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15 待機するロアです 〜Sロア
しおりを挟むリュカとその父親のガロウか……人手不足とは言え、変な奴らが来たもんだ。
地面に座り込み、2人が突入していった岩場を見上げる。
「卵なんて奪えっこないのにな……」
実は、この洞窟に住むワイバーン達は、昼の間は巣に引きこもって卵を守っている。
その為、ワイバーンに見つからずに卵を奪うには、夜になるのを待つしかない。
奴らは夜になると、狩りをする為に周辺の森に狩に向かうからだ。
「もうじき太陽が沈む……」
ここのワイバーンは比較的小型だけど、人間より一回り大きいし、非常に獰猛だ。
鉤爪で引っ掻かれれば一撃で致命傷を負わされる。
巣を守ってるワイバーンを焦って突っつけば、怪我だけじゃ済まないって事だ。
つまり、このテストの目的は、忍耐力と危機管理能力を測るものだ。
「そう言えば……」
ふと、ポケットの中の瓶を取り出す。
お土産って言ってたけど……まさか、あの2人がタートルから体液を採取したのかな。それにさっき飛行魔法を使ってる様に見えけど。
いや、あの変な2人にそんな力があるわけないか!
2人ともモンスターを倒せる様な武器を持ってないし、ガロウさんに至っては服すら着てないしな。
多分、びびって何もせず帰ってくるか、ワイバーンにちょっかいを出して襲われて帰ってくるだろ。
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