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六話目:ゲーム世界

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この世界はエターナル・エッグと呼ばれる世界。
友則の前に来た彼女に言われれば最新育成システムとNTRルートを携えた乙女ゲームらしい。彼女のいた世界で昔はやったたま○っちのように攻略対象を育成し立派なイケメン男子に育てる乙女ゲームらしいが彼らには軒並み婚約者がいて、育成失敗や放置をするとその婚約者に浮気をしたりNTRをされてヒロインを捨てて婚約者とゴールインするバットエンドを向かえる新しい選択肢を選ぶ新型のスマホ、PC両対応の乙女ゲームらしい。
乙女ゲームなのに浮気とか二股とかエグイと思うのだが、浮気がはやりだったらしく
努力しないと奪われる。というのが一部の乙女ゲーになれたお嬢様方に受けたらしい。
男に強引に迫られるだけじゃない。競走馬のようにライバルとしのぎを削り
男を誘惑し略奪、騙し手懐けて勝ち取るのが肉食系と呼ばれる現代の強くなった女性には快感だとはゲームの上級やり込みのコアプレイヤーだったと言うこの世界に舞い降りた巫女談である。

神によって使わされる聖なる巫女の生まれる神聖な世界と思われがちな異世界だが
そこでも俗物なものも存在しているらしい。


そんな世界で自分をヒロインでチートだと暴れまわったヒロイン。長谷川マリは
彼女から言わせれば悪役令嬢Aこと元公爵令嬢メイリーンからすると
悪夢のような存在だった。

彼女が天から降って巫女として現れるまでのメイリーンの生活は王族の末席と言えど
公爵家の姫として蝶よ花よの穏やかな世界だった。
父は現王とは兄弟。前宰相の家に婿入りしたマスオさんだったが、母とは又従兄弟で
兄弟のように育ち仲がよかった。
そんな公爵家は王家とも仲がよく、第二王子とのメイリーンの幼少での婚約も
誰の反対もない国を挙げて歓迎されるものだったのである。


何もかも順風満帆で、才能にも容姿にも恵まれていたメイリーンに落ちる影などない。公爵令嬢のメイリーンには輝かしい未来へと続く確かなレールが引かれていた。それに間違いなどないはずだった。

それが狂ったのが、メイリーンが通う王侯貴族が通う学校に異世界からの少女
後のお騒がせ巫女が転入してからである。


「メイリーン様。…騎士団長が参られました」
「…部屋に通して」


回想に耽っていた彼女が召使の声で現実世界に意識を戻した。

(あの日から私はただのメイリーンから悪役令嬢って名前に変わったのかしら?)

皮肉めいた笑みが今はこの国の実質の最高権力者となった彼女の口元に浮かんだ。


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