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52.キャットファイト2
しおりを挟む「お久しぶりですね、セイレクさん。何か飲まれますか?」
ただでさえ面倒くさい現場に居合わせているのに、さらに面倒な客の来店にナナミの笑顔は引きつっていた。しかし対お客様用の作り笑いを務め、今日も今日とて地味な格好で偽っている“クソ猫かぶりさん”に注文を尋ねた。
彼がごほん、と一つ咳払いをしてじゃあ、と口を開く。
「お前の汗一番搾り。精液ブレンドでよろしく」
こ、このダイレクトなセクハラをやめてほしい・・・・・・。ナナミの心の叫びだった。
この人、恥臭フェチというキャラ設定じゃなくて、言葉責めもいけるよ。『carrot & stick』でもやっていけるんじゃね?ドSキャストNo.1になったりして・・・などと、実はこの国の王を相手にそんなことを考えていた。
「俺がいない間、ちゃんと自慰我慢してた?」
「そんな約束してないんですけど」
「ああ、確認できないなんて今日はハズレ日だな・・・残念だ」
「話、聞いてます?」
ナナミの言葉を完全無視で喋り出すぱっと見地味男に、隣に座るサーヴァルがようやく彼の存在を認識する。
「ちょっと、僕たちのナナにセクハラしないでくれる?」
「あ゛ぁ゛?」
ギラリと睨んで牽制するサーヴァルに、柄の悪さが滲み出ているセイレクの返し。その眼力の強さに相手が誰かわかったサーヴァルは、さらに顔を歪ませた。目の前でシェイカーを振るナナミは内心でヒェェと叫ぶ。ここでもキャットファイトが勃発したのである。またしても、カーンッとゴングが鳴ったような気がした。
「僕ナナの手作り料理食べたことあるしっ」
「なっ、俺ナナミに靴脱がせてもらったことあるしっ」
何だとっ、何だとっ!と謎なマウントの取り合いが始まる。ナナミはそれを聞かないフリをして、セイレクが大体いつも飲んでいるドリンクをグラスに注ぐと、彼の前に静かに差し出した。
一先ず黙ってそれに口をつけるセイレクに、ナナミはグラス磨きに取り掛かる。おそらくしばらくは注文が来ないだろう。カウンター客以外の注文はユキなどに任せてあるので、忙しいようなら自分もそちらを手伝うことを理由にこの場からフェードアウトしたいとも思った。
「ナナミの好物知ってるし!」
「ナナの好きな体位知ってるし!」
「それはアンタが好きなだけだろ!?」
「違うもんっ!」
「俺ナナミの××飲んだことあるし」
「そんなの僕たちだって舐めたことあるよ」
パキパキ、と知らぬうちに力が籠っていた手によってグラスが悲鳴を上げた。なんちゅう話をしておるのだ・・・。ナナミは内心でそうツッコミながら、手汗で滑りそうになるグラスを必死に掴んでいた。好物やら苦手な物やらの話だったはずだ。なのに、いつの間にか話が下の方に流れ始めたのである。
マーヴルとスルギの言い合いにサーヴァルも参戦しだした時、セイレクが突然衝撃的な発言をかました。
「俺、ナナミのパンツ持ってる」
パリンッ!
その直後、ガラスの割れる高い音がその場に響いた。やってしまった!!とナナミは真っ青になる。セイレクの発言に、思わず手に持っていたグラスを落として割ってしまったのだ。
恐る恐る下に目を落とすと、粉々に散った破片が照明に照らされキラキラと輝いている。
「「「ちょっとそれどういうこと(だよ)!!?」」」
セイレクの言葉に反応を返す三人がハモる。
「しかもナナミの精液付き」
「「「はぁ!!!?」」」
ごんっ。砕け散ったガラスの破片を掃除しようと慌てて動いたせいで、足を角にぶつけてしまった。靴越しだったが小指を強かに打ったため、痛い。静かに痛みに悶えるナナミが視界に入っているのか入っていないのか、しゃがみ込むナナミの頭上で会話は続く。
「ど、どーやって入手したの?」
「金だ金」
「くっ・・・金か!!」
しれっと答えるセイレクにスルギは悔しがり、彼の正体を知る兄弟は心の中で『国庫を使ってるんじゃないだろうな?』と訝しんだ。
「何に使ってるの?鑑賞用?」
「オカズだよ、オカズ。嗅ぐに決まってんだろ?マジで最高だぜ、ナナミの恥ずかしい匂い」
「っっ!!?」
態とナナミの羞恥を掻き立てるような言葉を選ぶセイレク。ナナミは耳まで熱くしながら、破片拾いに集中した。
「でもっ、時間が経ったら匂いが薄れちゃうんじゃないの?」
マーヴルの純粋な疑問に、セイレクが得意げにフッと笑う。
「ご心配なく!ちゃんと特別仕様のケースに入れて保管してるからな」
そんなところに金を使うな!と叫んでしまいそうになってしまう。
「いいな~・・・。ねぇナナ、僕にもナナのパンツ、頂戴!」
「はぁ?――ッテ!!」
サーヴァルの要求に驚いて頭を上げようとしたところ、再び上の棚に頭をぶつけて鈍い音を立てた。先ほど打ったところとは別の場所で、こちらはこちらで痛い。もう踏んだり蹴ったりだった。
「ねぇ、ダメ?」
「だったら俺も!俺もナナミの欲しい!!金なら貯金分から出せば――」
「ダメ!!」
スルギも身を乗り出してきたが、ナナミは三人に向かってキッパリと言い切った。ダメなものはダメで、嫌なものは嫌なのだ。
「「えぇーー!!なんで!?こいつだけズルい!!」」
「っそうだそうだっ!!」
『こいつってなぁ・・・・・・』と横でセイレクが睨むのもお構いなしに、ナナミに言い募る三人。バンッ!と大きな音を立ててカウンターに手を付いたナナミに、彼らは一瞬で黙った。
「いいか?三人には、この人みたいな変態にはなってほしくないんだ」
珍しい、ナナミからの上目遣いでの懇願。請うようなその表情に、内容を理解するより早く頷きそうになってしまう三人。
これはナナミの、切なる願いであった。本心からの、懇願だ。自分の客がどんどんセイレクみたいなド変態になってしまったら、仕事から逃げ出したくなってしまうだろう。精神が崩壊しそうだ。
「だから、お願い」
「「「ウ゛ッッ!!!」」」
潤んだ瞳で見つめられ、三人はあえなく「わかった」と言わざるを得なかった。
「チッ、マジでズルいですよ・・・・・・」
『わかってくれて、ありがとう!』とひまわりのように笑ってグラス磨きに戻ったナナミを認め、サーヴァルは口元で隣の貴人に愚痴を零した。ちょうど、カウンター席に座る者だけに聞こえるくらいの声のボリュームだ。
「フッ、どうだ羨ましいだろう」
「でもナナからは若干嫌われ気味じゃないですか」
「フンッ。こいつがどう思おうが、そんなこと関係ない。欲しい物が手に入ればそれでいいんだよっ」
スルギの冷静なツッコミに、鼻で笑って強がるセイレク。それに双子は嫌らしい笑みを浮かべた。
「そ~んなこと言って、またウジウジ悩むくせに」
「こないだなんか、恋する乙女みたいに溜息なんて吐いちゃってー」
「「ねー」」
双子のコンビネーションパンチに、セイレクの顔がカッと朱に染まった。
「お前ら煩いぞっ!」
「え、アンタら知り合いだったの?」
と、何やら親しげなやり取りに、彼らがどうやら初対面同士ではないことに気づいたスルギ。隣に座っていたマーヴルがスルギの方に身体を向け、若干アルコールで潤んだ瞳を薄めて口を開いた。
「そうだよ~。この人はねー、この国のこk――
「「オイッ!/マーヴル、シッ!」」
喋り出した途端向こう側の二人が騒ぎ出し、マーヴルはサーヴァルによって口を塞がれた。スルギは何かを察し、眉は寄せたもののその場を誤魔化すようにドリンクに口をつけた。
「ま、まぁ、けっこう偉い人ってこと!」
「そっか・・・。悪かったな、こんな場で素性について質問するのは御法度だったわ」
「わかってくれればいいよ」
なんとなく、その場は一旦落ち着いた。その間に、酔いが冷めたマーヴルが左の二人に向かって謝っている。サーヴァルはやれやれといった風に、マーヴルの酒を取り上げるのだった。
それから話題も途切れ、皆静かにグラスを傾ける時間が続いた。ナナミの手が空いたなら話をしたいことが山ほどある。が、先ほどからナナミには暇はなく、見る限りずっと働いているのであった。
それにしても、やはりナナミは何をしても格好良い。現在の四人の共通認識だった。捲った袖から見える腕は逞しく、筋が見えているのがそそられる。手も大きくて、ある者はその大きな手で頭を撫でられたい、またある者はその大きな手で抱きしめられたい、頬を包まれたい、そしてまたある者は指と指の隙間に顔を埋め手汗の匂いを吸い込みたい――等々、それぞれが妄想を展開させるのだった。そして誰からかナナミの話題を出そうと口を開きかけたとき、カウンターの中で小さな存在が愛しのナナミに抱きついた。
「ナナミっ」
「おーコン、もう仕事終わったのか?」
「今休憩中。あのさ、今日も一緒に寝ていい?」
「ああ、いいぞ――
「「「「はぁ/はぁ゛!!!?」」」」
ナナミの腰に抱きつきスリスリと頭を擦りつける子ども。何とも羨ましすぎる行動を自然と熟す彼に、四人は嫉妬の炎を滾らせた。しかも、幼児でもない子どもがナナミに対して聞き流せないことを要求している。
それまで敵同士であった四人は、一瞬にして共通の敵を見つけたのだった。
「オイッどういうことだよ!?」
「ナナっ、そいつだれ!!?」
「ナナの何!?」
「そいつに寝汗嗅がせてんのか!?」
最後の質問は論外として、同時に寄せられた質問にナナミはぐぐっと身体を引いた。“コン”と呼ばれた少年は今彼らの存在に気づいたかのように視線を向け、態とらしく怯えた風を装ってさらにナナミに抱きついた。
それを見て四人の形相が一段と険しくなる。
「ああ、こいつ?コンっていって、新入りの見習いなんだ」
『そっか、みんなこいつが働き始めてから初めての来店なのか・・・』と呟きながら腰に抱きつく彼の髪を優しく梳くナナミ。そしてそれを目を瞑りふにゃりと弛緩した表情で享受するコン。
一同はナナミから溢れ出る母性に思わず魅入ってしまっていたが、いやいや許せん!と思い直す。
「いやいや、ってか『一緒に寝る』って何だよ?そいつ、もうそんな歳でもないだろ?」
「そうだよ!僕たちだっていつもえっちで疲れて気がついたら寝ちゃってるんだから!ナナとゆっくりお話しながら寝落ちとかしたことないんだから!!」
「そうだそうだ!」
「いやそれはアンタらの自業自得だろ!しかもさっき寝かしつけてもらってるって自慢してたじゃねぇか」
「「『一緒に』は寝てない!!しかも毎日ってズルい!!」」
年甲斐もなく目下のコンに向かって指摘したセイレクに続き不満を口にした兄弟だが、場違いな台詞にスルギが冷静なツッコみを入れた。それに兄弟は息ピッタリに抗議を呈する。
「コン、時々夜に魘されることがあるんだ。でも誰かが側にいると大丈夫らしくて。だから、客の予約が入っていない時とかは一緒に寝てるんだよ。ってか、コンがいるときに下品な言葉は言うなよな!教育上よろしくない!!」
そう言ってナナミはコンの耳を塞ぎながら言った。内心反省せずにコンに視線を向けると、彼は勝ち誇ったかのように“にやあ”と笑みを浮かべていた。
『『『『ぐぬぅ・・・・・・!!!!』』』』
こいつ・・・やりおるな・・・・・・!!
四人はすぐに、コンに自分たちと同じ匂いを嗅ぎ取った。ナナミに対する執着、独り占めしたい本音、嘘をついてでも、猫を被ってでも他人に奪わせない策略・・・
その場でバチバチッと視線が火花を散らす。
ナナミがカウンターに入っていたその日、彼ら五人による静かなキャットファイトが繰り広げられていた、と後に他の客たちが語った。
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