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伝説のゆくえ

★星空の下で

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今夜は飯を食って帰れとダリウスに言われてから、立派な屋敷を散策した。エリアスのお坊っちゃまなことを再認識しただけだったけれど。

ハンター一家であるこの家からエリアスという伝説の竜騎士が誕生したのは誉れ以外何者でもなかったらしい。でも、親は少し残念そうだったと笑って話してくれた。名門ハンターの跡継ぎとなるのはダリウス一人の肩にかかるからだ。

エリアスの自室で二人きりになる。夕刻までまだまだ時間があった。びっしりと並んだ本、贅を凝らした調度品、それに…。

「このベッド、天蓋つきだね…すごーい、陛下のだってこんなんじゃなかったよー」
「だろうな…異国の王族からのプレゼントらしくてか…俺はシンプルなのが好きなのにこの部屋は不満だらけだった」

ため息混じりのエリアスに俺は微笑んだ。

「エリアスの部屋、シンプルだもんな。すごいじゃん、寝てみてもいい?」

俺がふかふかのベッドに横になると、エリアスがカーテンの紐を外し、ベッドの周囲を囲った。カチャリと部屋の鍵をかける音がして、しばらくすると、カーテンをかき分けてエリアスが入ってきた。

「面白いだろ?これ…内側が星空なんだ」
「うん…綺麗だね」

天井の布に描かれた一面の夜空が金銀の糸で刺繍されている。天界から見える空はもっと美しいのかな?

「天界…ってどんなとこなんだろうね」
「シン…気になるか、親が…」
「ううん、生まれたときからいないから平気。ジジイたちの方が大切だもん」
「そうか」

エリアスは俺の隣に寝転がったまま天井を見つめた。

「あの古文書を読んで思ったんだが、二人の伝説の竜騎士が現れるときは、もしかしたらハーフドラゴンがいるのかもな…。記録には残ってないけど。」
「そうかもね…今、そうみたいだし」

俺はぼうっと天井を見ながら答えた。

『シンシア、その通りだ…時折ドラゴン族は人間と恋に落ちる者がいる、俺もまた同じ…今までに二人の竜騎士の出現は全てハーフドラゴンが理由だろう』

指輪から頭の中にオスカーが話しかけてくるのが聞こえる。

俺もその一人ってことか…。

エリアスが俺をぎゅっと抱き締めてきた。熱い息が首筋をくすぐる。

「絶対守るから…!命を懸けてでも」
「えっ、やだ!」
「シン?」

エリアスが首を傾げる。

「命を懸けて守ってもらったら、エリアスはいなくなるじゃん!エリアスのいない世界で生きろっていうの?そんなの嫌だ」
「シン…!」

俺はボロっと涙が出てきた。

「俺を守って死んだりしたら、後を追ってエリアスの命を無駄にしてやるから!」
「……。」

キッ!と睨んでやると、エリアスが目を丸くして俺を見て、そして一言呟いた。

「こっわ…」
「あ?何?だって命懸けなんて嬉しくない!置いてかないで…」
「シン…ごめん。わかった、一緒に生きような、ずっと一緒だ」

ぐすぐすと泣く俺の背中を撫でながらエリアスが子どものようになだめる。俺はエリアスの胸にもたれて服を掴んだ。

「俺…一人じゃないって思えるのは、エリアスと…フィリックスとラースがいてくれるからなんだよ…誰も、俺のために失いたくないし、誰かが欠けた世界で生きたくない。それくらいなら俺がいなくなったほうがいいもん」

これは本音だ。俺がハーフドラゴンというのなら、今の世界でこの種族は俺たった一人なのだろう。それを知ったとき、親がわかった喜びより孤独に苛まれた。だけどそれを緩和してくれたのはこの3人のお陰。

「…バカ、お前がいなくなったらそれこそ俺がダメになるわ」

エリアスが低い声でぽそりと呟いた。

「えっ?」

顔を上げた瞬間、かぶりつくようなキスが降ってきた。胸のあたりをぎゅっと掴んでいた俺は両手を上げてエリアスの首をかき抱くと、そのまま押し倒される。

「んっ、…ふ…、んっ…」

洩れだす切ない吐息と声が閉めきったカーテンにこもる。情熱的なエリアスのキスが俺の鼓動を大きくしていくんだ。

エリアスは俺の服を丁寧にするりと脱がせていく。一糸まとわぬ姿になった俺はエリアスのなすがままに転がされて啼かされた。胸の突起を吸って弄びながら、俺自身を優しく握って昂らせていく。

「ぅぁっ…そこ、あァ…っ」

何度となく押し寄せる快感に、柔らかな彼の明るい金髪をくしゃくしゃとかき回す。首を反りながら喘ぐばっかりの俺は震えながらエリアスを全身で感じている。

指を3本入れられ、散々啼かされた後、エリアス自身がひたりと当てられた。そして腰を推し進め、俺を広げて入ってくる。固くて熱い、エリアスが俺を求めてるんだ。そう思うと幸せな気持ちになった。

「ぅああっ…あっ…!あ、ん、あっ…」

エリアスの腰がゆらゆらと動き始め、それがどんどん力強く大きくなる。突かれる度に俺は高い声で喘いだ。他所の家だから少し抑えているつもりだけれど、エリアスは容赦しない。片足を持って大きく広げられ、斜め上から勢いよく腰を何度も振り下ろされた。

「あああっ!やっ、そ、こ…あっああっ、んっ!」

どうしようもない大きな快感を叩きつけられた俺はとても感じる部分のスイッチを押されてしまう。どうやら俺の体をもう熟知しているらしいエリアスは、どこを押すと啼くのかが分かっているようだった。ガンガン攻めあげられ、何度も絶頂に上らされた。

しかし、こ、この洗濯…誰がやるのだ…。後で自分で洗おうか…。汚しちゃった…。

なんて雑念を抱いてしまうくらいばっちり溢してしまった俺はシーツの染みを見て恥ずかしくなって目を伏せる。それを知ったエリアスはニヤっと笑ってまた擦ってきた。

「 あっ!」
「集中…してほしいな。俺はまだイってないからな…夕食までまだまだ時間はある、心配すんな、これは俺が何とかするから」

そのあともっと熱く激しく抱かれてしまった俺は意識を飛ばされそうになった。

シャワーを浴びて、スッキリしたあとで、部屋を出た俺たちはまた庭等を散策しながら夕刻まで過ごしてるうちに夕食の時間になった。

食堂で贅を凝らした美味しいディナーをご馳走になりながら、目の前でダリウスがめちゃくちゃ不機嫌になっているのに気づいた。

「エリアスてめぇ…」

睨み付けるダリウスを涼しげな顔でかわし、優雅にテリーヌを切り分けて口に運ぶエリアス。

「俺のベッドのシーツと換えただろてめぇ…!」
「!」

俺は驚きのあまり口に運びかけたパンを落としそうになった。

あれからエリアスはこっそりダリウスの部屋のシーツと交換してしまったというのか?

「後始末よろしくなダリウス」
「メイドさん達に俺が誰か連れ込んだと思われるだろうが!…くそ、この貸し返せよ…!」
「実際お前いつも連れ込んでるだろ?お兄様」

兄弟による小声のやり取りに俺はひたすら赤くなって小さくなった。

「どうした?食欲ないのかシン、もっと食って大きくならないと」

エリアスとダリウスの父親ガイウスがハハハと大きく笑い、俺の目の前に特大ステーキがドン!と置かれた。

































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