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第一話 「年上の王妃と少年王」

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 リュケメニス族の国、「リュケメネア」


 石で畳まれた広い大路、常設の市が立ち栄えている首都ミトレスを睥睨するように、ひと際威容を誇るミトレス城。

 その石造りの壮大な城の最上階・・・真夜中だというのに、最も奥まった一室には真昼のように煌々とした植物油のランプが灯り、かぐわしい香が霧のように焚き籠められている。

 金銀細工や宝玉に飾られた豪華な部屋、太陽と月のモチーフが刺繍された美しい天蓋がかけられた大きなベッドの上では、人間の年齢にすると35歳くらい、長い髪を後ろで結んだ豊満な美しい女性と、〇3歳くらい・・・本当は130歳なのだが・・・可愛らしい少年が素っ裸になり、まるで犬のように後背位で結合して「夫婦」の営みの真っ最中だ。

 リュケメニス族の王、年若いパティアスとその王妃ピュリアである。

 そのすぐ側で、まるで家畜の種付けでもしているように二人の交合を眺めているのは、侍女長のクロミス、これも人間の年齢にすると43歳くらいの美しい熟女。
 その侍女長クロミスが、四つん這いとなって可愛らしい夫を背中に乗せて揺れている王妃の股間を冷酷そうな瞳でしきりに覗き込んでいる。


 「あっ、ああっ!ダメっ・・・ゴメンナサイっ・・・でっ、出ますっ!・・・また出ますっ!」

 王妃ピュリアは顔を真っ赤にして、その股間に勃起させている「牝茎」(ひんけい)から、ビューッ!ビューッ!と男性の射精のように盛大に透明な粘液を射出する。

 「んああああっ・・、はっ、恥ずかしい!パティアス様、見ないでっ!見ないで!」

 ・・・・その粘液は「無精液」と言われるものだ。

 リュケメニス族の女性には、人間の女性でいうクリト〇スにあたる、「牝茎ひんけい」と呼ばれる器官がある。
 ただし、その形状や機能は人間の女性のそれとは大きく異なる。

 普段は3センチほどの大きさだが、性的に興奮すると個人差もあるが10センチくらいに勃起する、その粘膜がむき出しになった美しいピンク色をした牝茎ひんけいの先端は尖っており、小さな穴が開いている。

 尿道が男性のペ〇ス同様、その牝茎の中を通っており、尿も牝茎の先端から出る。
 男性のペ〇スよりサイズは小さく、包皮等は被っていないがそれと似たようなものが付いていると思えば間違いはない。

 また、大陰唇や膣の形状は人間の女性と殆ど変わらないものの、体内には男性が持っている前立腺に近い「性液腺」と呼ばれる器官があり、性的興奮が絶頂に達すると、男性の精液によく似た、透明で粘っこい「無精液」を勢いよく射出する、リュケメニス族の女性に独特の体液だ。

 リュケメニス族の人々は、これを「射液」と呼んでいる。
 

 「まあっ!また「射液」されましたのねぇ、これで何回目ですのっ?・・・ピュリア様は本当に我慢が出来ないお方ですねぇ、やっぱりコレ着けないとダメなのかしらっ・・・」

 侍女長のクロミスがピュリアの目の前に、指輪に似た、美しく金細工の施されたリング状の物体を差し出して見せつける。

 裾の長い独特の侍女服を着たクロミス、年齢は430歳、人間で言えば43歳くらいと言える。
後ろで編んでいる艶やかな黒い髪と褐色がかった輝くような肌、どこか冷たい意地悪そうな目が印象的な侍女長の女性だ。

 その侍女長が、王妃であるピュリアをまるで奴隷のように扱っている。


 「ああっ、クロミスさんっ・・それイヤっ!ツラいの・・・それイヤあっ!」

 「だって、ピュリア様、すぐに射液しちゃいますでしょ?それではいくらパティアス様から子種を頂いても、なかなかお世継ぎには恵まれそうにありませんわっ・・・」

 「クロミスさんっ、許してっ・・・頑張るから・・・もう射液しないよう頑張るからっ!」

 「いいえっ、ダメですよぉ、ピュリア様・・・お世継ぎ誕生は急務なのですからねっ」

 ハアハアと荒い息遣いの少年王、パティアスにしがみつくように背中に抱き付かれ、四つん這いで膣内に夫のペ〇スを受け入れているピュリアの股間に顔を寄せて、クロミスは手にしたリング状のモノを近づける。

その指輪のようなものは、「吐液止め」と言われる、リュケメニス族の貴族の間で古くから伝わる、女性の射液を強制的にストップさせるための器具だった。

 ピュリアのムッチリとしたお腹にくっつくようにピーン!と反り返っているペニスのような「牝茎」がピクッと震える・・・・。

 「いっ、いやああっ・・・堪忍してぇ!」

 「ピュリア様・・・・我慢なさいっ!」

 ピュリアの硬く勃起している「牝茎」の根元に「吐液止め」を装着して、キリキリと留め具を締め上げるクロミス。

 「ああっ・・・コレいやあ!・・・着けられると・・・ヘンになるのっ・・・」

 ピュリアのすっかり充血して反り返った牝茎の根元に、「吐射止め」が痛々しく食い込む。

 「・・・はいっ、ピュリア様、これでどんなに射液したくなっても絶対にお漏らしはできませんわっ!この間にパティアス様に射精のおねだりしないと・・・」

 「・・・クロミス・・・あまりピュリアにヒドいことしないで・・・」

 心優しい少年王が、ずっと年上のピュリアを気遣う。

 「ふふっ、パティアス様・・・お優しいのねっ!でもほらっ、もっとチ〇ポで奥を突いて!ピュリア様の子宮にタップリと射精してくださいね、リュケメニス族の女は射液すると妊娠しづらいと言われているのですから・・・今のうちに!」

 クロミスの言うことは、リュケメニス族の間では伝統的に伝わっている事柄だ、また実際そういう傾向はあるらしい・・・。

 その女性版ペ〇ス「牝茎ひんけい」からすぐに射液してしまったり、その「お漏らし」が頻繁な女性は妊娠しにくいという・・・。

 だから、リュケメニス族の女性は、必ず男性が射精した後に、なるべく控えめに射液する習慣がある。
 また、これは貴族に限ったことだが、すぐに無精液を漏らしたり、節操なく射液を繰り返す女性は多淫だと言われ嘲笑の対象となったりもする。


 その昔の高貴な女性は、牝茎の勃起や射液を見られるのを恥として、今、クロミスが持っているような豪華な金細工を施した「吐液止め」を着けて射液を防いだり、牝茎に小さな袋状の布を被せて男性にその勃起を見られないようにし、射液の際もその袋の中で放出するのが「たしなみ」とされていたが、今はその習慣自体はほとんど廃れている。

 しかし現在でも、男性よりも先に射液したり、あまりにその回数が多い女性は「妊娠しづらい」とみなされ敬遠される悪習は根強く残っている・・・・。

 350歳・・・人間に換算するとおおよそ35歳くらいのピュリアは、前の夫が存命だったときから、射液の量も頻度も非常に多い方だった。

 ピュリアはそんな己の体質を、内心恥ずかしいと思っていたが、前の夫は理不尽で旧弊な、貴族の間に残っているその悪習を笑い、リュケメニス族の女の絶頂の証であるその射液をむしろ喜んでくれた。

 「射液」も男性の射精同様、身震いするような快感を伴うのである。

 それが王妃となった今、侍女長のクロミスにこんな風にイヂめられるなんて・・・・。



 ここはリュケメニス族の国、「リュケメネア」

 エメナ海に面している王政を敷く商業国家で、他の種族より造船技術や航海術に優れており植民政策や交易により国は潤っている。
 また、近辺の都市国家群のなかで一番強力な海軍を持つことでも知られている

 様々な種族がいるこの世界、その種族ごとに都市国家ポリスを形成しているのが普通だが、人間より動物に近い獣人族「ハパス」等のように、特に国家を形成せずに野性に近い生活をしている種もいる。

 そんな中で、パティアス少年王や王妃ピュリアが属するリュケメニス族は、我々人間に近い種族でその知能も高い。
 
 特筆すべきはその長い寿命。
 我々人間のおおよそ10倍、およそ200歳で成人となり、900歳くらいまで生きる。

 ただ、長命の生物によくあるように非常に子孫を残しづらく、貴族の女性が一生に産む人数は一人か二人、平民でも三、四人程度である。

 基本的な骨格や体形、肌の色は我々人間とほとんど変わらない、ただし婚姻色があり、性的に興奮すると腰と背中の一部が赤くなる。
 また、瞳の色が美しいグリーンだったりと細かな差異はあるが、パッと見て人間とはほとんど区別がつかないだろう。

 ただし、生殖器は我々人間と多少・・・いや、かなり異なっている。

 男性器は、人間の男性のペ〇スよりもやや大きく、少年でも20センチ近くある。
 未成熟な性器は先端部分が細く尖っているが、性的に成熟するに伴い、人間の亀頭にあたる部分がキノコの傘のように6センチほど開くようになり、女性の膣内に錨のように食い込んで性交を確実なものとする役割を果たす。


 また、女性については、男性よりも人間との相違が大きい。
 大陰唇や膣口の位置等、基本構造は人間と大差ないが、その「牝茎ひんけい」と呼ばれるクリト〇スに相当する部分は、成人女性の場合、通常は3センチ程の大きさだが、性的に興奮すると10センチくらいに勃起する。
 尿道はその「牝茎」の先端にあり、男性と同じようにそこから尿が出る。

 体内には、人間のオスの前立腺に似た器官「性液腺」があり、性的興奮が絶頂に達すると「牝茎」の先端から透明な液体「無精液」を男性の精液のように射出する。
 その様子は男性の射精とそっくりである。

 また、無精液を大量に放出する女性は妊娠しにくいという俗説がある、これは膣内の酸性度合いが急激に変化して男性が膣内に放った精子を弱らせたり死滅させるからで、あながち「迷信」とも言えないらしい。




 先王の突然の病死、そして130歳・・・人間で言えば〇〇歳に相当するパティアスの即位。

 そして、350歳のピュリアとの結婚・・・・何もかもが突然だった。

 ピュリアはリュケメニス族の貴族、レメィエ家の娘で、現在の王であるパテイアスの腹違いの兄と200歳の時に結婚したが、夫の戦死により250歳の時に未亡人となった。
 古来、戦争の多いリュケメニス族には古代スパルタのように、未亡人となった女性を夫の兄弟が娶る習慣があるため、妃候補からは除かれていなかった。

 元々第4順位の妃候補、そして人間で言えば35歳くらいと、妊娠するにしてはやや年齢が高いため、本人も王妃となって子を産むことなど全く予想もしていなかったのだが、これも運命の悪戯か、妃候補の3人が相次いで事故死や病死を遂げたため、繰り上がって王妃となった。

 その経緯に、城内の物陰では密かにレメィエ家の陰謀を唱えるものも少なくないが、ピュリア自身は全く預かり知らぬことである。

 むしろ、夫に先立たれてから100年もの間、空閨を守ってきたピュリア自身が当初は最も当惑気味だった。

 王である夫はまだ130歳、人間で言えば〇〇歳の少年・・・その結婚生活は様々な困難が予想されるし、政治の実権は摂政が握っている少年王ゆえに、水面下で行われている政争もまた不安材料の一つだった。
 
 しかし、ピュリア自身にとって一番不安の種だったのは「世継ぎ問題」である。

 リュケメネアの昔からの習わしとして、王は戦争の際、最前線に立って指揮を執る。
 それが、国の最高位である王の何人も侵すことの出来ない「特権」なのだ。

 貿易国家、商業国家であると共に「戦闘国家」でもある、リュケメネアの民にとって戦争に参加することは市民の「権利」であり、それは名誉なことなのである。
 建国からほぼ継続して、どこかで戦争をしているリュケメネア人にとっては、それはごく普通の感覚だった。
 しかし、最前線に立つということは、それだけ戦死も多いということである。

 王となった者の最優先、そして最重要の任務は「世継ぎ」を設けることだった。

 子供が出来づらい長命種族にとってそれは難しい問題である。
 そこで、リュケメニス族の城内で独自に発達したのが「侍女」の仕事だった。

 「侍女」という身分自体は、普通に見られる珍しくもないものであるが、リュケメネアの「侍女」は少し変わっている。

 侍女は代々、王家に近い、その資格のある家柄から選ばれ、男子ならば王の身辺警護を担当する近衛騎士団員に、女子は、王と王妃の衣食から身の回りの世話、面接の取り次ぎまで一切を担う「王付き侍女」となるのだ。

 現在の侍女長は、やはり位の高い貴族の出身であるクロミス、430歳。

 国家成立からほぼ絶えることなく戦争が続いており、男性が出征していることも多い「リュケメネア」では、国家運営の担い手としての女性の地位も高く、城内では「侍女」の筆頭という立場ながら、常に王と王妃の側に居てそのプライベートに密接に接し、話し相手となる時間も多いため、政務や祭事等の決定に際しては側近や摂政さえも侍女長に非公式に打診してくるという「影の権力者」となっている。

 クロミスは、先代から仕えている侍女長で、その権力も非常に強い。

 実は、侍女長の「秘められた」重要な仕事というのは、王と王妃の房事・・・つまりセッ〇スの「介助」である。

 王と王妃の夜の営みの「世話をする」者がいるのはリュケメニス王族にとっては特に異常なことではない。
 子供が出来難い種族故の手段、子孫を確実に残すために編み出された習慣なのである。

 特にこの度、若干130歳で即位したパティアス王の場合は、侍女長の役割は大変に重いもとなった。
 当然に男女の交わりなど知らない若い王、そしてなによりそのお相手は親子ほども年の離れた350歳のピュリアなのだ。

 その婚姻の経緯については、侍女長のクロミスの耳に色々と噂話が入ってきている。

 そんな悪い噂を耳にする度にクロミスの心の中には、350歳で未亡人だったピュリアが、こうして王妃となったことに何か引っかかる・・・ドロドロとした黒い感情が沸き起こるのだった・・・・。




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