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強ええんですけど!

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なんだコイツ、どんだけ強くなってんだ。

ゆずのあまりの進化っぷりに愕然とする。俺が錬金釜の前で楽しく新しい武器やら防具やらを編み出している間に、ゆずときたらめちゃくちゃレベルあげてやがる!

錬金レベルなんかからっきしのくせになんてヤツだ。

自分の身長の倍はあろうかというデカい熊を華麗なジャンプからのかかと落としで仕留め、ニカッと笑って振り返る。

すごい、マジですごいわ。


「どう?基本動きやすいんだけど、ちょっとヒラヒラし過ぎだと思うんだけど」

「あ、悪りい。かかと落としが凄すぎて、技しか見てなかった」

「え?すごかった?」


嬉しかったらしい。

正拳突き、廻し蹴り、後ろ蹴り、 蹴上げ、見よう見真似の空手技を流れるように決めて見せて「かっこいい?」と聞いてくる。

うん、悔しいが可愛い。そして俺の防具最高。


ゆずは最初こそ杖とか剣とか武器を使ってみようかとしてたんだけど、結局は慣れ親しんだ拳での攻撃が一番性に合ったらしく、今ではもっぱら格闘での戦闘らしい。

だから武器は爪系かナックル系、あとはどうしても近寄りたくない敵に会った時用のナイフだけ、その分モンスターに直に触れる事も多いし、なにより接近戦になるわけだから相手からの攻撃だって受けやすいわけで。

それだけに防具はゆずにとって、もの凄く重要なものだ。

体をしっかり守らないといけないのは当然だが、とにかく動きやすい事が大切だったりする。剣士や槍手、アーチャーとかより動きのレパートリーも多いし可動域が違うから、ゆずの防具には素材も特別な物を使ってるんだ。

いろんな動きを邪魔しない柔らかさと薄さ、軽さ。でも防御力は高い、そんな特性を持つ布を錬金するところから俺はとにかくこだわった。

特殊な布さえ出来てしまえばデザインは結構自由にできて、光沢のある長袖の上品なアンダーに、編み上げタイプのコルセット、ふわふわヒラヒラ揺れるミニスカートという愛らしさ重視、最後に防御力、体力、魔力アップの特性をつければ可愛くて機能性も高い防具の出来上がりだ。

腰の辺りにチェーン状のアクセをつけられるようにしてるから、色とりどりで耐火や耐水といった効果をもたせたアクセを追加して、その時々で必要な付加効果も付与できるという、俺の渾身の作だったりする。


見た感じ動きを阻害するようなパーツもないし、いちいちヒラヒラしてすげえ可愛い。


足技が多いみたいだけど、ふとももの中央まである白いニーハイソックスもこのこだわりの素材だから防御力は抜群だ。いやむしろ、攻撃力を高めるような仕掛けを考えてもいいのかもしれない。

確かに実戦を見てると、改良したい気持ちがムクムクと沸き起こってくるもんだな。
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