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青夏(せいか)
席替え
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恋ちゃんとのガチンコバトル?が終わった次の日が、席替えになった。うちのクラスは先生が席を決めるので、朝、結果を知らされる。私は席替えがある度に、夜、今決めてるのか、どうなっているんだろうか、とベットの上で眠れずにいる。その度に私の部屋を漫画倉庫として使ってる兄が来て怪訝なか顔で見られる。兄のことは説明する需要がないと思うのでここまでにするが、とにかく席替え!席替えの結果でその後の生活が決まる私たちにとって席替えとは、受験の合格発表ほど大事なものなのだ。私は受験しなくて良い小学校に入ったので気持ちはわからないのだが。結局、私は夜十時に入ったベッドで二時間程ウダウダしていた。
なんとか目を瞑り、学校えと足を引きずってきたが、心臓がお祭り騒ぎしすぎて、息をすることさえままならない。楽しみなものには、それだけの犠牲が伴うのかなあ。などと、小学生のくせに大人びた事を考えながら教室に体を押し入れた。
教室に入ると黒板に席順が書かれていた。毎度思うけど、うちの担任、朝っぱらからなんでわざわざ黒板に書いてるんだろう…
自分の席を探していると、健太の相変わらず元気そうな声が聞こえてきた。
「うわっ!まじか~!俺また二班!?これで三回目だよ~!」
あ、健太二班なんだ。そう思い、一号車から順に目を通していく。すると、とても嬉しいことに、健太と同じ班!隣ではなかったけど、隣だとドキドキしすぎて話しかけられないので、むしろ私にとっては一番良い席とも言えた。それに、ちょっと気持ち悪いこと言っちゃうと、健太を授業中ずっと見てられるってことだし…と、気持ち悪い事を考えてしまったが今の私の気分は絶好調。家に帰ったら、一人で「健太と同じ班になれてよかったね大賞授賞式」でもしようかな。ランドセルを素早く片付け、机の渋滞に呑まれながらなんとか自分の席につけた。健太は、三連続二班になったことを他の男子に煽られていた。煽りの波が引くと、健太が後ろを向いた。
「お、石田同じ班じゃん。よろしく~」
いきなり声をかけられて、頷くことしかできなかった。今、健太が話しかけた。え、私に?!思わぬ展開に嬉しすぎて体が波打っていた。一人で興奮状態に追いいっていると、健太は他の同じ班の人にも一人一人丁寧に挨拶をしていた。偉いし、そういうことを当たり前にできる健太が羨ましい。でも、別に私が特別だったわけじゃないんだな。と一人で別に悲しむ必要も無いのに悲しんでいた。さっきは後ろが一番!的なことを言っていたが、健太が隣の女子に挨拶しているのを見ると、やっぱり羨ましくなってしまった。まあ、私にとっては後ろになれただけで十分だから全然良いんだけど。え?でも待って。健太が私の前の席にいるということは、私はこれから毎日、健太に手渡されたプリントを持って帰るっていうこと?!端から見たら完全に変態だけど、多分、恋してる人はわかってくれるはず。一大事だ!混乱して情緒不安定な自分を落ち着けるために、深呼吸をした。今日の一時間目は、国語なので、教室だ。一時間目から健太の後頭部を見続けなくちゃいけないなんて、ドキドキしすぎて一周回って拷問だ。私はもう一度深呼吸をしてから心して授業を受けた。
一時間目が終わると、由衣、優香、恋ちゃんが健太の立ち歩いている隙に押し寄せてきた。
「愛花、山野の後ろの席じゃ~ん!私は、全然野沢と近くなれなかったけどね」
「由衣はお悔やみ申し上げます。ま、私は恋ちゃんと近かったし、良い席かな~」
「そうだねー今回は、由衣が島流にされったって感じかな」
「私は島流しだけど、愛花は今の席楽しんでね…」
「なんか、由依亡霊のうめき声聞こえてきそう…」
「グアア!」
「もう聞こえてきたんだけど」
と、話しているともう二時間目が始まってしまった。三人は、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
二時間目は算数。私の一番嫌いな教科だ。せっかくの気分を壊されてウダウダやっていると、健太も算数が嫌いらしく、同じようにウダウダしていて、可愛い。と反射的に思ってしまって顔が赤くなってしまった。やっぱり男子って可愛いよりかっこいいって言われたいのかな。と一人で考えていてもどうしようもないことを考えていると、先生に目をつけられてしまった。
「おい!石田!何天井見てんだ!今何話してたかわかるか?」
「…すいませんわかりません」
「ちゃんと授業聞きなさい!」
「すいません」
うちの学校の先生厳しんだよな。私は心の中で半泣きになりながら席についた。席につくと、健太が
「うちんとこの担任厳しいからさ、そんな落ち込まなくていいと思うよ~」
と、さりげなく小声で慰めてくれた。これは、先生に感謝しかなかった。
なんとか目を瞑り、学校えと足を引きずってきたが、心臓がお祭り騒ぎしすぎて、息をすることさえままならない。楽しみなものには、それだけの犠牲が伴うのかなあ。などと、小学生のくせに大人びた事を考えながら教室に体を押し入れた。
教室に入ると黒板に席順が書かれていた。毎度思うけど、うちの担任、朝っぱらからなんでわざわざ黒板に書いてるんだろう…
自分の席を探していると、健太の相変わらず元気そうな声が聞こえてきた。
「うわっ!まじか~!俺また二班!?これで三回目だよ~!」
あ、健太二班なんだ。そう思い、一号車から順に目を通していく。すると、とても嬉しいことに、健太と同じ班!隣ではなかったけど、隣だとドキドキしすぎて話しかけられないので、むしろ私にとっては一番良い席とも言えた。それに、ちょっと気持ち悪いこと言っちゃうと、健太を授業中ずっと見てられるってことだし…と、気持ち悪い事を考えてしまったが今の私の気分は絶好調。家に帰ったら、一人で「健太と同じ班になれてよかったね大賞授賞式」でもしようかな。ランドセルを素早く片付け、机の渋滞に呑まれながらなんとか自分の席につけた。健太は、三連続二班になったことを他の男子に煽られていた。煽りの波が引くと、健太が後ろを向いた。
「お、石田同じ班じゃん。よろしく~」
いきなり声をかけられて、頷くことしかできなかった。今、健太が話しかけた。え、私に?!思わぬ展開に嬉しすぎて体が波打っていた。一人で興奮状態に追いいっていると、健太は他の同じ班の人にも一人一人丁寧に挨拶をしていた。偉いし、そういうことを当たり前にできる健太が羨ましい。でも、別に私が特別だったわけじゃないんだな。と一人で別に悲しむ必要も無いのに悲しんでいた。さっきは後ろが一番!的なことを言っていたが、健太が隣の女子に挨拶しているのを見ると、やっぱり羨ましくなってしまった。まあ、私にとっては後ろになれただけで十分だから全然良いんだけど。え?でも待って。健太が私の前の席にいるということは、私はこれから毎日、健太に手渡されたプリントを持って帰るっていうこと?!端から見たら完全に変態だけど、多分、恋してる人はわかってくれるはず。一大事だ!混乱して情緒不安定な自分を落ち着けるために、深呼吸をした。今日の一時間目は、国語なので、教室だ。一時間目から健太の後頭部を見続けなくちゃいけないなんて、ドキドキしすぎて一周回って拷問だ。私はもう一度深呼吸をしてから心して授業を受けた。
一時間目が終わると、由衣、優香、恋ちゃんが健太の立ち歩いている隙に押し寄せてきた。
「愛花、山野の後ろの席じゃ~ん!私は、全然野沢と近くなれなかったけどね」
「由衣はお悔やみ申し上げます。ま、私は恋ちゃんと近かったし、良い席かな~」
「そうだねー今回は、由衣が島流にされったって感じかな」
「私は島流しだけど、愛花は今の席楽しんでね…」
「なんか、由依亡霊のうめき声聞こえてきそう…」
「グアア!」
「もう聞こえてきたんだけど」
と、話しているともう二時間目が始まってしまった。三人は、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
二時間目は算数。私の一番嫌いな教科だ。せっかくの気分を壊されてウダウダやっていると、健太も算数が嫌いらしく、同じようにウダウダしていて、可愛い。と反射的に思ってしまって顔が赤くなってしまった。やっぱり男子って可愛いよりかっこいいって言われたいのかな。と一人で考えていてもどうしようもないことを考えていると、先生に目をつけられてしまった。
「おい!石田!何天井見てんだ!今何話してたかわかるか?」
「…すいませんわかりません」
「ちゃんと授業聞きなさい!」
「すいません」
うちの学校の先生厳しんだよな。私は心の中で半泣きになりながら席についた。席につくと、健太が
「うちんとこの担任厳しいからさ、そんな落ち込まなくていいと思うよ~」
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