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10.商売敵からのスパイ、スルギの巻6
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「んっ、やっ、は、はやいぃぃっ!そんなっ、はやっ、したらぁっっ、や、やぁあああ!!」
ぱちゅんぱちゅんと部屋に響く卑猥な音。ベッドはぎっしぎっしと揺れ、二人分の体重を、そして激しい動きを支えていた。
そして俺はというと・・・・・・。両腕を掴まれ、バックからナナミに突かれまくっていた。
主導権が握れたのはあの時までで、すぐに乳首を弄ぶ腕を掴まれ形勢は逆転。俺は今、なすすべもなく奴の立派なモノで喘がされていた。
「やっ、そこっ!そこダメっていって・・・・・・やっ、ああっ、んに゛ゃぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
ぷしゃああああとシーツの上に潮をまき散らかす。もはや身体に力はなく、俺は気が遠くなりそうになりながらも自分のペニスから放出される液体がシーツを広範囲にわたって濡らしていくのを、ただぼぅっと見ていた。
こんなはずではなかった。こんな、奴に良いようにされるなんて。
なんで、なんでこいつのペニスはこんなに良いんだっっ。
俺は意識が遠くなっていくのを感じながら、静かにベッドへと倒れ込んでいった。
朝、目覚めると横にはにこにこ笑顔のナナミ。俺の腰を摩って『身体、大丈夫?』などと宣いやがった。そして甲斐甲斐しく水などを差しだし着替えも手伝ってもらう始末。
誤算だった。何もかもが。
奴の優しい笑顔と、耳が溶けるような甘美な言葉。それに皆が欺されているのだと思っていたが、奴はとんだ底なし沼だったのだ。
俺は朝のベッドの中で、そう思い知ったのだった。
夢のような夜を終え、日常がやってきた。俺は今日もまた、客に向かって鞭を振りかざす。汚い喘ぎ声を聞きながら、ふと意識があの情事へと向かっていった。
『やっ!その姿勢、やだって!』
靴を脱がされた時のように足を開かれた姿勢にされ焦っている俺に、ナナミが爽やかに笑いかける。その顔には興奮の色が濃く表れていた。嫌々と首を振っていると、ふいにナナミが手を伸ばしてきたので、今までの経験上思わず目を瞑ってしまう。すると次の瞬間頬に何かが触れた感触がした。
目を開けるとナナミの指が頬を刺しており、目の前のナナミが吹き出した。頭に血が上り指をはたき落とす。
『ふふっ、かわいい』
んなわけねぇじゃん
心の中で否定する。が、彼の温かく愛おしそうに見てくるナナミに、今だけはその言葉を信じてやろうと思った。今この瞬間だけ彼の言葉を信じても、罰は当たらないんじゃないか。
『っあ、』
弱い抵抗を押さえつけ、足を開いて蕾に太いペニスを挿入される。その日一日で仕上げられてしまった穴は、挿入ってきた異物を美味しそうに飲み込んだ。
その後も、スルギが『いやだ』と言うことばかりしてきたナナミ。涙目で抵抗していたときに可愛くてしょうがないといった風に告げられた言葉が今でも耳元で聞こえてきそうだ。
『スルギのこと、なんかいじめたくなっちゃうんだよね』
いかんいかん、と思い出していた映像を振り払って目の前のことに集中しようと努力する。今は仕事中だ。
『何が『いじめたくなっちゃう』だ。俺が、俺が・・・・・・』
俺がMなわけねぇだろぉおおおおお!!!
「きゃぅんん!」
バシン、と強烈な一撃が客の内太股に炸裂する。客はイイ所に当たったらしく、上擦った悲鳴を上げた。だが顔はとても嬉しそうだ。
今日もスルギは馬車馬のように働き、訪れた客に鞭を振りかざすのだった。
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