3 / 75
やばい、泣かれてしまった
しおりを挟む
目を吊り上げて「ふざけんな」「腕を離せ」「陸はどこだ」なんて煩くわめきながら、俺から逃れようと必死でもがいている。
まぁ気持ちは分かる。
こいつの反応から見て、俺だって相当見た目が変わってるんだろう。
だが、自分の体を見下ろした感じでは俺は100パーセント男だ。身長190センチの大男が小柄な美少女になった程のインパクトはないと断言できる。
「言っとくが譲、今、お前の見た目、かわいらし~い女の子だぞ?」
「はぁ!?」
片眉を上げて、アホか、とでも言いたげな声を出しているが、アホはお前だ。
「おまえ今、俺を見上げてるだろ? とりあえず自分の体、見下ろしてみろよ。なかなか立派なモノがついてるぞ?」
ひと思いに分からせてやろうと、美少女のふんわり柔らかそうな胸に手を当てた。つられるように譲の目線も下に落ちる。
「スゲーな、Fくらいあるんじゃね? しかもマシュマロボディだ、良かったなぁ譲」
途端、絹を裂くような悲鳴が響き渡った。
***
何がいけなかったんだろう。
今俺の目の前では、華奢で頼りなげな美少女が、肩を震わせて泣きじゃくっている。
いや、もちろんふわふわ推定Fカップをモミモミしたのがいけなかったんだろうが、なんせ中身がガサツの代名詞、譲だからなぁ。
まさか泣かれるとは思ってなかった。反省だ。
「ごめんって。頼むから泣くな、優しく慰めたくなる」
「鬼か! ……っ、慰める気もねぇのか……!」
ポロポロと涙を流しながら抗議してくる美少女。
うっとり見つめたくなるが騙されてはいけない。中身は身長190センチ、ケガの手当てをしてやった優しい俺に対し、容赦なく腹パンをくれた鬼である。
「中身がお前じゃなかったら熱い抱擁で慰めてる」
「キモっ! 怖っ!」
本気で青ざめて後ずさりやがった。いっぺんシメた方がいいかもしれない。だが今はそれよりも優先すべき事がある。
「冗談は置いといて、お前も泣き止んだことだし、ちょっと状況を整理するか」
な、なんだ冗談か、とホッとした顔で息をついているアホの耳を思いっきり引っ張ってから、俺は部屋の中をざっと見回した。
真っ先に目に入ったのは、粗末な板張りの壁。薄っぺらい板を見るに、確実に防音・防寒効果は紙レベルだろう。
なんなら隙間風とか入ってきそうな安普請感がある。
そして板を釘で打っただけっぽいチープな感じのテーブルと椅子の他には箪笥すら無い、そんな殺風景な部屋の中に、何故かでっかい、古ぼけた壺が置かれていた。
まぁ気持ちは分かる。
こいつの反応から見て、俺だって相当見た目が変わってるんだろう。
だが、自分の体を見下ろした感じでは俺は100パーセント男だ。身長190センチの大男が小柄な美少女になった程のインパクトはないと断言できる。
「言っとくが譲、今、お前の見た目、かわいらし~い女の子だぞ?」
「はぁ!?」
片眉を上げて、アホか、とでも言いたげな声を出しているが、アホはお前だ。
「おまえ今、俺を見上げてるだろ? とりあえず自分の体、見下ろしてみろよ。なかなか立派なモノがついてるぞ?」
ひと思いに分からせてやろうと、美少女のふんわり柔らかそうな胸に手を当てた。つられるように譲の目線も下に落ちる。
「スゲーな、Fくらいあるんじゃね? しかもマシュマロボディだ、良かったなぁ譲」
途端、絹を裂くような悲鳴が響き渡った。
***
何がいけなかったんだろう。
今俺の目の前では、華奢で頼りなげな美少女が、肩を震わせて泣きじゃくっている。
いや、もちろんふわふわ推定Fカップをモミモミしたのがいけなかったんだろうが、なんせ中身がガサツの代名詞、譲だからなぁ。
まさか泣かれるとは思ってなかった。反省だ。
「ごめんって。頼むから泣くな、優しく慰めたくなる」
「鬼か! ……っ、慰める気もねぇのか……!」
ポロポロと涙を流しながら抗議してくる美少女。
うっとり見つめたくなるが騙されてはいけない。中身は身長190センチ、ケガの手当てをしてやった優しい俺に対し、容赦なく腹パンをくれた鬼である。
「中身がお前じゃなかったら熱い抱擁で慰めてる」
「キモっ! 怖っ!」
本気で青ざめて後ずさりやがった。いっぺんシメた方がいいかもしれない。だが今はそれよりも優先すべき事がある。
「冗談は置いといて、お前も泣き止んだことだし、ちょっと状況を整理するか」
な、なんだ冗談か、とホッとした顔で息をついているアホの耳を思いっきり引っ張ってから、俺は部屋の中をざっと見回した。
真っ先に目に入ったのは、粗末な板張りの壁。薄っぺらい板を見るに、確実に防音・防寒効果は紙レベルだろう。
なんなら隙間風とか入ってきそうな安普請感がある。
そして板を釘で打っただけっぽいチープな感じのテーブルと椅子の他には箪笥すら無い、そんな殺風景な部屋の中に、何故かでっかい、古ぼけた壺が置かれていた。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
黒髪の聖女は薬師を装う
暇野無学
ファンタジー
天下無敵の聖女様(多分)でも治癒魔法は極力使いません。知られたら面倒なので隠して薬師になったのに、ポーションの効き目が有りすぎていきなり大騒ぎになっちまった。予定外の事ばかりで異世界転移は波瀾万丈の予感。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる