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第二十四話
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「いやよ! こんな女を王宮に仕えさせるなんてごめんだわ!!」
呼ばれたので訪れたら、部屋にいた女性にこんな事を言われました。
こんな女って私ですよね? 初めてお会いする方にそんな事を言われると少し落ち込んでしまいます。
この部屋(アベニール様のお屋敷のリビング程の広さ)には私とアベニール様、そして若く高貴そうな男性が四名と同じく若く高貴そうな女性が六名います。
見た感じだと女性二名は私よりも年下でしょうか。
中央正面に年長らしい男性と女性、そして左右に弧を描いて立っています。
「落ち着けリーフ。お前が反対した所で使う使わないの決定権はないんだぞ」
一番落ち着いている年長らしい男性が発言しました。
金髪のショートヘアーで少し角ばった顔つき、眼光は鋭く服の上からでも筋肉質なのがわかります。
黒い詰襟を着ていますが軍人でしょうか。
「だってグーお兄様、僕は絶対に嫌です! セーお兄様がどうしてこんな女を!」
一番右側にいる少女は私の事が嫌いなのでしょうか。
初めて会ったはずですが……
「こらリーフ、その呼び方はやめなさいと何度も言っただろう? あと女の子なんだから僕と言わず私と言いなさい」
「うぅ~、ごめんなさいシルお兄様」
シルお兄様と呼ばれたメガネをかけた知的な男性は、やめろといったのに恐らくはあだ名呼びされたのでしょう、目を細めてため息をつきます。
グーお兄様、セーお兄様、シルお兄様、リーフ……何でしょう、少しだけ聞き覚えがあるようなお名前ですね。
高貴な御方でグー、セー、シル、リーフ……あ、ああっ、あああああああ!!
「ぐ、グロリア王子……シルフィー王子……リーフ王女……?」
「気が付いたかシルビア。そうだ、この方々はこの国の王子王女だ」
「は、は、は、初めまして! 私はシルビアと申します! お、お会いできて光栄です!」
慌てて頭を下げました。
えっと、えっと、王族? なんで私は王族と会っているのでしょうか!?
それに仕えるって?
「ようやく気が付いたか。いきなり王族が目の前にいるなんて思いもしないだろうからな、あまり緊張する必要はないぞ」
無理! それは無理無理です!!
私はずっと頭を下げたままでいましたが、見るに見かねたアベニール様が私の頭を持ち上げました。
「皆さんがお前に会いたいとおっしゃったのだ。お前は呼ばれた立場なのだからあまり下手に出過ぎると失礼になる」
「は、はい」
ドキドキしながら顔を上げましたが、う、うわぁ、美男美女ばっかりだぁ。
「それで、あなたは王宮に仕えたいのかしら?」
中央の女性が扇子を口に当てながら発言しました。
女性は茶色い髪で床まで届きそうなロングヘアー、目は慈愛に満ちているように見えますが、その奥では私を値踏みしているように見えます。
ドレス、というよりも体のラインが良く見える青いアオザイのようです。
「王宮に仕えるという意味が、その、わかりません。私はアベニール様の下でプリメラ、プリメーラ様の付き人をしています。その任を解かれない限りは他へ行くつもりはありません」
私の言葉に目の前にいる美男美女は面食らったような顔になります。
あ、あら? 変な事を言ったかしら。
「ぐあっはっはっは! お前ならそう言うと思っていたぞシルビア。皆様方、お聞きの通りシルビアにその気はないようです」
「なによ! 僕達やセーお兄様よりもプリメーラが良いっていうの⁉」
一番右の少女、確かリーフ王女だったわね、水色のショートヘアーで活発そうに見えるし、服装も男の子みたいだ。
あれ? さっきは私が王宮に仕えるのを反対していませんでしたか?
「リーフお姉たま、落ち着いてくだしゃい。わたち達は面接をしているだけでしゅから、ここで文句をいってもしょーがないでしゅよ」
今度は一番左の少女が発言しました。
背は低いですが恐らく十歳前後、金色のふわふわカールのロングヘアー、髪には赤いリボンを二個付けています。
おっとり、というよりも少し眠そうな顔で、ピンクのドレスを着ています。
「だ、だってローちゃん、こいつセーお兄様よりもプリメーラがいいって!」
あーまた始まった。
どうやら私が王宮で働く資格があるかどうかの面接らしいけど、一体どこからそんな話になったのかしら。
アベニール様が私を連れて来たんだから、アベニール様は御存じなのよ……ね!?
はわ、はわわわ、アベニール様の顔が真っ赤に、これは凄く怒っているわ。
「リーフ様、どれだけ人を侮辱すれば気が済むのだ。プリメーラは良い子だしシルビアは命がけで使命を果たす子だ。どちらも私の可愛い娘なんだぞ」
地響きが起きそうな低い声に王族たちも思わず姿勢を正します。
ああ、まだまだ役者が違うという事ね。
わ、私も思わず姿勢を正してしまったわ。
「コホン、あ~えらいすんませんなぁアベニール卿。うちの子たちは少々兄弟愛が強すぎて、気持ちが暴走してしまいましたわ」
左側にいる女性、愛嬌のある顔立ちで茶色く長めの髪を右上で纏めています。
落ち着きのある質素な薄緑の膝上ドレスを着ています。
「わかりましたステージア様。しかし忘れないでいただきたい、グロリア様とシーマ様以外は、まだ私の方が役職上でも上であるという事を」
ああそうだったわ。
中央のお二人、グロリア様は第一王子として国王になる事が確定しているし、第一王女のシーマ様は他国の第一王子と婚約している。
それ以外は国王クラスには程遠いし、国への貢献度も違いすぎるわね。
「すまなかったなアベニール卿。では話を戻そう、シルビア、君を王宮のメイドにと推薦が来ているんだ。それを受けるつもりはあるかい?」
「グロリア様、先ほども申しましたが私はプリメーラ様の付き人です。任を解かれない限りは勤め上げるつもりなので、お受けすることは出来ません」
「ふふふ、すでに答えは出ていたわね。ごめんなさいねシルビア、変な事に付き合わせてしまって」
「いえシーマ様、皆様にお会いできたことが何よりも名誉です」
「じゃあもうセーお兄様には近づかないでよね!」
そして私とアベニール様は部屋を出ました。
そういえばセーって誰かしら? 王子王女は十一人もいるから、上の方は覚えているけど下の方は名前をしっかり聞かないと思い出せないわね。
呼ばれたので訪れたら、部屋にいた女性にこんな事を言われました。
こんな女って私ですよね? 初めてお会いする方にそんな事を言われると少し落ち込んでしまいます。
この部屋(アベニール様のお屋敷のリビング程の広さ)には私とアベニール様、そして若く高貴そうな男性が四名と同じく若く高貴そうな女性が六名います。
見た感じだと女性二名は私よりも年下でしょうか。
中央正面に年長らしい男性と女性、そして左右に弧を描いて立っています。
「落ち着けリーフ。お前が反対した所で使う使わないの決定権はないんだぞ」
一番落ち着いている年長らしい男性が発言しました。
金髪のショートヘアーで少し角ばった顔つき、眼光は鋭く服の上からでも筋肉質なのがわかります。
黒い詰襟を着ていますが軍人でしょうか。
「だってグーお兄様、僕は絶対に嫌です! セーお兄様がどうしてこんな女を!」
一番右側にいる少女は私の事が嫌いなのでしょうか。
初めて会ったはずですが……
「こらリーフ、その呼び方はやめなさいと何度も言っただろう? あと女の子なんだから僕と言わず私と言いなさい」
「うぅ~、ごめんなさいシルお兄様」
シルお兄様と呼ばれたメガネをかけた知的な男性は、やめろといったのに恐らくはあだ名呼びされたのでしょう、目を細めてため息をつきます。
グーお兄様、セーお兄様、シルお兄様、リーフ……何でしょう、少しだけ聞き覚えがあるようなお名前ですね。
高貴な御方でグー、セー、シル、リーフ……あ、ああっ、あああああああ!!
「ぐ、グロリア王子……シルフィー王子……リーフ王女……?」
「気が付いたかシルビア。そうだ、この方々はこの国の王子王女だ」
「は、は、は、初めまして! 私はシルビアと申します! お、お会いできて光栄です!」
慌てて頭を下げました。
えっと、えっと、王族? なんで私は王族と会っているのでしょうか!?
それに仕えるって?
「ようやく気が付いたか。いきなり王族が目の前にいるなんて思いもしないだろうからな、あまり緊張する必要はないぞ」
無理! それは無理無理です!!
私はずっと頭を下げたままでいましたが、見るに見かねたアベニール様が私の頭を持ち上げました。
「皆さんがお前に会いたいとおっしゃったのだ。お前は呼ばれた立場なのだからあまり下手に出過ぎると失礼になる」
「は、はい」
ドキドキしながら顔を上げましたが、う、うわぁ、美男美女ばっかりだぁ。
「それで、あなたは王宮に仕えたいのかしら?」
中央の女性が扇子を口に当てながら発言しました。
女性は茶色い髪で床まで届きそうなロングヘアー、目は慈愛に満ちているように見えますが、その奥では私を値踏みしているように見えます。
ドレス、というよりも体のラインが良く見える青いアオザイのようです。
「王宮に仕えるという意味が、その、わかりません。私はアベニール様の下でプリメラ、プリメーラ様の付き人をしています。その任を解かれない限りは他へ行くつもりはありません」
私の言葉に目の前にいる美男美女は面食らったような顔になります。
あ、あら? 変な事を言ったかしら。
「ぐあっはっはっは! お前ならそう言うと思っていたぞシルビア。皆様方、お聞きの通りシルビアにその気はないようです」
「なによ! 僕達やセーお兄様よりもプリメーラが良いっていうの⁉」
一番右の少女、確かリーフ王女だったわね、水色のショートヘアーで活発そうに見えるし、服装も男の子みたいだ。
あれ? さっきは私が王宮に仕えるのを反対していませんでしたか?
「リーフお姉たま、落ち着いてくだしゃい。わたち達は面接をしているだけでしゅから、ここで文句をいってもしょーがないでしゅよ」
今度は一番左の少女が発言しました。
背は低いですが恐らく十歳前後、金色のふわふわカールのロングヘアー、髪には赤いリボンを二個付けています。
おっとり、というよりも少し眠そうな顔で、ピンクのドレスを着ています。
「だ、だってローちゃん、こいつセーお兄様よりもプリメーラがいいって!」
あーまた始まった。
どうやら私が王宮で働く資格があるかどうかの面接らしいけど、一体どこからそんな話になったのかしら。
アベニール様が私を連れて来たんだから、アベニール様は御存じなのよ……ね!?
はわ、はわわわ、アベニール様の顔が真っ赤に、これは凄く怒っているわ。
「リーフ様、どれだけ人を侮辱すれば気が済むのだ。プリメーラは良い子だしシルビアは命がけで使命を果たす子だ。どちらも私の可愛い娘なんだぞ」
地響きが起きそうな低い声に王族たちも思わず姿勢を正します。
ああ、まだまだ役者が違うという事ね。
わ、私も思わず姿勢を正してしまったわ。
「コホン、あ~えらいすんませんなぁアベニール卿。うちの子たちは少々兄弟愛が強すぎて、気持ちが暴走してしまいましたわ」
左側にいる女性、愛嬌のある顔立ちで茶色く長めの髪を右上で纏めています。
落ち着きのある質素な薄緑の膝上ドレスを着ています。
「わかりましたステージア様。しかし忘れないでいただきたい、グロリア様とシーマ様以外は、まだ私の方が役職上でも上であるという事を」
ああそうだったわ。
中央のお二人、グロリア様は第一王子として国王になる事が確定しているし、第一王女のシーマ様は他国の第一王子と婚約している。
それ以外は国王クラスには程遠いし、国への貢献度も違いすぎるわね。
「すまなかったなアベニール卿。では話を戻そう、シルビア、君を王宮のメイドにと推薦が来ているんだ。それを受けるつもりはあるかい?」
「グロリア様、先ほども申しましたが私はプリメーラ様の付き人です。任を解かれない限りは勤め上げるつもりなので、お受けすることは出来ません」
「ふふふ、すでに答えは出ていたわね。ごめんなさいねシルビア、変な事に付き合わせてしまって」
「いえシーマ様、皆様にお会いできたことが何よりも名誉です」
「じゃあもうセーお兄様には近づかないでよね!」
そして私とアベニール様は部屋を出ました。
そういえばセーって誰かしら? 王子王女は十一人もいるから、上の方は覚えているけど下の方は名前をしっかり聞かないと思い出せないわね。
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