フリーター、ゴーレムになり異世界を闊歩する

第二章 悪逆非道、邪悪なゴーレム

第十四話 旅立ちのゴーレム

さあ冒険の始まりです！
といってもただのお使いですが。
でも森から出るのって初めてー。
村も途中であるらしいし・・・村。村？！
ダメじゃん！お金ないじゃん！
違う。そうだけど違うよ。
そもそもオレはゴーレムですよ？
この土塊の筋肉！
冷たい質感のありそうなお肌！
そして分厚い装甲板！
ぶっちゃけモンスター側じゃないでんすか？！
こんなの人間見たら普通に武器取り出しますやん！
オレ涙目じゃん！
無理無理、村なんて入れない！
せめてしゃべれたらなあ、まあしゃべれても信用されないだろうけど。
はあ。通りとかにゴーレムがいっぱいいる村なら入れるだろうな。
うん、ありえないでしょ。
とか考えつつずっしんずっしん進むわけですよ。
エンカウーント！

『ジャアアアアアアアアアアアアアア！』

うわ、森の中で見た蛇よりでかい。
オレのこと一飲みに出来そうだ。
こんなの普通に外にいるわけ？この世界は！
あの森が特殊なんじゃなかったんですか？！
わあー、いきなり突進してきた！
ぐう、流石に倒される！
すぐに起き上がれ！
くそ、体に巻き付かれた！
締め付けが強い！痛くはないけど身動きが取れない！
首を回しても鱗しか見えないな。なんつう不吉な体の色してるんだこいつ。
赤黒い、とにかくでかい蛇！
くう、重力魔法解除！
この重量ならどうだ！
お、少しひるんだか・・・ああ！締め付けがより強く！
逃げ出せるほど素早くないんですよ！ワタシ！