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竜騎士になったよ

温めてもらいました。

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誰も乗ってないオリオン号がカイザー号に抱かれるラースを心配げに舐める。

ラースも震えていた。カイザー号がラースをぎゅっと抱き締め、オリオン号が前足をラースに添えながら飛んでいる。。

「何でこうなるんですか…!」

フィリックスがブツブツと文句を言う。

「公平に考えたらこれでいいんだよ!文句言うな!俺だってシンに抱きつかれたいわ!」

エリアスが半ギレでフィリックスに怒鳴る。

カイザー号の鞍の一番前にフィリックス。
その背中に俺がぎゅーっと抱きつき、俺の背中をすっぽりとエリアスが包むという、3人乗りになっている。まるで電車ごっこのようだ。

お腹と背中が暖かくてぽかぽかしてる…!顔がにやけてきた。

俺はふわふわした気持ちで、そのまま少し眠ってしまったらしい。

◆◆◆◆

目が覚めて見えたものは、天井。俺はベッドの中にいるのだ。薄目を開けるとエリアスが部屋に入ってきたのが見えた。何故か上着を着てなくて上裸だ。ガッチガチに割れた腹筋に鍛え上げられた腕。締まった腰。その美貌と相まって何かの外国ドラマで見た超イケメンのアクション俳優みたいだ。

「フィリックス…風呂の湯入ったぞ。シンの体温はどうだ?」

エリアスが心配げに俺を見る。誰かが後ろから俺の体を手のひらで確かめるように触れていく。あれ?服を着てないぞ俺…。

温かい手が腹からすうっと上に撫で上げられた時…

「はぁ…!」

全身の力が抜け、口からあり得ない音が出た。

自分にびっくりして口を押さえ、ふりむくとフィリックスが俺を後ろから抱き締めている。

「可愛い声…」

フィリックスが微笑み、俺をまたぎゅっと抱き締めた。フィリックスも上裸だ。えええ…!

今、少し混乱してるけど、きっと戻ってからここで二人で俺を温めてくれてたんだということなんだろうか。

顔が近くなってきたと思ったら唇を塞がれた。

「んっ…」
「まだ冷たいな…」

俺の首筋に手を添えて、またちゅっとキスをして唇が触れる。

すぐそばに腰かけて俺の額に手を触れたエリアスが布団の上から抱き締めた。

「大丈夫か?」

エリアスが俺の唇に触れた。何度かついばむようなキスをして、一度かぶりつかれると、するっと舌が入ってくる。

「ふ…!ん、ん…」

いきなりの事に目をぎゅっと閉じてしまう。口の中を確かめるようにエリアスの舌が絡んできた!息のし方がわからなくて苦しい。しばらくすると唇が解放された。
荒い息をついた俺の頬にエリアスの唇が這うように触れていく。

「35度くらいか…確かにまだ冷たいが、だいぶマシか…」

エリアスが少し安心したように笑う。

「?!」

目を剥く俺。

「そうですね。さっきはまだ34度少しくらいで危険だったので…それにしても魔力制御された武器の状態異常だけに、治癒の魔法も使えないから二人の肌で温めるという原始的な方法になりましたけど…」

なに?魔力制御?状態異常?肌で温める?

それよりサラっと会話してるお二人さん?体温はキスで計れるものなの?
貴殿方の唇には体温計って文明の利器吹っ飛ばすくらい高性能なセンサーついてんの?

「シン、風呂に入るか?温めてあるぞ。」

エリアスが笑いかけた。

俺はフィリックスに抱えられ、温かい湯を張ったバスタブに身体を沈められる。

つか、裸ですよね俺。そのまま裸を見られてるわけなんですよね。…そこ怖くてツッコめませんけど。

うわああああ。温かさが染みるというか、痛いくらい熱い…でも身体中ゾクゾクするほど気持ちいい…ふわわわ。

「よく温まれよ。何かあったら呼んでくれ」

フィリックスとエリアスが微笑みかけてバスルームから出ていった。

俺は心も体も安心してぽうっとなってしまう。

優しいな、二人とも。











    
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