを手に取ると、そこにベッドシーツに水溜まりを作っている翔祐の精液を掬い、並々に入れるとご満悦の笑顔で翔祐が悲鳴を上げると同時に飲み干した。

「うん、濃いね・・・ああ、俺の体に沁み込んでる、半年間の翔祐が」

「いっ一条さん・・・お腹を壊すよ」

「これは俺の生きていく中で大事な飲み物だから、そうだ言い忘れてた」

 口元を腕で拭う一条は美貌を輝かせ、どこにでもいる普通の男である翔祐に病的な微笑みを浮かべた。

「もう一つ副作用があった、淫乱な身体に出来上がるんだ、男を銜えてないと発狂する位のね」

 副作用なんて嘘だ、清純な仮面を外す時を待っていた淫乱な悪魔にきっかけをあげただけだ。

「うん、そうなんだぁ・・・・・・まだ、欲しいのは薬のせいなんだね」

「ふう、可愛いな。もっと頑張れそうかな」

「ぐちょぐちょにして、僕、おかしいんだ。一条さんのおちんちん咥えてないとさみしいの」


 できあがり、これでよし。最終検査は終了だ。
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