上 下
182 / 232
第5章 神々の異世界 ~天神回戦 其の弐~

第182話 創造の神、日和2

しおりを挟む
「すぅぅぅぅぅぅぅっ……!」

 大気全てを取り込む勢いで大きく息を吸っていく。
 日和は瞳を閉じ、両手を合わせて精神を統一する。
 その背後に揺らめく輝きは徐々に形を取っていった。

 それは、金色に光る龍であった。
 日和の合掌した身体からオーラの龍が立ち上がり、周囲の木々よりも高く鎌首かまくびをもたげて、消えゆく運命のまみおを見下ろしている。
 その大きなあぎとからは、同じく金色の火の吐息がめらめらと漏れていた。

 日和はかっと目を見開く。
 そして、叫んだ。

神霊術しんれいじゅつ万物創造ばんぶつそうぞう! 大地よ龍脈よ母なる星よ! 我が神名しんめいもって願い奉る! かそけき哀れな神の御霊みたまを今一度創り出し、あらたかに蘇らせ給えっ!」

 日和を中心にすべてを吹き飛ばすほどの大風おおかぜが発生し、木々が激しくざわついた。
 それどころか山自体が揺れ、鳴動している。

「はあああああああああああああああああああああああああァァァァァッ……!!」

 気合いが込められた日和の叫びが響き渡った。
 金色の龍は牙だらけの大口を開くと、たてがみをざわつかせながら光の大炎を、凄まじい気勢をもって吐き出した。

 ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉッ……!

 大地の氣による命脈めいみゃく息吹いぶきが、本物の山火事さながらに辺りを火の海にする。
 炎はお地蔵様の祠ごと、動かないまみおをまともに包み込んでいた。

「……あっ、あちっ……!? ぎょっ、ぎょえええええええええええぇぇーっ!! あっちゃあああああぁぁぁーッ!?」

 瞬く間に炎に飲まれ、全身が火だるまになったまみおが飛び上がった。
 事切れる寸前だったのに、息を吹き返して必死で元気な悲鳴をあげた。
 灼熱の熱さがたぎり、身体の隅々にまで神通力が復活している。

「ぎゃあぁー、疲れたぁーっ! もう駄目じゃぁぁーっ!」

 日和も同じく絶叫していた。

 創造の秘法を顕現させ、尋常ならざる神通力を放出してしまい、日和は身体の穴という穴から蒸気の如くの気体を吹き出して後ろ向きにぶっ倒れた。

 揺らめくオーラの金色の龍は、白い気流に散らされて消えてしまう。
 使った力の代償がすぐに日和の肉体に現れる。

「あぁ、力が抜けるぅ……。これは絶対にまた順位が下がったじゃろうなぁ……。この惨めな姿に逆戻りじゃ……。とほほ……」

 天を仰いでうるうると涙ぐむ。
 せっかく取り戻した美しい女神の姿は失われ、日和は再びちんちくりんの幼い姿へと縮んでしまったのであった。

 限界まで神通力を絞り出した結果、身体が小さくなっただけでなく、実際に順列が準末席から末席に転落したのは言うまでもない。
 日和がひっくり返ったのと同時に、金色の炎の山火事は嘘だったみたいに消えて辺りには山の静けさが戻る。

「げほっ、げほっ……! な、なんだ、何が起きたんだ? おいらはいったい?」

 ぶすぶすと脳天から焦げた煙を立ち上らせ、むくりと起き上がるまみお。
 何が起きたかもわからず、焦げ臭い匂いにひたすら咳き込んでいる。

「おぉ……! 流石でございます! それでこそ、創造の女神の日和様……!」

 その奇跡の様子を目の当たりにし、冥子は感嘆の声を漏らした。
 まみおが無事に息を吹き返し、胸を撫で下ろして見えたのは冥子の素直な気持ちの現れに違いない。
 神の命を奪うなど、みづきでなくとも冥子だってしたくない。

「無事かっ、まみおっ!?」

「うひぃっ!? ……なんだ、みづきか。何をそんなに血相変えてんだよ?」

 身体を起こすと目の前に必死なみづきが迫っていたので、まみおは気絶しそうなほど驚いた。
 その後のみづきの言葉や態度にも大層驚いていた。

「まみおー、良かったなぁ、無事に助かって……! 俺はもう駄目かと……」

「みづき……? そ、そっか、おいら、多々良様んとこの鬼に負けて……」

「日和が創造の術を使って、まみおの神格を元に戻してくれたんだよっ」

「日和様が……? おいらを……?!」

 記憶が混濁するまみおが何があったかを思い出そうとしていると、傍らに座り込んで喜んでいたみづきは急に怒りだす。
 胸ぐらを掴むみたいに、まみおが首から下げた赤布を乱暴に引き寄せた。

「馬鹿野郎っ! まみおがやられちまったら、まみおの守る里のことはどうするんだよ!? お小夜ちゃんたちが祀ってくれてた土地を見捨てるなっ! 第一、俺に勝てないのに、遙か格上の多々良さんのとこなんかに勝てる訳ないだろうがっ!」

 何を言われたのかわからず、まみおはつぶらな瞳でぽかんとしていた。
 みづきがやけに怒り散らしていて、それが何事かわかるまで少し掛かった。

「……みづき、おめえ、何でおいらの里やお小夜のことを……? いやっ、そんなことはいいっ! おいらにだって意地があるんだ! これ以上、天神回戦で負ける無様をお師匠様や村のみんなにさらせるもんかよ!」

 掴まれた胸ぐらのみづきの手を振り払い、怒りの唸り声をウゥーッとあげる。
 みづきは威嚇のまみおに構わず言った。

「ヤケになって簡単に投げ出すんじゃねえっ! 本当に守りたいものが大事なら、てめえの意地なんてどうだっていいだろうがっ! 日和なんてな、俺を身代わりにする卑怯をやってでも必死に生き残ろうとしたんだぞっ! 余裕もねえのになりふり構って、格好付けてんじゃねえよ!」

「……もう、それを言うでない……」

 仰向けに寝転んだまま、それを聞く日和のため息はみづきたちには聞こえない。
 ただ、シキを犠牲にするなど、神にあるまじき蛮行ばんこうはまみおにはショックだったようである。
 疑うことなくそれを信じ、狡猾な日和にまみおは戦慄した。

「うへぇ、本気かよ日和様……!? そこまでしなくちゃなんねえのか……!?」

 一瞬、日和の恐ろしさに我を忘れたが、まみおは首をぶんぶんと振った。

「うるせえうるせえ、そうじゃねえんだ! おいらは自棄になってなんかねえ! 負けっぱなしは嫌だったんだよ! 多々良様んとことの試合はそのためだ。みづきよりも強くてうんと高い順位の神に勝てば、おいらのほうが凄いってなるだろ! そう思ったんだよ……!」

「馬鹿野郎! そんなに試合がしたきゃ、俺が何度だってやってやる!」

 まみおなりの意地にみづきは真っ向ぶつかる。
 顔を間近に近づけ叫んだ。

「俺だってまだまだこれからなんだ。とてもじゃないが上の順位の奴らには勝てる見込みがない。だけど、今は弱くたって、俺もまみおも弱い者同士ぶつかり合って強くなっていけるはずだっ! だからっ、諦めずに頑張ろうぜっ!」

「……みづき、おめえ何なんだよ? おいらみたいな狸の神に何でそんなにムキになってんだ? みづきがおいらに入れ込む理由がわからねえよ……」

 シキではなく、人でもないまみおにはみづきの思いはわからなかった。
 但し、それらのことは関係なく、みづき特有の事情がものを言わせていた。

「俺はまみおとの試合のお陰で強くなれたんだ。だから、まみおは俺の師匠みたいなもんなのさ。俺が勝手に気に掛けてるだけだから気にするなよ」

「なんだよ、それ……。わけわかんねえ……」

 まみおのもたらした変化術が、地平の加護に著しい変化を与えた。
 みづきの力は飛躍的に強くなり、それはそのまま朝陽を救う物語の助けになる。

 知られざる胸の内にまみおは困惑するばかり。
 しかし、みづきにとって、それはまみおを助ける理由とするには十分であった。

「日和様をこき使ってまで、おいらみてえなどうしようもねえ神を救ってよ……。哀れにでも感じたってのかよ……? へんっ、礼なんて言わねえからなっ!」

「俺は何もしてない。礼を言うなら日和にだ。哀れに感じたんでも何でもいい。命が助かったんだからもういいじゃないか。まみおだって、あのまま滅ぶ訳にはいかなかっただろう?」

「……そうだけどよぉ」

 むくれた顔のまみおは、すぐ後ろのお地蔵様の顔をちらりと見た。
 さっきまで悲しそうに歪めていた顔は、今はもう慈愛の笑顔に戻っていた。

 あの時にお地蔵様に言われた言葉を思い出す。
 まみおの半身たる石仏は、同じ声色で福音ふくいんえんを予言していた。

『日和様とそのシキ、みづきとの縁を大事になさい。此度こたびの出会いは、人の子らと山の子らにきっと幸福をもたらしてくれるでしょう。そしてまみお、貴方にも』

 自ら蒔いた種が災いして、危うく多々良に討滅され掛けた。
 但し、みづきと日和と関わったために命を拾うことができた。

 多々良でなくとも、他の強大な神と戦わなければならなくなるのは時間の問題だったろう。
 そう思うのならば、今回は幸運だったと言えるかもしれない。

 そもそも、無二の創造神たる日和の加護を授かり、復活できたなど最上の僥倖ぎょうこうであったと言わざるを得ない。
 みづきに感化されたがゆえの稀事まれごとである。

 まみおは困惑した。
 無い頭ではよく思考が働かない。

「ああもういいっ! おいら、頭が良くねえんだっ! あんまり小難しいこと考えさせんなってんだよっ! ……お前らっ、おいらの世界からさっさと出て行けっ!」

 癇癪かんしゃくを起こした風にいきり立つと、どろんと煙をあげてまみおは姿を消した。
 それと同時に、みづきたちを取り巻いていた夕焼けの峠道の世界も、白い煙幕をおびただしく巻き上げながら消えていくのであった。

「まみお……! ここは……?」

「追い出されちゃったみたいねえ、私たち」

 目を丸くするみづきの隣、冥子も苦笑しながら言った。

 そこは暗い夜の竹藪の中だった。生き物の気配はなく、風にざわめく笹葉の音が辺りを静まり返らせていた。
 どうやらここはまみおの世界の中でも、自在に空間を隔絶させられる特殊な領域ということらしい。
 だから、もうまみおとお地蔵様の姿はどこにもない。

「ほれみたことかなのじゃ。わかったろう、みづき。神に同情なぞ無用なのじゃ」

 肩で息をしながら、倒れていた日和はようやく起き上がっていた。

 またしても小さい身体に萎んでしまい、矮小な女神へと逆戻りである。
 日和の嫌味に微苦笑するみづきは、いなくなったまみおを気にすることなく大声を張り上げた。
 周りを見渡しながら、声高らかに呼びかける。

「まみおーっ! また俺と試合やろうなーっ!」

 そして、次に自分が何を成すのかを宣言するように続けて叫んだ。

「そんで、まみおの仇はきっと俺が取ってやるからなーっ! 約束だーっ!」

 そうして声を収めた後、並び立つ巨躯の鬼と目線を交わした。
 お互いに不敵に笑い合う。

「……ふふっ、みづき。それ、私が居る前で言う台詞かしら?」

「話が早くていいだろ。冥子だって俺と試合したがってたじゃないか」

 にやりと、好戦的に笑い返す冥子は心底嬉しそうだ。
 とうとう相棒の馬頭鬼、牢太を負かしたみづきと相まみえる機会が巡ってきそうである。
 多々良の意思はともかくとして、冥子は個人的にみづきの操る太極天の力に興味があった。
 と、私情に浮かれる気持ちはさておき。

「それはいいとして、日和様にみづき」

 打って変わり、その逞しい美形の顔が厳しい色を浮かべる。

「多々良様の御意志に横槍を入れて、我ら陣営の妨げとなったこの落とし前、どうつけてくれるのかしら? まさか、このままで済ますつもりじゃないわよね?」

 冥子に与えられた使命は、潰えるまみおの魂を連れて行くことだった。
 自分で助け船を出した手前だが、実質の邪魔立てをしたのはみづきと日和なのだから、その勝手な振る舞いの責任の是非を問わねばならない、という訳だ。

「悪かったよ。詫びが必要なら俺から謝りに行く。──日和、行こう」

「えっ! えぇ、私も……?」

 言われるのが本気で予想外だったらしく、日和は驚いて嫌そうな顔をした。
 冥子はため息交じりに笑う。

「日和様がまみお様をお救いになられたのでしょう? ならば、日和様から直々に多々良様へと申し開きをするのが筋かと思います。いくらみづきの願いを聞き届けたからといえ、よもやご自分は無関係の立場で、私やみづきのシキだけで話を付けよと申されるのですか?」

 半ば呆れた風の冥子だったが、それも日和の性格をわかったうえである。
 多少の非礼な物言いだろうと、この女神は気を悪くすることはない。
 心より願えばまみおの魂を救ってくれるほどに慈悲深い。
 夜宵が相手ではこうはいかないだろう。

「そっ、そんなことはないのじゃっ! 私がすすんでやったことじゃぞっ!」

 案の定、慌てた様子で取り繕おうとする日和には失笑を禁じ得ない。
 がっくりと肩を落とした情けない格好をして、日和は重い重いため息をつくのであった。

「はあーぁ……。行けばいいんじゃろう、行けばぁ……? 多々良殿にこっぴどく怒られりゃせんかのう……。とほほ、とほほ……」

 親しみやすい創造の女神にして、日の明るきを司る陽の神、日和。
 主たる多々良が長年の知己ちきだと言うだけのことはある。

 そして、今は隣に寄り添う面白いシキが居る。

「すまん、日和! 巻き添えを食わせちまって本当に申し訳ないが、もうちょっと俺に付き合ってくれ! 俺だけじゃどうにもならんのだ!」

「あー……。もう、わかっておるのじゃ、みなまで言うでない。みづきの我がまま、もとい、願いはとことんまで叶えてやろうなのじゃー」

 拝むみづきに、やけくそに答える日和。

「ウフフッ……」

 冥子は二人の掛け合いを好ましく思う。
 玉砂利たまじゃりのシキとやらのみづき。

 こんなシキは見たことがない。
 多々良が興味を持ったとは聞いていたが、確かにおかしなシキで納得した。
 そのみづきが冥子に振り向く。

「冥子、ちょっといいか? 大体、天眼多々良様はいったい何が目的なんだよ? 弱った神様にとどめを刺して回ってるそうじゃないか」

「──多々良様には多々良様のお考えがあるのよ。それを私の口から語るのは大変におこがましいことよ」

 懐疑的なみづきの顔を見て、冥子は念を押して言った。
 この二人には、多々良のことを悪く誤解して欲しくはないと思った。

「だけどね、みづきが思っているような卑劣なことだけは絶対にお考えではない。それだけは間違いないわ」

 冥子の言葉に表情を変えないみづきは、ふぅむと唸る。
 みづきとて、多々良の弱い者虐めは可能性の一つとして考えているに過ぎない。
 弱った神の討滅後の世話を考えると、目的は別の所にありそうだ。

「直接、聞いたほうが早そうだな。詫びを入れに行く、いいついでだ」

無礼千万ぶれいせんばんに殴り込まれても困るわ。私が案内してあげるから着いてきなさいな。くれぐれもおとなしくするのよ」

 冥子は大きな身をひるがえし、夜の竹藪の向こう側にある瞬転の鳥居へ向かう。
 みづきは拳で手を打って気合いを入れ、日和は気が重くうなだれて。
 まみおの領域を後にし、次に向かうのは天眼多々良の社である。

 これまでは観覧の客席を同じくするだけの仲だった。
 今から出向く先でやるのは、直接的な対峙だ。

 八百万順列第二位の高位な神と、各々の陣営の立場で話をする。
 一悶着が無い訳がなく、みづきは武者震いに身体を震わせた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

借金まみれの貴族ですが魔物を使ってチート内政します!

クロン
ファンタジー
俺は異世界のとある男爵家に転生した。 せっかく裕福な貴族に生まれたのだが、不運なことで超貧乏になってしまう。 しかも謀反を起こされて、住んでいた都市からも追い出される始末。 だがここでくじけてなるものか! 我が家に伝わる『魔物召喚』で魔物を使って領地を発展させるのだ! ペガサスを使っての行商で、遠い地から珍しい品を仕入れて商売! レイスによる寝ずの番! 諜報員サキュバス! だがこの魔法には致命的な欠陥があり……。 「えっ。呼んだ魔物は一生面倒を見ないとダメなの!?」 『無論だ! さもなくば我らが貴様をくびり殺す! 馬小屋が狭い! 草がマズイ!』 呼んだ魔物はそれぞれ好きな物を要求してくる! ゴーレムは岩、レイスは人体、デュラハンは鎧……。 魔物様の気を悪くしてはいけない! 媚びへつらいつつ、領地を安定させるのだ!

気がついたら記憶を失くして異世界っぽいところにいた ~記憶を取り戻すため、やっぱり記憶がない仲間たちと共に未知なる世界を巡ります~

kisaragi
ファンタジー
 記憶喪失の町。  その名が示すとおり、この町の住民には例外なく記憶がない。それは町最強のパーティである、ヒョーマ、アカリ、シン、リンの四人も同様である。  同じパーティを組み、同じ家に住み、そうして同じように記憶がない彼らは共通するとある思いを持っていた。  失った記憶を取り戻したい。  おそらくはこの町に住む全ての人間が抱いているであろう、シンプルなそれである。  自分たちは何者なのか、なぜ記憶がないのか――。  それらの答えを求めて、彼らは未知なる外の世界へと一歩を踏み出す。  長く険しい(?)旅路の果て、全ての謎が白日のもとにさらされたとき、物語の根底は崩れる……。

『ヒヨコの加護』をもらい『焼き鳥』になるか、ならないか。石と己を磨いてスローライフ。

コヨコヨ
ファンタジー
 下級貴族の青年、ニクスは成人になっても社会が怖いと言って騎士にならず家の中で石と剣の腕をずっと磨き続けていた。  ある日、父親に未開拓の土地へと送ると言われ、開拓して来いと命令される。  ニクスは無理だというも、騎士として働くか比較的自由な未開拓の土地に向うか選ばなければならなかった。どうしても働きたくなかったニクスは泣く泣く家を出る。  実家から遥か遠くの土地へと脚を運んだニクスは自由な生活を送るため、奮闘していた。  事が順調に運んでいるはずだったのだが……。

【完結】スキルが美味しいって知らなかったよ⁈

テルボン
ファンタジー
高校二年生にもかかわらず、見た目は小学生にも見える小柄な体格で、いつものようにクラスメイトに虐められてロッカーに閉じ込められた倉戸 新矢(くらと あらや)。身動きが取れない間に、突然の閃光と地震が教室を襲う。 気を失っていたらしく、しばらくして目覚めてみるとそこは異世界だった。 異色な職種、他人からスキルを習得できるという暴食王の職種を活かして、未知の異世界を仲間達と旅をする。

F級テイマーは数の暴力で世界を裏から支配する

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ある日、信号待ちをしていた俺は車にひかれて死んでしまった。 そして、気が付けば異世界で、貴族家の長男に転生していたのだ! 夢にまで見た異世界に胸が躍る――が、5歳の時に受けた”テイム”の祝福が、最低位のF級!? 一縷の望みで測った魔力容量と魔力回路強度も平凡だって!? 勘当されたら、その先どうやって生きてけばいいんだー! と、思っていたのだが…… 「あれ? 俺の”テイム”何かおかしくね?」 ちょくちょくチートな部分があったことで、俺は”強く”なっていくのであった

グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~

愛山雄町
ファンタジー
 エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。  彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。  彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。  しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。  そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。  しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。  更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。  彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。  マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。  彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。 ■■■  あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。 ■■■  小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

udonlevel2
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

【完結】天候を操れる程度の能力を持った俺は、国を富ませる事が最優先!~何もかもゼロスタートでも挫けずめげず富ませます!!~

udonlevel2
ファンタジー
幼い頃から心臓の悪かった中村キョウスケは、親から「無駄金使い」とののしられながら病院生活を送っていた。 それでも勉強は好きで本を読んだりニュースを見たりするのも好きな勤勉家でもあった。 唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。 だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。 ――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。 しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。 自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。 飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。 その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載中です。 無断朗読・無断使用・無断転載禁止。

処理中です...