お前と番になってたまるか!

yufa

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「直ちんと晴ちゃん本当ラブラブだよね」

俺と晴が放課後二人で話してると晴がつれていかれた時助けてくれたタッキーが話しかけてきた。


「そ、そうか!?」

「うん、周りから見てみても分かるよ」


すると晴はもじもじしていたので背中をポンッと叩いて緊張をほぐすと深く深呼吸し震えた声で晴は口を開いた。

「あ、あの滝川君」

「何?晴ちゃん」

「この前は直樹を呼んでくれてありがとう、滝川君が教えてくれなかったら・・・俺」

「気にしないで、俺はただ直ちゃんを呼んだだけで何もしてないよ、あとタッキーでいいよ」


「うんありがとうタッキー」


晴が俺以外の人と握手をするのを初めて見たが俺の心境は複雑だった友達が増えるのは俺にとっても嬉しいことだしかし俺の晴が離れていくような気がして寂しくもある。







通学路をいつものように手を握って帰ると
タッキーと話しているとき楽しそうだった晴の顔を思い出し、あんまりいい気分ではなかった。


「直樹?元気ないよ嫌な事でもあった?」

「えっ!?そんなに暗かったか?」

「うん、もしかして俺直樹に気にさわるようなことした?だったら俺治すから教えて?」


晴は何でも知ってる俺が元気ないと真っ先に自分を疑ってしまうところが晴の悪い癖だ。


無意識に直樹は晴をそっと抱きしめた。


「晴に治すと頃なんてないよ、俺が勝手に嫉妬してるだけ」


「嫉妬?」

「あぁ、タッキーと話してるときの晴の笑顔が可愛くて他の奴に見せたくねぇと思った。勿論、仲の良いタッキーにも」


「どうして?」

「本当はずっと俺だけ見てて欲しいし他の男なんて視界に入れてほしくない、晴と離れるなんてもう嫌なんだ」


「離れたりなんてしないよ、いなくなったりもしない、だって俺は直樹の番なんだから」


柔らかい唇を互いに重ねるとじんわりと熱が伝わり二人の心拍のスピードはどんどん速くなっていった。


「直樹また明日学校で!」

「なぁ?晴、日曜日デートしょうぜ」

「うん」


二人は約束をすると胸を踊らせながらそれぞれの通学路を走った。














「遅刻しちゃう」


俺は時計の目覚ましをセットし忘れ慌ててアパートの部屋の鍵を閉め階段を降りようとすると背筋の凍るような気配を感じ後ろを振り向く

「誰!」

その瞬間サングラスを掛けた人物に胸を強く押され一瞬時が止まった


反応に遅れた晴は階段から足を踏み外すと錆びた鉄板の階段に何度も体を叩きつけられ重力に引っ張られると頭を地面に殴打した。晴の意識が薄れていき頭部から血はどんどんと流れ、体温は低下し始めそのまま瞼を静かに閉じた。







「ごめんなさいねでもねうちの直樹をたぶらかすからこうなるのよ」


サングラスを外すと直樹の母は復讐の闘志を散らしていた。


「恨むなら自分の人生を恨みなさい」


再びサングラスを掛けるとまるで霧のように姿を消していった。



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