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ジャンプ!ジャンプ!で感情表現

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気がついたら嬉しさのあまり大ジャンプをかましていた。ちょっとはしたないかも知れないけど、でもそれくらい本気で美味しい!

夢中で食べ進め、あっという間に串がぴかぴかになるくらい綺麗に食べてしまった。もちろん串は無傷だよ、だって大切な物かも知れないもの。


「良かった、気に入ったみたいだね。美味しかった?」


尋ねられて、思わず何度もジャンプした。だって本当に美味しかったんだもの、この心の叫びを何とかして伝えたい。なのに、なぜか魔術師さんは怪訝な顔であたしをじっと凝視する。

あれ?
あたし、なんか変な事した?

顎に手を当て、少し思案した後、魔術師さんはおもむろにあたしに尋ねる。


「……もしかして、返事してくれてる?」


う、うん。
そうだけど、なんか動いた方がいい?

とりあえず、もう一回跳ねてみた。


「うわ、すっげえ!もしかして意思疎通できるんじゃね?」

「可愛い!」

「すごい」


魔術師さんのお仲間さん達が一斉に沸き立ち、キラキラしたお目々であたしを見つめる。そんなに見つめられるとなんだか恥ずかしいんだけど。


「なあなあ、俺の言葉、分かるか?」


剣士が鼻息荒く自分を指差す。……とりあえず、ひと跳ねしてみた。


「いよっしゃー!!通じてる!」


夜空に向かって雄叫びと共にガッツポーズする剣士。そ、そんなに嬉しいもんなのかな。でも、そんな剣士のガッツポーズは、武闘家さんの一言で面白いくらいピキッと固まってしまった。


「待て、ただ跳ねてるだけかも」


確かに、という顔で互いに顔を見合わせる人間達。そして、その視線の先はなぜか最終的に魔術師さんに集まっていった。


「よし、じゃあ確かめよう」


魔術師さんは事も無げにそう言って、しっかりとあたしに向き直る。

どきどき。

なんですか、また跳ねますか!?

すぐに対応出来るよう、超ドキドキしながら身構える。魔術師さんは、あたしをじっと見つめて言い聞かせるようにこう言った。


「うーん、そうだなあ。じゃあシンプルに『はい』と『いいえ』の合図を決めようか」


ラジャーっす!


「『はい』なら跳ねる」


了承の証に軽くポヨンと跳ねて見せる。


「そうそう、じゃあ『いいえ』は……跳ねるのとは逆なイメージがいいよね……」


ちょっと悩んだ魔術師さんに、あたしは地面に寄り添ってダランと平べったくなって見せた。


「あっそれいいね、なんかダルい感じ」


でしょう?
具合が悪い時とか、やる気が出ない時ってゼリー部分のハリがなくなっちゃってダレ~ン……って平べったくなっちゃうの。嫌な気持ちの時を表現するなら、やっぱこれだよね!


「なんかもう、既に意思疎通出来てるんじゃないかしら」


女の人がちっちゃな声で呟いていた。
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