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第五十七幕 「ドレスの下の濡れそぼつ花園」~呪いを解く次の方策~

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 「・・・・まったく!・・・ヴァネッサ!貴女のセッティングしたあのヘンタイ貴族共の秘密倶楽部は散々だったわっ!・・・酷い目にあったわよっ!もうあんなのはイヤよっ!」

 王宮の女王の居室プライベートルーム・・・人払いをして、侍女長のヴァネッサと二人だけになったアレクシアが恨み言を並べ立てる。

 ・・・・しかし、彼女の怒りもポーズなのはヴァネッサもよく解っている。

 「・・・・申し訳ございません、アレクシア様・・・私も流行りの秘密倶楽部には何回か顔を出したことがあるのですが、その時は、あの「パライソス・ドゥ・エール」で行われていたような、普通の公開房事セッ○スだったものですから・・・・あの助平親父の開催していた倶楽部があんなに淫らでヒドいものだとは・・・・わたくしの不覚でした・・・・」

 「フンッ・・・貴女っ、貴族の秘密倶楽部でセッ○スショーを観るのが趣味だったのっ?」

 今回の秘密倶楽部での催しで貴族達に散々オモチャにされた腹いせからか、妙にヴァネッサに絡むアレクシア。

 「・・・・いっ、いえっ!・・・そんなっ・・・知り合いの貴族から人数合わせて誘われましてっ・・・そっ、それで・・・・」

 顔を真っ赤にするヴァネッサ。
 彼女は、侍女長という王宮内での立場上、顔も広く、貴族達にも友人や知人が多い・・・・知り合いに誘われて、というのはあながち嘘ではないのであろう。

 ・・・・しかも、今回の事も、女王アレクシアにかけられた忌まわしい呪いを解くために、ヴァネッサが知恵を絞った末に考案されたことに間違いはない。
 それを思うとアレクシアもヴァネッサを手酷く糾弾する気にはなれなかった・・・。

 事実、彼女の尽力で、女王アレクシアは「呪いを解くために千人の目の前で性交を披露する」というハードルにまた一歩近づくことが出来たのである・・・・それはまだ300人・・・まだまだ千人には程遠いのであるが。

 それに、こんなことはヴァネッサ以外に相談できるものなど居るはずがない・・・・淫欲の呪いに苦しむアレクシアにとって、彼女だけが頼みの綱なのである。

 「・・・・それにしても、まだ300人・・・・もうウンザリだわっ!心が折れそう・・・・」

 「・・・・・はい・・・・・」

 今回の失態で、ヴァネッサも少し自信を無くしているようだ・・・。

 しかし女王アレクシアは、ウンザリしても自棄になっても、あと700人の目の前で性交を行わなければならない・・・いくらここでヴァネッサを虐めたところで、それは動かしようのない事実なのだ。


 ・・・・・プイと横を向いて、怒った表情を見せたものの、それは「ポーズ」である、アレクシアは心配そうにチラリとヴァネッサの顔を盗み見する。

 「・・・・そ、それはともかく・・・・な、なにかいい方法はないものかしらねぇ・・・ヴァネッサ・・・」

 あの気の強い女王が弱気になって、珍しく自分を頼っていることは、長年侍女長として仕えてきたヴァネッサには手に取るように判る。
 彼女はいつもの聡明な侍女長の顔に戻って、次の策を考えるのだ・・・・。


 「・・・アレクシア様、「パライソス・ドゥ・エール」でやったような、歓楽街でのショーはもう危険すぎて二度は出来ないかと存じます・・・あのショーでもあと少しでアレクシア様の正体がバレるところでございましたから・・・」

 「・・・・でも、貴族の秘密倶楽部も、もうまっぴら御免よっ!」

 ・・・・アレクシアが先回りして釘を刺す。

 「・・・はい、それも存じております、貴族達の風紀を乱す度を過ぎた「秘密倶楽部」の流行は、取り締まりを強化するよう、私のよく知っている秘密警察の幹部には内々に伝えておきましたから・・・」

 「・・・・ヴァネッサ・・・なにか良い知恵を出して頂戴っ・・・・お願い・・・」

 高慢で身勝手な性格だったアレクシアが珍しく弱気になってヴァネッサに頼み込む・・・魔女にかけられた「淫欲の呪い」には、彼女もほとほと参っているのだろう。
 なにせ、寝ているときも起きているときも、執務の最中も性的興奮が収まらないのだ。

 政務の間で、真面目な顔で大臣から様々な報告を聞いている最中も、彼女の女陰からはトロトロと淫液が溢れ、ドレスの生地に触れただけの乳首はカチカチに勃起してしのまうのである・・・・。

 アレクシアは、もう何度も、玉座から勢いよく立ち上がって、その場で衣服を脱ぎ捨て、人目も憚らず思いきり自慰をしたい衝動に駆られているのだ・・・。


 「女王陛下、少しお顔が赤いようですが、お体の具合がお悪いのでございますか?・・・すぐに典医をお呼びいたしますが・・・」

 「・・・・えっ?い、いえ・・・私はなんともないわっ・・・・この部屋が少し暑いせいでしょう・・・」

 アレクシアは無理をしていかにも健康そうに笑って見せ、重臣達にドレスの下の37歳の肉体がペ〇スを求めて疼いていることを悟られないよう演技を続けなければならないのだ・・・。

 「・・・いえ、それでもお顔がとても赤くて息も苦しそうでございますよっ!私がすぐに典医をっ!」

 「ええいっ、しつこいわねっ!・・・大丈夫って言ったら大丈夫なのよっ!私はどこも悪くないのっ!」

 「ひ、ひいっ!・・・も、申し訳ございませんでした、陛下っ・・・・」

 
 さらに悪いことには、最近は貿易航路の覇権を巡ってロシュニア王国と敵対しているエスパルダ王国との交渉も大詰めに差し掛かり、女王も公務に忙しく、日中は以前のようにプライベートな時間をほとんど作れないのだ。

 ・・・・彼女はどんな膣奥が疼いても、陰核がプックリと勃起しても、自室に駆け込んで部屋のドアを施錠して、ベッドに大の字になり、激しく自慰をする時間もないのである・・・・いたたまれない性欲、自分自身に対する怒り、焦燥感・・・・女王アレクシアのストレスは最高潮に達している。

 城内には毎日ピリピリした空気が漂っている・・・。

 臣下達だけではない、普段、女王の身の回りのお世話をしている侍女達もアレクシアのいつもより神経質な心理状態の変化に気付いている。
 侍女達は腫れ物に触るように、粗相の無いよう緊張しながら女王に仕えているのだった。


 ・・・・アレクシア様も相当参ってらっしゃるようねぇ・・・あの呪いには・・・・

 事態を憂慮した侍女長ヴァネッサが一計を案じる・・・・。


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