儀式に失敗してロリっ子サキュバスを召喚し、ロリコンに目覚めてしまった俺の末路は

星空永遠

文字の大きさ
上 下
10 / 34
一章

9話 大学の後輩が美人だった件について

しおりを挟む
「……幻、龍幻!」
「え?そんなに大声出してどうしたんだ、ルリエ」

「さっきから呼んでるのに。買い物終わったし、アイス買ってくれるよね?」
「はっ……いつの間に」

さっき導らしい人物を見て焦っていた。見つからないか、ずっとヒヤヒヤしていたせいでいつ買い物が終わったのか記憶にない。

いや……よく思い出せ、俺。

「龍幻、これサイズちょうどいい。どう?似合ってるかな?」
「あ、あぁ……」

「もう龍幻、ちゃんと見て!」
「っ!?」

ルリエの胸のところに顔を持っていかれた。ルリエの下着姿が思ったよりも似合っていて、むしろ俺には刺激が強すぎるくらいだった。下着があるだけでこんなにも違うものなのか。

ルリエの胸が俺の顔に当たってる。だが、谷間がないので硬い場所に触れているせいか微妙に痛い。

召喚した際、胸を最初に触ったときと違ってルリエとの距離が近い。ほとんどゼロ距離だ。いい匂いする。これが女の子特有の甘い香りってやつか。なんだか頭がクラクラしてきた。

そこから、俺の意識はプツリと途絶えた。手は出していないし、理性も飛んでいないと……思う。人気が多い場所で本当に助かった。しかし、思考が停止するってマジであるんだな。

「龍幻、大丈夫?疲れてるなら休んだほうが……」
「平気だから気にするな。アイス買いに行こうな」

ポンポンとルリエの頭を撫でる。これ以上の心配をかけるわけにはいかない。が、友人と鉢合わせする可能性もなくなったわけじゃない。でも、買い物が終わったら買ってやるって約束したしな。

「わーい!龍幻、こっち!あ、その……その前に、お手洗い行ってきてもいい?」

モジモジと恥ずかしそうにするルリエ。もしかして我慢してたのか?そうか、男の俺には言いにくいことだもんな。

「ああ、近くで待ってるから」
「うん、行ってくるね」

小走りでルリエはトイレに駆け込んだ。俺は時間潰しのためにスマホをいじって待っていた。

「あれ?もしかして……龍幻?」

その声を聞いて、俺はスマホをしていた指がピタリと止まる。

目の前にいたのは、紛れもない友人の導だった。

「……ひ、人違いです」

俺はあからさまな嘘をつき、目を逸らす。

わかっていた。多少なりとも覚悟はしていたんだ。けど、まさか本当に見つかるなんて。俺がわかるくらいだもんな、導だったら気付いてもおかしくないか。

幸い、ルリエは今トイレにいる。だから、ワンチャン言い逃れできる気がする。考えるんだ俺。最善の方法を。俺が一人で、デパートに来てもおかしくない理由を。

「またまた~。それで、龍幻は何を買いに来てたんだ?しかし、休日は引きこもりのお前が珍しいよな~」
「本屋にちょっと、な。ほら、ここの本屋デカいだろ?この前、深夜アニメの話してただろ。だから神崎紅先生が書いた原作本をな」

「マジで!?やっぱり龍幻は話がわかる奴だ!俺はこんな親友を持って幸せ者だぞ」

ガッ!と両肩を掴まれた。導の表情がすごく嬉しそうだ。この作戦は上手くいったな。そうだよな、誰だって自分の好きな話題を出されればテンションも上がるよな。

しかも、以前に聞いていたから俺の言い分に矛盾な点や変なところはない。故にツッコまれる心配もないってわけだ。あとは適当に会話して、この場から立ち去ろう。

「先輩。その方が言ってるのは恐らく嘘ですよ」
「へ?」
「は?」

導もポカンとしている。が、俺はそれ以上に驚いていた。今の話に違和感を感じるところがあったのか?肝心なとこで俺はミスを……と頭をフル回転させて考えていた。

さっき、導の隣にいた女子だ。お尻まである長い金髪に、宝石のようにキラキラと輝く青い瞳。ルリエと同じで、外国人のような見た目。身長は150cmくらいか?

遠くからだとわからなかったが、かなり美人だ。が、胸はさほど大きくない。ルリエより大きいのは確かだが。って、俺はどこを見ているんだ。

そもそも、この子の服装が肩出しで、胸元が開いてるやつだから自然とそっちに目線がいってしまう。それに、足元はガーターベルトを履いてるし。スラッと伸びた足と相まって色気が出ている。

この時期に寒くないのか?と思ったが、右手にはコートらしきものを持っている。さすがに外でその格好はしないよな。

アニメでは見たことあるが、現実でガーターベルトを履いてる女子を俺は今まで見たことがない。これは人を選びそうなものだが、確実に似合ってる。色白の肌もそうだが、ルリエにはないエロさが身体から出ている気がする。

この場合、フェロモンというべきだろうか。なんだろう、目を合わせているだけでも変な気分になりそうだ。

「初めまして、紹介が遅れました。私、暁月《あかつき》羽音華《はねか》といいます。導先輩とはサークルが同じで……」

「俺は白銀龍幻っていいます……って、同じサークルって、まさか」

変わった名前だなと思いつつも挨拶を交わす。俺も人のこと言える立場ではないしな。身長が低かったから勝手に高校生くらいかと思っていたが、大学生なのか。

「そう、俺と同じアニメ研究部!羽音華《はねか》ちゃんは最近入部した後輩でさ。見た目はめっちゃ美少女なのに、ミーハーなアニメからマイナーのアニメまで知ってて。話してる内に意気投合して、今日も五階にあるメイトに寄ってきた帰り」

「へ、へぇ。アニメ好きなのか……」

俺はチラリと暁月を見る。こんな見た目でオタクとは、さぞサークル内ではモテるだろうな。あだ名はオタサーの姫だったりしてな。

学年が違うとはいえ、俺は今まで暁月の存在を知らなかった。これだけ美人なら大学内でも有名になってそうなのにな。それこそ、新入生に美人がいたぞ!とウワサがあったりとか。さすがに大学生ともなれば大人だし、そういうのはないのだろうか。

「私、導先輩から白銀さんのこと聞いてたんです。イケメンで優しい友人がいるって。それって白銀さんのことだったんですね」

「は?誰がイケメンだって?」

それは、どこの白銀さんのことを言っているんだろう。

「貴方のことです。確かにすっごくイケメンで、正直驚いちゃいました。こんなにカッコイイ人が世の中にいるんだなって……」

頬に手を当てて恥ずかしそうにしている暁月。それ、本気で言ってるのか?と思わず聞き返しそうになった。

導は、男の俺からしてもイケメンだし他の男子も「生まれ変わったらお前の顔になりたい!」と言われているほど顔が整っている。

だが、しかし、俺は導とは違ってブサイク……ではないが平均くらいだ。自分で醜いと言うとへこむし、やめておこう。

「羽音華《はねか》ちゃんもやっぱりそう思う?龍幻ってカッコイイよなぁ」
「はい、そう思います!」

お世辞、社交辞令にしてもこれはあんまりだ。俺は騙されているのか。それとも、この二人の見る目がないのか、どっちなんだ。

俺はルリエのことを聞かれないか不安になっていたが、互いの自己紹介やら俺の顔の話で忘れていると思い、安堵の声を漏らしかけたその時、

「本屋に行ったのに、どうして女の子専用の下着の袋を持っているのかな?不思議ですね。隠すなら上手く隠さないと……ねっ、龍幻センパイ」
「っ……」

耳元で俺だけに囁かれる言葉。ゾクッとしてしまう俺。それは恐怖も感じると同時に、この子に嘘は通じない。そう思った瞬間だった。まるで、俺の心全てを見透かされている気分だ。

一体、暁月という後輩は何者なんだ?

「……導先輩、次は予約していたコラボカフェに行きましょう」
「それもそうか。そろそろ時間だし、また大学でな!龍幻」
「あぁ、またな」

少ししか話していないのに、恐らく彼女は最初から気付いていたんだ。そんな気すらしてきた。

それにしても、凄い洞察力だ。導は、俺が袋を手に持っていることについて触れなかった。普段のアイツなら、気付いたらすぐに俺に聞く。だから本当に気づかなかったんだ。けれど、彼女……暁月は違った。

あの場にルリエがいなくて本当に良かった。俺はサークルにも入ってないし、暁月と関わる機会なんて早々訪れない。でも、用心に越したことはないしな、気をつけておかないと。ルリエの正体も存在についてもバレてはいない。でも、今回はたまたま運が良かっただけかもしれない。

「龍幻、遅くなってごめんね。人が結構並んでて……」
「大丈夫だ、そんなに待ってないから。買い物も終わったしアイス買ったら家に帰るか」
「うん!そうする」

ルリエは俺と手を繋ぐ。どうやら、これが安心するようだ。ルリエといると俺も落ち着く。たしかに暁月も美人だったけど、別れ際はなんだか怖かったし。俺には、少し小さいくらいの女の子でちょうど良いのかもしれないな……と笑みをこぼした。

ルリエと一緒だと俺がまわりから変な目で見られるんだって!俺も流されていたが、このままでは駄目だ。自分でも気付かない間に俺はロリコンになっているんじゃ……。

「ルリエ、早く大きくなってくれ」
「え?う、うん?」

唐突にそんなことを言われて、よくわからないと言った顔で返事を返すルリエ。

俺は断じてロリコンじゃない!と、心の中で叫びつつ、俺はルリエと家に帰るのだった。



「おやすみ、ルリエ」
「うん!おやすみ、お兄ちゃん!」

食事と風呂を済ませ、寝る時間になり別々に就寝する俺とルリエ。

(そろそろ新しいベッドでも新調するか)

シングルベッドだと俺が寝れない。ルリエにベッドを貸すのはいいが、新しいものを買わないと俺がいつまでも床で寝る羽目になる。さすがに身体のあちこちが悲鳴を上げてるし。

ベッド買う金はないから、シフトを増やしたバイトをもっと頑張ってそれで金が溜まったら……それか安布団でも買うか。一人分なら何とか大丈夫なはず。

俺は夢現にそんなことを考えながら、夢の中へと落ちていく。だんだんと重い瞼が開かなくなってきた。今日はいつも以上に歩いたし、疲れたな。

「……パイ」

(なんだ、声が……聞こえる)

「起きてください」

(女の声だ。ルリエか?いや、違う)

「お前は……暁月!?」
「あ、やっと起きたんですね。おはようございます」

「日付が変わったから……昨日ぶりですね。龍幻セ・ン・パ・イ♪」

そこにいたのは昼に会った後輩の、暁月《あかつき》羽音華《はねか》だった。如何わしい下着で、あろうことか暁月は馬乗りで俺の上にいた。

舌舐めづりをしている暁月。月明かりに照れされている青い瞳は昼に見た時よりも輝いて見えた。

暁月は、美味しそうな獲物を見つけた……といった表情で俺のことをジッと見ている。

これ、なんていうエロ〇ーですか?

俺は今、自分の置かれてる状況に理解が追いつかず、現実逃避をしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

元勇者のデブ男が愛されハーレムを築くまで

あれい
ファンタジー
田代学はデブ男である。家族には冷たくされ、学校ではいじめを受けてきた。高校入学を前に一人暮らしをするが、高校に行くのが憂鬱だ。引っ越し初日、学は異世界に勇者召喚され、魔王と戦うことになる。そして7年後、学は無事、魔王討伐を成し遂げ、異世界から帰還することになる。だが、学を召喚した女神アイリスは元の世界ではなく、男女比が1:20のパラレルワールドへの帰還を勧めてきて……。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...