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俺は、錬金術を極める!

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「ゴメンですむか! 言っとくけどお前な! 顔は可愛くても、マジゲンカは絶対ダメな人種なんだからな! 死人がでる! 分かってんのかお前は!」

「……うん、ホントごめん」


本気で怒ったのに、なぜかゆずは嬉しそうに笑った。

でも、俺だってその安心したみたいな笑顔に少しだけホッとする。軽口だってポンポンと口をついて出た。


「なんだよ、何笑ってんだよ。怒られてんのに笑ってるとか、そっちの方がよっぽどキモいわ。……まさかM? 目覚めた?」


わざとらしく仰け反って見せれば、ゆずは声をあげて笑いはじめた。良かった、もう「嫌われたんじゃ」なんて、らしくもねえ事で泣きそうな顔して欲しくねえもんな。

こいつはこいつで、この状況に順応しようと頑張ってるんだ、譲が変わっていったとしても、もうそれでいいじゃねえか。

そりゃ俺にはここが前やったことのあるゲームの世界だって感覚がいつだってある。だから、クリアしたらどうなるのかとか、どっかでゲーム攻略してる気分があったんだよ。

でもさ、譲はゲームもやった事がない。しかも女の子になっちまった上にそれが意外と心地いい。そんな状況の中で、順応したっておかしくねえよ。……うん、おかしく、ねえよ。


「ばーか」


きゃらきゃらと可愛く笑っているゆず。

俺はその日、幼馴染の変化を、本当の意味で受け入れた。


***


それからの俺は錬金、錬金、また錬金、の日々を送っていた。

ゆずがこの世界に順応しようとしてるわけだから、別にクリアを急ぐ必要もない。せっかくだから俺も、好きな錬金を心ゆくまで楽しむ事にしたわけだ。

なんせ最初のあたりで錬金した時にも驚いたけど、ゲームでは出てこなかったようなレシピが俺の思いつき次第でいくらだってできる。これがもう、楽しくてたまらない。

ちょっとだけ素材を変えて安上がりな方法で作れるように改良したり、その過程で新しい物を作ったり。新しい物を作った場合は経験値ボーナスが入るもんだから俺の錬金レベルだってうなぎのぼりだ。

かなり高レベルな冒険者になったゆずが、珍しくて高額な素材をいくらでも集めて来てくれるわけだから、出来上がる物の質だっていい。

その恵まれた環境を活かして俺が今ハマっているのは、可愛くて効果付きの武器と防具の開発だった。

俺がこのゲームで不満だった事が二つある。

一つは回復アイテムが煩雑なことだ。ゲームバランスのためか知らんが、体力回復と魔力回復、疲労回復は別の薬だし、毒消し、麻痺消し、混乱回復も別に持たせないとならない。
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