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わくわくのダンジョン研修

第45話 わくわくのダンジョン研修 19

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 30層のボス部屋に入ると、中は墓場です。和風ではなく洋風ですね。
 その墓場の中心には襤褸のローブを身にまとい、高価な装いの杖を持った不死の魔術師。あ、ダンジョンだから不死というわけではないですからね。
 ゾンビ系列のボスですね。クラスメートじゃなくて残念です。

「前回来た時とは別のボスか、だが前回のボスは敵じゃなかった。俺がやる」

 メカニカルな拳銃を片手に、不死の魔術師を睨み付ける弾君。

「じゃあ任せるです」
「よろしいのですか?」
「いいですいいです。弾が負けたらゆかなの番です」
「負けねえよ」

 弾君は片手を持ち上げて一人、前進します。
 その視線の先には物言わぬ不死の魔術師。
 杖を持ち上げて口を動かしています、が声は出ていません。その杖の先から氷の飛礫が大量に生み出されています。

「はっ、効くかよ」

 弾君が銃口を向けると、その飛礫を見事に打ち抜きます…自分のところに飛んでくる分だけ。

「こっちは任せるです!」
 
 ゆかなさんがハンマーを伸ばして両手で回転をさせて、こちらにも飛んできた氷の飛礫を弾き飛ばしました。

「二人ともお見事です」
「というか弾! 手抜きです! 一人でやるんならこっちに攻撃飛ばさせるなです!」

 不死の魔術師からすれば弾君だけでなく私達二人も攻撃対象ですからね。しばらく手を出さなければこちらに攻撃をしてこなくなるかも知れませんが。

「そこまで面倒を見る気はねえよ!」

 言いながらも今度は不死の魔術師に銃口を向けて弾丸を放ちます。
 その弾丸はいくつも敵に当たりますが、動じる事も無く杖を高く持ち上げます。

「「「「ぐごごごごごご」」」」

 瞬間、地面の墓土が盛り上がりそこから3メートルに近いサイズの骸骨の騎士が4体現れました。

「それの面倒も見る気ないです?」
「やるよ! 黙ってろ!」

 拳銃を激しく上下させて弾丸をいくつも撃ちだしながらゆかなさんに怒鳴りつけます。

「くそっ! こいつなら!」

 弾君がベルトに括り付けてあった弾丸を装填します。早業ですね!
 目にも留まらぬスピードで取り替えた弾丸を拳銃から撃ち出すと、その瞬間に骸骨の騎士の上半身が爆発し吹き飛びました!

「そらよ!」

 しかし2体目、3体目の骸骨の騎士はその弾丸を盾で受け止めます。思いのほか反応がいいですね。

「ちっ!」

 盾のぶつかり巻き起こる爆発の後ろから氷の飛礫が飛来します! 弾君は慌ててその場から離れて近くの墓石の後ろに身を潜めます。

「攻撃です! 逃げてちゃ勝てないです!」
「くそっ! 意外と隙が無い!」

 隙はありますが。というか単純に火力不足に見えるのですが。
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