144 / 159
ジュリアン
目が覚めたら
しおりを挟む
目が覚めたら、自分の部屋にいた俺。
なんで、ベッドにいるんだろう。横を見ると知らない人がいる。金髪のものすごく綺麗な男性と、黒髪のワイルドイケメンだ。
大国からの使者にこんな人いたっけ?
俺はジジイの国から解放されて戻ってきたんだよな?それにしては大国の記憶が遠い昔のように感じるんだけどな…。ま、いっか。
それにしてもワイルドイケメン、俺の好みだなあ。
しばらくするとノックがして、紫の髪のこれまたイケメンが入っていて、あ、ルークとリアンだ。走ってきてリアンが俺に抱きつく。
またノックがして、宰相ガリアスとロビン、
あ、オリバーだ…。俺の胸がどきん、と高鳴る。
あれ?オリバー、何で哀しそうなの?
ーーーーーー
みんな、俺の部屋から帰ってしまった。
そして、部屋には例のワイルドイケメンが一人残っている。何で残ってんのかな?
「あの…すみません、何故ここにいるんですか?んで、貴方は?」
俺の質問にワイルドイケメンが硬直したような気がした。
あれ?おかしなこと言ったかな?
「あ…あの、陛下のご命令で、貴方の護衛騎士になりました、シェンと申します…。」
にこりともせずにそのワイルドイケメンが俺に言った。そして俯いてため息を一つつくと、俺を真顔で見る。
…嫌われてるのかな、俺…?
「護衛騎士って、ずっといるの?24時間?」
「はい、ずっと。寝食も一緒に。」
うそ、聞いてないし。
「あの、その命令はいつから…?」
「…。」
シェンが渋い表情になった。あれ?なんか怒ってるような暗いような。すうっ、と深呼吸してシェンが微笑んで敬礼をした。
「本日より任命されました。よろしくお願いいたします、ジュリアン様。」
「よ、よろしくお願いします。」
「では、私は色々と事務処理がありますのでこれで。」
さっさと立ち去ろうとするシェンの腕を、なんと俺はベッドから降りて走って掴んでしまった。
ものすごく驚いた表情になったシェンが俺の顔を覗き込む。
あれ?シェンの掴んだ腕が少し震えている。
「失礼っ」
シェンが俺の腕を離して急ぎ出ていこうとするのを俺はまた掴んだ。
あれ?どうしたの俺は?なんでシェンにこんなことしてるの?自分でもわからない。
「離して…ください。」
絞り出すようなシェンの声が震えている。
「あの…。」
「離してください…。申し訳、ありません…。」
「やだっ。」
えっ、俺は何を言ってるんだ?でも、離したくない。
「はぁ?」
シェンが少し苛立ったように俺を見る。
「24時間一緒にいるってさっき言ったよね?なんでどっかいくの?」
「えっ…?ジュリアン様…。」
「様はいらない、ジュリアンでいい。」
シェンの目がすうっと細められる。そして俺は気がついたらシェンに抱き締められていた。
なんで、ベッドにいるんだろう。横を見ると知らない人がいる。金髪のものすごく綺麗な男性と、黒髪のワイルドイケメンだ。
大国からの使者にこんな人いたっけ?
俺はジジイの国から解放されて戻ってきたんだよな?それにしては大国の記憶が遠い昔のように感じるんだけどな…。ま、いっか。
それにしてもワイルドイケメン、俺の好みだなあ。
しばらくするとノックがして、紫の髪のこれまたイケメンが入っていて、あ、ルークとリアンだ。走ってきてリアンが俺に抱きつく。
またノックがして、宰相ガリアスとロビン、
あ、オリバーだ…。俺の胸がどきん、と高鳴る。
あれ?オリバー、何で哀しそうなの?
ーーーーーー
みんな、俺の部屋から帰ってしまった。
そして、部屋には例のワイルドイケメンが一人残っている。何で残ってんのかな?
「あの…すみません、何故ここにいるんですか?んで、貴方は?」
俺の質問にワイルドイケメンが硬直したような気がした。
あれ?おかしなこと言ったかな?
「あ…あの、陛下のご命令で、貴方の護衛騎士になりました、シェンと申します…。」
にこりともせずにそのワイルドイケメンが俺に言った。そして俯いてため息を一つつくと、俺を真顔で見る。
…嫌われてるのかな、俺…?
「護衛騎士って、ずっといるの?24時間?」
「はい、ずっと。寝食も一緒に。」
うそ、聞いてないし。
「あの、その命令はいつから…?」
「…。」
シェンが渋い表情になった。あれ?なんか怒ってるような暗いような。すうっ、と深呼吸してシェンが微笑んで敬礼をした。
「本日より任命されました。よろしくお願いいたします、ジュリアン様。」
「よ、よろしくお願いします。」
「では、私は色々と事務処理がありますのでこれで。」
さっさと立ち去ろうとするシェンの腕を、なんと俺はベッドから降りて走って掴んでしまった。
ものすごく驚いた表情になったシェンが俺の顔を覗き込む。
あれ?シェンの掴んだ腕が少し震えている。
「失礼っ」
シェンが俺の腕を離して急ぎ出ていこうとするのを俺はまた掴んだ。
あれ?どうしたの俺は?なんでシェンにこんなことしてるの?自分でもわからない。
「離して…ください。」
絞り出すようなシェンの声が震えている。
「あの…。」
「離してください…。申し訳、ありません…。」
「やだっ。」
えっ、俺は何を言ってるんだ?でも、離したくない。
「はぁ?」
シェンが少し苛立ったように俺を見る。
「24時間一緒にいるってさっき言ったよね?なんでどっかいくの?」
「えっ…?ジュリアン様…。」
「様はいらない、ジュリアンでいい。」
シェンの目がすうっと細められる。そして俺は気がついたらシェンに抱き締められていた。
10
お気に入りに追加
3,131
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
【完結】僕の大事な魔王様
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
BL
母竜と眠っていた幼いドラゴンは、なぜか人間が住む都市へ召喚された。意味が分からず本能のままに隠れたが発見され、引きずり出されて兵士に殺されそうになる。
「お母さん、お父さん、助けて! 魔王様!!」
魔族の守護者であった魔王様がいない世界で、神様に縋る人間のように叫ぶ。必死の嘆願は幼ドラゴンの魔力を得て、遠くまで響いた。そう、隣接する別の世界から魔王を召喚するほどに……。
俺様魔王×いたいけな幼ドラゴン――成長するまで見守ると決めた魔王は、徐々に真剣な想いを抱くようになる。彼の想いは幼過ぎる竜に届くのか。ハッピーエンド確定
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/11……完結
2023/09/28……カクヨム、週間恋愛 57位
2023/09/23……エブリスタ、トレンドBL 5位
2023/09/23……小説家になろう、日間ファンタジー 39位
2023/09/21……連載開始
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される
Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木)
読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!!
黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。
死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。
闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。
そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。
BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)…
連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。
拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
Noah
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる