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異国での決意

★連れて帰られる

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俺はジュール達と別れてから、エリアスにある建物に連れていかれた。かなり昔からある大きな洋館だった。

そこに着くとロビーで恭しく執事のような初老の男性が頭を下げた。
調度品が素晴らしいのだろうけれど、俺にはよくわからない。シックで渋いインテリアだった。

「これは…エリアス様フィリックス様…お越し頂きありがとうございます」
「予約せずにすまないが、空いているか?」
「はい、ご予約なさらずともいつもVIPの方のために必ずご用意しております。」
「そうか、よかった。悪い、疲れたから先に休みたい。へとへとなんだ」
「承知いたしました…ではお食事はお好きなお時間にご用意いたしましょうか」

サクサクと話が進んでいき、ボーイと思われる若者が部屋へ案内した。ドアを開けて入ると、ものすごく豪華な部屋。大きなベッド、開放的なウッディな部屋…高級ホテルのスイートルームみたいだ。

あの、ここ、どこ…?

俺の視線に気づいたエリアスが笑って答えてくれた。

「ここは会員制のホテル。世界中にグループのホテルがあって、ワガママを結構聞いてくれるから俺は別宅のようにありがたく使ってるんだ。この国にもあるんでよく来てる。王宮は息が詰まるんでな」
「すっごい高そう…」
「まあ、王公貴族の客が多いかな…これ経営してんのフィリックスの実家だから」

は?うーわフィリックスまでお坊っちゃまだったわ…。俺がフィリックスを見上げると彼は照れたように笑う。

「いつもご利用ありがとうございます」

フィリックスがエリアスに挨拶をした。

「こいつ世界的なホテル王の息子だから。俺んちより確実に金持ち」

ぶっは!マジで?

「それがなんの因果か生まれた時からドラゴンが部屋にいて…オリオン号だが」
「俺も…カイザー号な…」

エリアスとフィリックスが嬉しそうに笑った。それはお母さんたちびっくりしただろうな…。

「それが数年後現れるシンを守るために運命付けられてたってならそれより嬉しいことはないんだ、…いいかシン、俺たちはお前がいないと生きていけないくらい大切なんだ、それだけはわかってほしい…」

エリアスが俺をぎゅっと抱き締めた。その力にどれだけ俺のことを大切に想ってくれているかがわかるような気がした。フィリックスが俺の手を握る。

エリアスに抱き締められて肩に顎を乗せて後ろにいるフィリックスを見上げると、彼がそっと俺の唇に自らのそれを重ねた。ちゅっ、とリップ音がして離れるとフィリックスが俺を熱っぽく見つめて微笑んだ。

「…シン、見つかってよかった…」

フィリックスが笑うけど、その顔が泣きそうでもある。

「ごめ…なさい…」
「もうどこにも行かないって約束してくれ…シンの気持ちはわかった、本当にそれだけは…。」

エリアスが絞り出すような小さな声で囁いた。少し声が震えてる…。

「ごめんなさい…約束、する…もう、どこにもいかない」
「俺とフィリックスから絶対離れないと誓ってくれ…絶望して死にそうだった、もう一度シンをこの手に抱くまでと思って耐えたんだ」

エリアスの腕が一層力を込められた。この痛みは忘れない。そしてエリアスが少々乱暴に俺の唇を噛むようなキスをする。

「っ、ん…!ふ…」

何度も何度も唇を奪われ、求められる。不意にフィリックスが俺のそばを離れた。少し離れた部屋のドアを開けて水音がした。

「風呂、入るだろ…バトルで汗をかいたしな」

エリアスが俺のシャツの裾を握ると一気に頭と腕を引き抜かれた。

「ええっ!?」

ムードもへったくれもなくするすると脱がされていく。すぐに俺は一糸纏わぬ姿になる。背中をすーっと撫でられて、熱い息を吐いてしまった。

「は…ァ…っ…。エリアス…」

「ふ、可愛い…」

エリアスがくすっと笑うと俺を軽々と抱き上げてさっきフィリックスが入っていったドアを開けた。

大理石でできた10畳ほどの広さの白いバスルーム。よくある、ライオンの口からドボドボとお湯が出ていて、広い浴槽にもう半分ほど張られていた。

フィリックスがもう先に入っていてシャワーを浴びている。

「ん、シン渡す」
「了解」

エリアスが裸の俺をフィリックスに手渡して脱衣所にむかった。

なにこの二人の息の合った連携…!

と思ってるうちにフィリックスからボディソープで洗われていく。

背中、腕、胸…。真っ赤になった俺の体を撫でるようにフィリックスの手が滑っていく。

胸のピンクな突起に触れたとたん、俺の口から小さな息が漏れた。

「ァっ…」

ふっと笑みをこぼしたフィリックスが指先で潰すようにそこの頂点を狙って何度も擦ってくる。その度に甘い疼きが大きくなって体が震えてきて、フィリックスにつかまっていないと立てなくなる。俺の腰を後ろから抱きかかえたフィリックスは執拗にそこを摘まんでくにくにと柔らかく指先で捏ねた。

「あっ、…あ…!や、ぁ…ぁぁん」

ピリピリとした快感が何度も体を蹂躙するように小刻みに襲ってくる。

久しぶりに触れられた俺はいつもより敏感に感じてしまっていた。




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