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授業開始! 悪役学園の日常
第10話 授業開始! 悪役学園の日常 4
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「キキ! 戦闘訓練キキ! 戦闘服に着替えたキキ!」
戦闘員Aが嬉しそうに言います。しかし普段の戦闘員服と違いが分からないですね。
ちなみに私も結局女子更衣室へ連れて行かれました。
フェイスマスクを残しただけの女性戦闘員達が室内用のスーツを脱いで運動用のスーツに着替える光景が…なんて世界を見ることもなく先に一人で着替えました。
だって男ですもん、無人の更衣室で先に着替えてとっとと明け渡しました。
高校の時もこんな感じになったんですよね。むしろ女子に覗かれる側です。
「少し遅れましたが戦闘訓練を開始致します。戦闘訓練には私と鬼神の鬼塚先生で実施いたします」
鬼蜘蛛先生の横には虎柄のビキニとパンツを付けたグラマラスな女性電柱の様な金棒を持って立っています。しかし大柄な方ですね、2メートルくらいあります。私のダークネスマッスルよりは低いですけれども。
「さあ新人共! 今日もアタイを楽しませておくれよ!」
「「「はい!」」」
「「「キキ! (はい!)」」」
私たちの返事に、鬼塚先生が頷きます。
「佐々木くんは初めてですからね、最初は見学をしていて下さい。それでは最初……そうですね、犬神智くんからにしましょうか」
「わかりました」
智君が指名されました。彼は戦闘員を5人選び鬼塚先生と対峙します。
「鬼塚先生! 今日こそは一本取って見せます! 」
「いらっしゃい、大噴血の坊や」
「行け! 戦闘員達! 作戦通りに行くんだ!」
「「「キキ!(サー!)」」」
戦闘員達で鬼塚先生を囲むと、智君は掲げた手を振り下ろしました。
「行け!」
智君の指揮のもと、戦闘員達は一斉に鬼塚先生に躍りかかった。
「HEROと戦う時の定石として、まず戦闘員達をけしかけます。これは敵HEROの能力を図る意味合いもありますし、最初から自身で戦う事を良しとしない幹部達のプライドの問題も出て来るでしょう。私も現役時代は自身が戦う必要もないとけしかけてましたし、HEROを疲れさせる目的でけしかけたりもしていました」
智君の戦いを見ていると、鬼蜘蛛先生が話しかけてくれました。
「この授業では戦闘員の使い方を覚えると共に、自身が動くタイミングを計る為の授業でもあります。さあ、智君が動きますよ」
戦闘員達は倒されては立ち上がりを繰り返して鬼塚先生に攻撃を仕掛けていますが、先生はその場から大きく動くこともせずにその腕を振り回すだけで対処してしまいます。
そんな姿を見ている智君の両手はいつの間にか獣のソレに変わっていました。頭にも垂れた耳が出てきています。
「彼は獣人ですね、ああやって半獣化することにより身体能力を大きく向上させて戦う肉弾戦特化型のタイプです。前々回の授業では私も手合わせしましたが、中々の攻撃力を持っています。なんでも闘犬と呼ばれる犬種の力を宿しているそうです。場合によっては完全獣化して飛躍的に身体能力を上げた戦いもします」
戦闘員達が大きく吹き飛ばされました! 吹き飛ばされては立ち上がりを繰り返していた戦闘員達も流石に限界の様で立ち上がれそうにありません。中には気を失っている者もいる様子です。
「はっ、この程度じゃ話にならないね! 鬼蜘蛛に目をかけられたっていうあんたの力をアタイに見せてみな!」
「っ!」
『パチン!』
智君が右手の指を鳴らすと、先ほどまで倒れていた戦闘員達が先生の体に抱き着きました! いつの間に起き上っていたのでしょう。流石は戦闘員、やられる姿は見せても立ち上がる姿は人には見せません。
「喰らえ!」
智君は一瞬で先生の目前に差し迫り拳を握り込みました!
瞬間的に、お二人の間から大量の血液が高々と噴出します。
そうして、ゆっくりと地面へ倒れ伏したのは……何故か攻撃を仕掛けた側の智君です!
「あー、やっぱなー。立ち会った段階で手が震えてたからやばいと思ったのよね」
「イリアスさん?」
訳知り顔でイリアスさんが頷いています。
「やはり今日も無理でしたか。戦闘員! 輸血の準備を」
「キキ!(出来てます!)」
鬼蜘蛛先生の指示のもと、戦闘員が手馴れた様子で輸血を始めました。
「あいつね、スケベなのよ」
「は?」
「ドスケベなの。鬼塚先生は肌色面積広いから、あいつ色々想像しちゃったんでしょうね」
「え?」
「前半は結構我慢してたんだけどねー。半獣化した段階でやばそうだったわよ? あたしたちは獣人の中でも嗅覚が鋭いから女性特有の匂いを嗅いだだけであいつの場合は……」
倒れ込んだ智君が仰向けに寝かせられると、その目はハートマークが作られてそれはもう幸せそうな表情で気絶していました。
ああ、あの大出血は鼻血だったんですね。
「彼はもっと女性に慣れないといけませんね。女性HEROの中にはキワドいコスチュームを着ている人も多いですから。実力はかなり高いのでそこさえ改善出来れば良い悪役になれるのですが……」
「ちなみに完全獣化すると高速で腰を振り出すわ」
「うわあ」
「そして勢いよく襲い掛かって鼻血を出して倒れるの。面白いわよ?」
「ククリとしては気持ち悪い方に一票ね」
「まあ彼は戦闘員に任せておきましょう。佐々木くん、大体分かりましたね? この授業は戦闘員を交えた上での実戦訓練になります。早速先生と試合をしてみますか?」
「はい!」
私は整列する戦闘員達の前に立ち、4人指名します。私の満足できる筋肉量を誇る戦闘員は残念ながらいませんが、そこそこ体を鍛えている戦闘員を揃えてみました。
戦闘員Aが嬉しそうに言います。しかし普段の戦闘員服と違いが分からないですね。
ちなみに私も結局女子更衣室へ連れて行かれました。
フェイスマスクを残しただけの女性戦闘員達が室内用のスーツを脱いで運動用のスーツに着替える光景が…なんて世界を見ることもなく先に一人で着替えました。
だって男ですもん、無人の更衣室で先に着替えてとっとと明け渡しました。
高校の時もこんな感じになったんですよね。むしろ女子に覗かれる側です。
「少し遅れましたが戦闘訓練を開始致します。戦闘訓練には私と鬼神の鬼塚先生で実施いたします」
鬼蜘蛛先生の横には虎柄のビキニとパンツを付けたグラマラスな女性電柱の様な金棒を持って立っています。しかし大柄な方ですね、2メートルくらいあります。私のダークネスマッスルよりは低いですけれども。
「さあ新人共! 今日もアタイを楽しませておくれよ!」
「「「はい!」」」
「「「キキ! (はい!)」」」
私たちの返事に、鬼塚先生が頷きます。
「佐々木くんは初めてですからね、最初は見学をしていて下さい。それでは最初……そうですね、犬神智くんからにしましょうか」
「わかりました」
智君が指名されました。彼は戦闘員を5人選び鬼塚先生と対峙します。
「鬼塚先生! 今日こそは一本取って見せます! 」
「いらっしゃい、大噴血の坊や」
「行け! 戦闘員達! 作戦通りに行くんだ!」
「「「キキ!(サー!)」」」
戦闘員達で鬼塚先生を囲むと、智君は掲げた手を振り下ろしました。
「行け!」
智君の指揮のもと、戦闘員達は一斉に鬼塚先生に躍りかかった。
「HEROと戦う時の定石として、まず戦闘員達をけしかけます。これは敵HEROの能力を図る意味合いもありますし、最初から自身で戦う事を良しとしない幹部達のプライドの問題も出て来るでしょう。私も現役時代は自身が戦う必要もないとけしかけてましたし、HEROを疲れさせる目的でけしかけたりもしていました」
智君の戦いを見ていると、鬼蜘蛛先生が話しかけてくれました。
「この授業では戦闘員の使い方を覚えると共に、自身が動くタイミングを計る為の授業でもあります。さあ、智君が動きますよ」
戦闘員達は倒されては立ち上がりを繰り返して鬼塚先生に攻撃を仕掛けていますが、先生はその場から大きく動くこともせずにその腕を振り回すだけで対処してしまいます。
そんな姿を見ている智君の両手はいつの間にか獣のソレに変わっていました。頭にも垂れた耳が出てきています。
「彼は獣人ですね、ああやって半獣化することにより身体能力を大きく向上させて戦う肉弾戦特化型のタイプです。前々回の授業では私も手合わせしましたが、中々の攻撃力を持っています。なんでも闘犬と呼ばれる犬種の力を宿しているそうです。場合によっては完全獣化して飛躍的に身体能力を上げた戦いもします」
戦闘員達が大きく吹き飛ばされました! 吹き飛ばされては立ち上がりを繰り返していた戦闘員達も流石に限界の様で立ち上がれそうにありません。中には気を失っている者もいる様子です。
「はっ、この程度じゃ話にならないね! 鬼蜘蛛に目をかけられたっていうあんたの力をアタイに見せてみな!」
「っ!」
『パチン!』
智君が右手の指を鳴らすと、先ほどまで倒れていた戦闘員達が先生の体に抱き着きました! いつの間に起き上っていたのでしょう。流石は戦闘員、やられる姿は見せても立ち上がる姿は人には見せません。
「喰らえ!」
智君は一瞬で先生の目前に差し迫り拳を握り込みました!
瞬間的に、お二人の間から大量の血液が高々と噴出します。
そうして、ゆっくりと地面へ倒れ伏したのは……何故か攻撃を仕掛けた側の智君です!
「あー、やっぱなー。立ち会った段階で手が震えてたからやばいと思ったのよね」
「イリアスさん?」
訳知り顔でイリアスさんが頷いています。
「やはり今日も無理でしたか。戦闘員! 輸血の準備を」
「キキ!(出来てます!)」
鬼蜘蛛先生の指示のもと、戦闘員が手馴れた様子で輸血を始めました。
「あいつね、スケベなのよ」
「は?」
「ドスケベなの。鬼塚先生は肌色面積広いから、あいつ色々想像しちゃったんでしょうね」
「え?」
「前半は結構我慢してたんだけどねー。半獣化した段階でやばそうだったわよ? あたしたちは獣人の中でも嗅覚が鋭いから女性特有の匂いを嗅いだだけであいつの場合は……」
倒れ込んだ智君が仰向けに寝かせられると、その目はハートマークが作られてそれはもう幸せそうな表情で気絶していました。
ああ、あの大出血は鼻血だったんですね。
「彼はもっと女性に慣れないといけませんね。女性HEROの中にはキワドいコスチュームを着ている人も多いですから。実力はかなり高いのでそこさえ改善出来れば良い悪役になれるのですが……」
「ちなみに完全獣化すると高速で腰を振り出すわ」
「うわあ」
「そして勢いよく襲い掛かって鼻血を出して倒れるの。面白いわよ?」
「ククリとしては気持ち悪い方に一票ね」
「まあ彼は戦闘員に任せておきましょう。佐々木くん、大体分かりましたね? この授業は戦闘員を交えた上での実戦訓練になります。早速先生と試合をしてみますか?」
「はい!」
私は整列する戦闘員達の前に立ち、4人指名します。私の満足できる筋肉量を誇る戦闘員は残念ながらいませんが、そこそこ体を鍛えている戦闘員を揃えてみました。
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