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第6章 現実の世界 ~カミナギ ふたつ~

第228話 一本の電話

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 鍔木宗司つばきそうしは帰途に就いた三月の後ろ姿を見送っていた。
 淋しい県道の風景と共に、見えなくなった後もしばらくそうしていた。

 三月と一緒に居た時の爽やかな笑顔は消えていて、今は何とも言えない表情だ。
 と、自宅の仮設住宅から電話の呼び出し音が聞こえてくる。
 三月が帰るのを見計らったかのようなタイミングで一本の電話が鳴った。

「はい、もしもし。はい、僕です。宗司です」

 急ぎ足で家に戻り、リビングにある固定電話の受話器を取り上げた。
 電話越しに話す声が緊張していたのは気のせいではない。

「三月はたった今帰ったところです。はい、特に酷い怪我はしていないようです。ちょっとした切り傷や擦り傷はあるでしょうけど」

 架電者かでんしゃに伝えるのはさっき帰った三月のことについてだった。
 一晩の面倒を見て、体調にも特に問題は無かったと説明をしている。
 すると、受話器の向こうから安堵した女性の声が聞こえた。

「──そう、良かった。三月は無事なのね」

 緩やかな息を吐き、片方の手をそっと胸にやる。
 リブ生地のベージュのニット、黒のロングスカートを着用している。
 腰ほどの長さのさらさらした黒い髪、影のある美しさの顔の唇が艶っぽい笑みを浮かべた。

 宗司に電話を掛けていたのは夕緋であった。
 少し薄暗い部屋のおもむきのある和箪笥わだんすの上に設置された、これまたアンティークな黒電話の受話器を耳に当てて立っている。

 三月が神巫女町かみみこちょうに帰るのは知らなかった。
 そのはずなのに。
 夕緋はそれを知っていて、こうして宗司に電話を掛けてきたのである。

「ありがとう。こっちで私を助けてくれるのはもう宗司君だけね。いつも感謝しています。ごめんなさい、私のわがままに付き合わせた挙げ句、三月を裏切るような真似までさせて」

 電話の向こうからにはわからないが、軽く頭を下げて申し訳なさそうな声で夕緋は言った。

「いいんですよ、夕緋さん。三月には申し訳ないけど、夕緋さんとの約束のほうが優先です。僕の貴方への信仰は昔の通りですから」

 宗司は努めて明るい声で答える。
 今でも巫女派閥は夕緋派だと豪語する気持ちに嘘はない。
 その会話は、夕緋と宗司が秘密裏に交わしていた約束の結果だったのだ。

「うふふ、頼りにしてます。三月が神巫女町に帰ってきたのを教えてくれて、本当に助かったわ。三月、帰ってきたのを私に黙っててくれって言ったでしょ?」

「ええまぁ。ただ、僕も驚きました。以前、夕緋さんから聞いていた通りに三月が帰ってきて──」

「……」

 宗司の言葉を聞く夕緋の表情は複雑だった。

 夕緋には予感がしていた。
 三月がいつか、過去と向き合うために神巫女町へと帰るのではないか、と。
 放置してしまっている家のことを整理するのとは別の意味で、である。

 現地に残っていて、快く協力をしてくれる宗司はありがたい存在であった。
 もしもいつの日か、三月が帰ってきたのを見つけたら連絡して欲しい。
 密かにそう、言い含めていたのである。

 予感は的中した。
 三月が不審な物言いを始めたすぐそばから。

「ねえ、宗司君」

 少しトーンを落とした声で夕緋は問い掛ける。

 役目を果たしてくれた宗司にお礼を言う一方で、夕緋には気掛かりになっていることがあった。
 宗司の家で一泊したのなら、昔を語らう時間だって充分あっただろう。

 当時を知る者にしか知り得ない夕緋自身の不都合な事実。
 それを三月が見たり聞いたりしていないかどうかが心配である。

「念のために聞くけれど、余計なことは言ってないよね? 宗司君って堅物そうに見えて、意外にお喋りなところがあるから」

「えっ、余計なこと、ですか……?」

「そう、余計なことよ。三月の知らない私の話を、ついうっかりと喋っちゃったりしてないかなぁって」

「……」

 宗司が沈黙したことで夕緋の顔から笑みが消える。
 三月に宗司が話した何が「余計なこと」かはさておき、夕緋は小腹を立てた。

 だから、今までずっと黙っていた秘密を引き合いに出し、声だけで凄む。
 宗司は受話器を持ったまま、棒立ちで顔面蒼白となっていた。

「──私、知ってるよ。三月のお父さんが、愛人さんとの子供だって皆にばらしたの、宗司君でしょ。恭蔵きょうぞうおじいさまに聞いたんだよね」

「あっ?! い、いや、それはっ……」

「自分で喧嘩の理由をつくっておいて、自分で喧嘩を収めようとしただなんてね。とんだ自作自演。宗司君は悪い子だね」

「……ゆ、夕緋さん、そのことは三月には……」

 案の定、宗司はわかりやすく慌てふためいた。
 その狼狽振りを受話器越しに感じた夕緋は薄く微笑む。

「三月に知られたら困る? あの時の三月、信じられないくらい怒ってたからね」

「……」

 また沈黙した宗司の息づかいが震えているのがわかる。

 宗司は何を恐れたのだろう。
 三月を怒らせた原因が自分だと知られることだろうか。
 何でもお見通しな夕緋の底知れなさだろうか。

 それとも、他のもっと恐ろしい出来事を思い出してしまったからだろうか。
 ただ、緊張の糸はすぐに切れる。

「冗談よ、三月には言わないから安心して。それくらいあの時の宗司君が私の信者だったってことよね。子供ながらの可愛い焼き餅だと受け取っておくわ。あの話はそれでお終い」

 夕緋はくすくすと笑っていて、それ以上宗司を咎めようとはしなかった。
 何せ子供の頃の話なのだから、と大人の貫禄で話を水に流す。
 しっかりと、釘を刺し直すことも忘れずに。

「でも、誰にだって話されると困ることがあるの。宗司君にも、私にもね」

「は、はい……。肝に銘じます……」

「それじゃあね、宗司君。今回はどうもありがとう、また連絡するね」

「ゆ、夕緋さん、僕は……」

 宗司は何かを言おうとしていたが、ぶつん、と電話の切れる音が夕緋との繋がりを無情に断ち切った。
 ツー、ツー、とビジートーンの無機質な音を聞きながら、立ち尽くす宗司の肩は小刻みに震えていた。

「……ふぅ」

 通話を終え、夕緋は黒電話の受話器を置いた。
 暗然たる部屋で一人。
 息をつく表情は冷たく、瞳の光はどこか虚ろ。

 ただ、何か違和感があった。
 フックを戻した黒電話は、とっくの昔に役目を終えて壊れているとしか思えないほど古びて見える。

 蓄積された微電流が鳴らすチンというベル音も無い。
 事実、電話の元線のコードは途中で断線していてどことも繋がっていない。

 通話の出来ない電話で、夕緋は宗司と話をする。
 念じれば遠く離れていても会話ができるテレパシーの類いかもしれない。
 夕緋にとって、電話の所作は念話を行う際のイメージに過ぎないのだろう。

「……ウフフ、三月、私の三月」

 どこか夢見心地のとろんとした顔で、どこからか取り出した一枚の写真を見つめている。

 その口許はご満悦に緩んでいた。
 写真の被写体はもちろん三月だが、何か不自然なものを感じる。
 女神社に続く崩れかけた石段を上る途中、怯えた風におどおど後ろを振り返っている様子が写し出されていた。

 写真はつい昨日撮られたものだ。
 あの時あの場所に、三月の他には誰も居はしなかった。
 三月は誰かに見られている感覚を覚え、背筋を寒くしていたものである。

 そもそも撮影された角度がおかしい。
 写真は俯瞰的ふかんてきで、明らかに空から被写体を捉えている。

「怖がる姿も可愛いなぁ。食べちゃいたいくらい」

 情けない顔をする三月を見て、うっとり顔の夕緋は思わず舌なめずり。
 写真は夕緋が念写ねんしゃを行ったものだ。
 宗司からの報告を受け、神巫女町に訪れていた三月を発見し、その時見た光景を印画紙に念じて写したのである。

「うーん……」

 しばらく表情筋を弛緩させていた夕緋だったが、急に顔色を曇らせる。
 写真にはおかしなものが写り込んでいたから。
 念写された写真もおかしなものだが、あくまで夕緋にとっておかしく感じるものが写真に写っていた。

「三月の周りに光……。いいえ、霊魂かな……。それにこれは、刀……?」

 目をこらせば見えてくる。
 三月を取り巻く複数の発光体、腰の辺りには刀と思われる刃物の白い影。

「本当に何だろうこれ……。今までこんなのいてなかったのに、三月が女神様と結びついたことに何か関係あるのかしら……?」

 異世界渡りから帰ってきた三月から複数の何かの気配を感じた。
 一つは大地の女神たる日和のもので間違いない。

 他に感じたのは、獣みたいな匂い、炭が焼けるような匂い、森の木々の匂い。
 それらは三月に害をなすものではない。
 むしろ、護ってくれている良いものだ。

「三月にとって悪いものじゃないのはいいとして。私がそばに居たのに、いつの間にか忍び寄ってきていたということね。気にいらないわ、忌々しい……!」

 しかし、夕緋にすれば大きなお世話でしかない。
 幸福や安寧をもたらし、三月を護るのは自分の役目だと決めている。
 こっそりと近付いてきた得体の知れないものにひどく腹を立てていた。

 三月の写真を指でぴっとはじく。
 すると、写真は独りでにひらひらと飛んでいって部屋の壁に張り付いた。

 その壁には他にも写真が貼り付けられていた。
 壁一面にびっしりと、無数に。

 写っているのはすべて三月だ。
 様々な場面の一幕が切り取られている。
 仕事への出勤風景、部屋でくつろいでいる様子、入浴中のもの、熟睡する寝顔のものまで、カメラ目線の写真は一枚も無く、全部が念写された写真であった。

 当然、三月との合意のうえで撮影した訳ではなく、その行為は悪質で執拗しつような盗撮と言っても差し支えないかもしれない。

「三月の写真、まーた増ーえたっ」

 但し、壁の写真を見渡す夕緋は満ち足りた笑顔を浮かべていた。
 とても綺麗な笑顔だ。
 やましいと思う気持ちなど一片も無い。

「でも、どうして? 日和様はお眠りについているはず。なのにどうして三月から日和様を感じるの?」

 また難しい顔に戻った夕緋は、唇に人差し指を当てて呟く。
 感じている疑問は三月の深奥から感じる女神の気配について。
 夜宵ではなく、今は静かに眠っている日和の気配である。

「そもそも三月が日和様と繋がれたこと自体がおかしなことだった。私の知らないところで日和様は復活を遂げられているというの?」

 故あって活動を休止している女神と契約を結ぶなどできるのだろうか。
 三月は日和と繋がり合い、女神の試練を受けている真っ最中だ。

 試練を乗り越えた結果に待っているのは願いの成就である。
 夕緋は三月が何を願っているのかを知らないし、ましてやタイムリープで過去の日和のために天神回戦を戦っているなど知る由もなかった。

 三月は二巡目の異世界渡りを終えたが、夕緋が認識している事実はまだ少ない。
 わからないことがわだかまり、胸騒ぎが収まらない。
 たまらず夕緋は顔を上げ、背後の何も無い空間に向かって声を投げ掛けた。

「ねえ、これはいったいどういうことなの? ──八咫やた!」

 夕緋はその名を呼んだ。
 忌むべき悪神の名を。

 しばしの沈黙の後──。
 変色した畳の床を通り抜け、陰鬱な男の顔がぬうっと生えてきた。
 そのままゆっくりと全身が現れ、陽炎かげろうのようにぼんやりと立ち上がる。

「……くっくっく、お前が狼狽えるなど稀事だな、夕緋」

 聞くだけで身の毛がよだつ悪声で男は言った。
 言葉を発するだけで部屋は冷え、温度が幾分にも下がって感じた。

 長い前髪で目は隠れがちで、ひょろりと痩せた長身はまるで幽霊みたいだ。
 着流しの黒い生地の着物には、白い蜘蛛の巣の模様がそこかしこにある。

 蜘蛛の禍津日まがつひノ神、八咫であった。
 夕緋は八咫を呼び出し、一切動じた様子を見せず簡潔に疑問だけを述べた。

「いいから答えて。日和様は復活しているの?」

「──いや、日和の気配は感じない。復活していればおれにはわかる。神の眠りは永い。少なくとも夕緋の寿命が尽きる程度の年月の間に、日和が復活を遂げることはなかろう」

 対して八咫は、辺りを窺うように左右に目をやってから答えた。
 日和は敗北の眠りについている。

 それは間違いないと八咫は断じた。
 ならば夕緋の疑問は振り出しに戻る。

「そう、わかった。もういいわ、引っ込んでて」

「くくく、つれないことを言うな。おれとお前の仲ではないか」

 思ったのと違う回答が返ってきて、安堵か落胆か、夕緋の態度は素っ気ない。
 八咫から視線を外し、部屋の障子戸を開けると廊下へと出て行く。
 せっかく呼ばれたついでにと言うばかりに、八咫は笑みながら後を付いていく。

「付いてこないでよ、鬱陶しいわね」

 後ろにぴたりと歩調を合わせてくる八咫に夕緋は悪態をついた。
 邪険にされても、八咫は冷笑するだけでどこ吹く風の様子である。
 あまり二人の間柄はよろしくないようだ。

 古びて傷んだ廊下を歩くと、一歩ごとにぎしっぎしっと床が軋む。
 進む先に玄関があり、外の光が暗い家屋内に差し込んでいる。
 夕緋は玄関の式台しきだいに腰掛け、土間どまに揃えてある冬物のブーツを履いた。

 横開きの引き戸のガラスはあちこち割れていて、吹き込む隙間風が屈んだ夕緋の前髪を揺らしていた。
 がたがたっ、とすっかり立て付けの悪くなった玄関扉を開け、朝日の眩しい外へと足を踏み出す。
 そうして、朝のひんやりとした空気を口からゆっくり吸い込んだ。

「……あぁもう、口の中がひりひりする。女の顔を何だと思っているのかしら」

 べっと赤い舌を出すと、継続的な痛みが粘膜を刺激している。
 しかめっ面で舌を引っ込め、朝の空気で深呼吸をゆっくりと繰り返した。
 夕緋がたった今出てきた家屋、その場所は。

 何とそこは神巫女町の夕緋の実家、神水流かみづるの家であった。
 小高い山の立地から見渡せる景色は、荒廃した無音の廃墟の町。
 誰も残っていないと思われたゴーストタウンに、夕緋はたった一人住んでいた。

 さっきまで夕緋が居たのは幼少時から使っている自室で、ぼろくなってはいるが寝泊まりをする程度には事欠かないようである。
 日差しに眩しげに目を細め、夕緋はけだるそうに口を開く。

「殴ったり蹴ったり、変なビームまで撃ってきて、挙げ句の果てに自爆なんていう野蛮な手段に出るとは思いもしなかったわ。痕が残ったらどうしてくれるのよ」

 頬に手をやり、何かを思い出しては文句を垂れた。
 とは言うものの、幸いと夕緋の綺麗な顔に傷は一つも付いていない。

「はぁーあ、何でもかんでも飲み込もうとするのも考えものね」

 もう一度大きく、ため息みたいな息を吐き出した。
 噛み砕き、飲み下し、体内で浄化して消滅させる。
 その手順は夕緋の得意とする、邪をはらう除霊方法であった。

 但し、彼女はいったい何についての言及をしているのだろうか。
 まるで、「あの場」に居た者しか知り得ないことを我が事のように語っている。
 夕緋の次の言葉で、それは確たる事実となった。

「あの二人の巫女、いったい何者なの? 耳が長かったから、フィニスに何か関係あるのかしら? 三月と何か話していたようだけどよく聞き取れなかったな……。世界を救えだとか、希望の未来をどうとか……。意味はわからなかったけど、三月を私たちから逃がそうとしていたのだけは確かね」

 夕緋が語るのは迷宮の異世界からの使者、二人のエルフのことであった。
 そして、そのエルフたち、アイアノアとエルトゥリンが三月と密かに会っていたのを知っていた。
 さらに、神巫女町から脱出を図る三月への追撃に、自分の関与をほのめかす。

 先ほどの文句は間違いなく、エルトゥリンと黒龍が繰り広げた激闘時のものだ。
 多少なりとも龍が受けたダメージを、何故だか夕緋が共有している。
 しかし、夕緋が本当に心配しているのはそんなちっぽけな傷のことではない。

「まさか、三月に言い寄ろうとしてたんじゃないでしょうね。三月は私のものよ。他のどの女にも渡しはしないんだから。今度会ったらただじゃおかないわ。もっと酷い目に遭わせてやろう。三月につく悪い虫は全部すり潰しておかなくちゃ」

 アイアノアとエルトゥリンが見目美しい女性だったのが最大の問題だ。
 二人のエルフがどこの誰だろうがそれほど興味はない。

 しかし、大事な三月に色目を使うようであれば話は別である。
 逢い引きでもしていたら、と思うと気が気ではない。

 嗚呼ああ、忌々しい忌々しいと──。
 夕緋は顔を振って恨み言を撒き散らした。

 夕緋はあの場に居たのである。
 姿は現さず、クレーター湖で邂逅かいこうを果たす三月たちへ迅速な横槍を入れた。
 突然の襲撃者、黒龍の意識を通してすべてを感じ取っていたのだ。

「うぅぅ……。三月も三月よ。私というものがありながら、黙って他の女と会ってたなんて……! 帰ったらお説教よっ、もうっ!」

 頭から角でも生やす勢いで、夕緋はぷりぷりと怒っていた。
 超常現象慣れしているためか、三月が湖に沈まず立っていられた不思議には気が留まらなかったようだ。
 夕緋にとってそれは大した問題ではないらしい。

 三月が自分以外の女性と会っていた。
 それだけが唯一無二の大問題であったのだ。

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