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プロローグ

逃避行②

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 ダンケロ達一行はカルロスが見つけた洞窟に到着した。



「…ここか」



 ダンケロがそう呟く。



「へぇー、ここでございやす。見ての通り入口は狭いですが中は大人が2人通れるほどの広さになっておりやした」



 すると、カルロスが待ってました、とばかり説明を始めた。



「ふむ……では、お前たち先に入って確認してこい」



 ダンケロは頷き、部下に洞窟に入るように指示を出した。



 部下が洞窟に入り、それに続こうとダンケロが歩みを進めた時、



「ダンケロさん…あれ…ホンマですよね…」



 カルロスは声を潜めてダンケロに確認した。



「——ッ!?あ、あぁ。ホントだ」



 振り向きカルロスを見たダンケロは一瞬、慄いてしまった。



 それくらい普段とはかけ離れた雰囲気を醸し出していたのだ。



(こいつ、こんなオーラ出せるのかよ!)

 

「いや~、すいやせんね。ちょいとばかしお金に困って、必死だったもんで…ハハ」



 そう言うのは、先程の鋭い雰囲気を放つカルロスではなく、普段のおちゃらけたカルロスだった。




 ***




 ダンケロ達が洞窟を見つけたころケリーは未だ眠っていた。



 10歳のケリーにとって初めての命の危機を感じつつの逃避行。よほど疲れがたまっていたのか硬い地面に直に寝ているのにも関わらず熟睡してた。




「……先…入……確認してこい」



「…ん、……ハッ…ッ!?」




 混濁した意識を一気に覚醒させるように頭を振り、声が聞こえたほうを確認する。



 すると、歩いて3分ほど先に松明を持った二人の男が立っており、洞窟の入口から続々と人が入ってくるのが見えた。




 (やばいやばい、早く逃げないと。くそっ、こんなとこまで追ってくるなんて、僕が何をしたって言うんだ!?ただ家族三人で貧しくも楽しく暮らしていただけなのに!)




 焦り、怒り、悲しみ。

 まるで昨日の出来事を表すかのように感情が沸き上がってくる。




(空気が奥のほうに流れているからどこかにつながっているはずだ。幸い僕は昔から暗い場所でも目がきくから、あいつらよりも早く移動できるはずだ)




 そう考えできるだけ音をださず、しかし素早く奥へ進む。




 しばらく進んだころ、「ザァー」と水が流れる音が聞こえてきた。その音は進むにつれて徐々に大きくなっていく。



 嫌な予感を感じながら進むと、奥には巨大な地下渓谷が見えてきた。

 落ちないように地面をしっかりと掴み、下を確認する。



 すると、三メートルくらい下に物凄い速さでうねりを上げ、水が流れている。

 何か手段がないか考えていると————




「ダンケロさん見つけやしたぜ!!」

「なに!?よくやった!!!」



後ろから声が聞こえた。



ケリーは慌てて後ろを振り向く。



「―――――ッ!?」



するとそこには——————5人の男たちがこちらを向きながら薄暗い笑み浮かべていた。



「へっへっへ、坊主悪いようにしないからこっちへきな」



気持ち悪い笑みを浮かべたカルロスがケリーに言う。



「い、いやだ!なんで追ってくるんだ!!僕が何をしたっていうんだ!」



「ハッ、知るかよ。てめーはこっちに来ればいんだよ!!」



「おい、カルロス。ここからは俺がやる」



 ダンケロはそう言うと、ケリーに向かって思いっきり殺気を放った。



それは、これまで逃げ続けられた苛立ちを表しているのか…はたまた、カルロスに再度、自身の強さをわからせるためか…

審議はわからない。



が、殺気を受けるケリーにとってはどうでもいいことである。



 初めて面と向かって殺気を受けたケリーは、あまりの恐怖に一歩後ろに下がってしまう。その瞬間————————足元の地面が崩れた。



「うわぁああああっ!!!」



 そのまま真っ逆さまに川へと落ちていった。上下左右、方向感覚が全くつかめずただもがくだけ。



薄れゆく意識の中浮かんできたの涙を流しながらも必死に微笑んでくれている別れ際のお母さんとお父さんの顔だった。





 ー-あとがき--



 自分が考えていることを文章にするのはとてもたいへんですね。

 うまい言葉が見つからず、微妙なニュアンスが伝わりません。

 いつもは読む立場なんですが、書く立場になって小説を読むとよくこんな言葉浮かんでくるなと感心してしまいます。

 できるだけ毎日上げていこうと思っているのでよろしくお願いいたします。

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