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【ニ】 驚愕の事実、なんと「天上天下唯我独尊」には続きがあった!
しおりを挟むお釈迦様が生まれてすぐにおっしゃったという言葉「天下唯我独尊」
その意味は、辞書をひもとくと「私は世界中で最も優れた者である」と書かれています。
・・・そして、これは俗に「唯我独尊」の部分だけを取り出して「自分だけがすぐれていると、うぬぼれること」という意味合いで使われたりしています。
おもいっきりネガティブな意味ですね!お釈迦様の「誕生偈」だというのに(笑)
しかし!最近ではこの「天上天下唯我独尊」の解釈が明らかに変わってきています!
これはネットで調べれば一目瞭然なのですが、曰く・・・。
「私達人間にだけがなしうる、ただ一つの尊い目的(独尊)がある、かけがえのない個人の尊厳を示したもの」
「生きとし生けるものすべてが尊いことをおっしゃった言葉!」
「皆がこの世の中で大切な役割を持っていて、それぞれが尊いのです」
「すべての人がオンリーワンだよ」
「私の命がかけがえのないものなのだから、あなたの命も、また他の人の命も、かけがえのない尊いものなんだよ」
「すべての存在は尊く、かけがえのない命を与えられている」
「全世界、どこを見渡してみても、我という存在はただ独りだけの尊い存在である「唯我独尊」の「我」は、釈迦だけのことではなく、「我々人間」のことなのです」
「比較できない存在。大切ないのちということです」
・・・う~む、いかがでしょう?
どうも最近は「天上天下唯我独尊」という、生まれたばかりのお釈迦様が言われた言葉は「私」(お釈迦様)が尊い!ではなく「みんな」が尊い!という人類愛を高らかに謳った言葉だという解釈が流布しているようです!
おお~っ、さすがお釈迦様っ、素晴らしい~っ!
・・・と言いたいところですが、はっきり言ってしまうと、どこかに漠然とした「胡散臭さ」を感じません?
この極めて安っぽい「人類愛」みたみいなフレーズ!
偏屈な私などは(笑)な~んかスウッと鵜呑みに出来ず、どこかモヤモヤとひっかかるものを感じてしまうのです。
「唯我」=「みんな」なの?
・・・これってメチャクチャ無理矢理過ぎない?
それに解釈としてもなんかこう、薄っぺらくない?
言うなれば、そんな違和感です!
時代に合わせて、あるいは宗教者(開祖)によって仏典や仏説の「解釈」が変わることはごく普通にある話なのですが、それにしても「天上天下唯我独尊」が「みんな尊いんだよ!」ってなるかぁ?
・・・いや、俺はならねぇと思うぜええええええ~っ!
ってのがこのエッセイの主題です!!
相変わらず、超ニッチな内容でどうもスビマセンねぇ(故・桂枝雀師匠のモノマネで(笑))
お釈迦様は母君の摩耶夫人の右腋から生れ出ると、七歩歩いて天地を指差され「天上天下唯我独尊」とおっしゃった!
・・・まずはこの原典を調べようと思います
世の中、昔から偉い学者さんや先生がいて、こういう事をしっかり調べ上げた論文もたくさんあるんですよねぇ、尊敬してしまいます。
それらによると、お釈迦様の誕生偈の「オリジナル」的なものは、古いパーリ語経典の「希有未曾有経」(アッチャリヤアッブタ・スッタ)等にみられるといいます。
まあ、実を言うとこの誕生偈は古くは「お釈迦様」がおっしゃった言葉ではなく、お釈迦様が出現(?)する以前にこの世に存在したという「過去のブッダ」(ブッダは悟りを得た人)である毘婆尸仏という人物が誕生した際に言った言葉とされていたのが、いつの間にか「お釈迦様」に置き換わったのだといいますが・・・まあ、そこは置いといて(笑)
そして、膨大な仏教典がインドから中国にもたらされ、そこで漢訳された頃には既に以下のフォーマットが定着していました。
日本に伝わった誕生偈は当然ながらインドの原典によるものではなく、中国で漢訳されたものですから、実はお釈迦様のお誕生エピソード「誕生偈」は中国で「完成」したものだと言ってもいいかもしれません。
・・・その内容は、
「私が最尊最勝である」(ここが天上天下唯我独尊唯我独尊ですね)
「これが最後の「生」である」←ココ極めて大事!
「私は衆生救済の為に生まれたものである」
な~んと「誕生偈」は「天上天下唯我独尊」の後に「続き」があったのです。
・・・驚愕の事実です!(お、大袈裟な!仏教だけに(笑))
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