34 / 36
34:結婚準備
しおりを挟む
「依織、なにをやってるの? 早くこっちに来てってば!」
「ちょ、ちょっと待って……!」
何度目になるかもわからない、私を呼ぶ淡紅の声。
もう少しもう少しと引き伸ばし続けていたのだけど、いい加減に痺れを切らしてしまったらしい。勢いよく開いた襖の向こうから、鬼の形相の彼女が姿を現した。
「いつまで部屋に篭ってるのよ!? いい加減に観念して!」
「だ、だって……!」
部屋の中から引きずり出された私は、淡紅によって座布団の上へと座らせられる。
目の前に置かれた鏡台へ視線を向けると、そこに映ったのは白無垢に身を包む私の姿だ。
無事に妖都へと戻ることができた私は、今日、白緑の正式な伴侶となる。
……そのつもりなのだけど、いざ結婚となると及び腰になってしまったのだ。不安と緊張のあまり、お腹が痛くなってきたような気がして、部屋から出ることができなくなっていた。
白緑のことは好きだし、伴侶になりたいと思った気持ちも本当だ。
けれど、私はまだ17歳。いずれ結婚をすることがあるのだとしても、もっとずっと先の話だと思っていたのだ。
「……もしかして、白緑と結婚したくなくなったのかしら?」
「そっ、そんなことない! それは絶対にない!」
「じゃあ、どうしてそんなに浮かない顔をしているの?」
「それは……」
これは、世間一般でいうところのマリッジブルーというやつなのかもしれない。
高そうな櫛で私の髪を梳かしてくれていた淡紅は、その手を止めて鏡越しに私のことを見る。
「人間の世界での生活を捨てて、妖都で暮らしていくなんて……考えてもみなかったから」
私はずっと、あの生活から抜け出したいと思っていた。そのために勉強を頑張っていたのだし、一から自分の人生をやり直すつもりだったのだ。
そこに降って湧いた、夢のような話。
私を愛してくれる人と、生涯を誓い合うということ。
「まだ、信じられないのかもしれない。結婚なんて……少し前まで、友達だっていなかったのに」
「だけど、今はいるわ。ここにいるアタシは現実で、依織は大事な友達」
後ろから私のことを抱き締める淡紅は、確かにそこにいる。私にとって、かけがえのない大切な友達。
「依織の望まない結婚なら、アタシが全力で阻止する。だけど、そうじゃないってわかってるもの。幸せになるのが怖いんでしょ?」
彼女の言う通りだ。私の人生には無縁だったものが、一気に手に入ろうとしている。
望めば手に入るものだというのに、そこに手を伸ばすのがたまらなく怖い。
コンコン。
柱をノックする音に、私と淡紅は同時に同じ方を向く。障子の向こうには、人影がひとつ立っているのが見えた。
「どうぞ」
声をかけると、入ってきたのは藍白だった。
妖都の門を閉じた時には、慌ただしくてきちんと話をすることもできなかったのだけど。彼女にはまだ、白緑との関係を認めてもらえていない気がする。
「少し、いい? 依織と、話をしたくて」
「構わないよ。支度があるから、淡紅も一緒で大丈夫?」
「……ん」
支度を長引かせていたのは私なのだけれど、なんとなく二人きりになるのは気まずい。淡紅には悪いけど、彼女にも同席してもらうことにした。
藍白は私の近くまでやってくると、そこに正座をする。改めて見ても、やはり綺麗な顔立ちをしている子だと思った。
「おまえ……依織に、きちんと伝えていなかったから」
「うん?」
「兄様のためだったとはいえ、たくさんひどいことをした……ごめんなさい」
「……!」
もしかしたら、結婚なんかさせないと言われるのではないかと考えていたのに。畳につくほど深々と頭を下げた藍白は、私にしたことの謝罪を口にしたのだ。
髪を結おうとしていた淡紅の邪魔をしてしまったけれど、私は思わず立ち上がって彼女の方へと身を寄せる。
「そんな風に頭を下げないで……! わかってる、藍白は白緑を死なせたくなかったんだよね。私だって、あなたの立場なら同じことをしていたかもしれない」
妖都に来る前の私だったら、藍白の気持ちを理解することはできなかっただろう。
けれど、今の私にはどんな手段を用いてでも守りたいと思える、たくさんの大切なものができたのだ。申し訳なさそうにぺたりと伏せた三角の耳ごと、彼女の頭を撫でる。
「だからもう、恨みっこなし。ね?」
「ありがとう。……依織、ねえさま」
「っ……!!」
私は一人っ子なので、きょうだいのいる感覚というものはわからない。だけど、藍白に姉と呼ばれた瞬間、私は心臓を思いきり掴まれたような気がした。
思わず藍白のことを抱き締めると、おずおずと抱き締め返してくれる。
「あらあら、随分と懐いちゃったわね。ちょっと妬けるわ」
「どっちに?」
「どっちもよ。ほら、ひっついてないで依織はこっち! いい加減にしないと、どっかの王様が乱入してくるわよ」
「兄様はもう、王ではないけど」
「知ってるわ。だけど、アタシたちの王みたいなものでしょ?」
今度こそ淡紅に引き戻された私は、藍白の手伝いもあって迅速に身支度を整えられていくこととなった。
◆
「わあ……! 依織ちゃん、めちゃくちゃ綺麗だよ……!!」
「紫土くん、ありがとう。ちょっと恥ずかしいけど」
二人の手で無事に支度を終えた頃、新たな来訪者がやってきた。紫土くんと朱さんだ。
待ちくたびれた白緑は、本人こそ乱入してはこなかったけれど。代わりに二人を使って、私の様子を見に来させたらしい。
化粧をしたりする習慣もなかった私の顔は、真紅さんと緋色さんの手によって、別人のように仕上げられていた。
綿帽子を被るので隠れてしまうけれど、白緑に貰った髪飾りもつけてもらっている。
「白緑様も、依織さんの到着を待ちわびていますよ。よろしければお手をどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「あーっ、朱ずるい! 僕も依織ちゃんのことエスコートしたい!」
「紫土では危なっかしいので、オレがそうするようにと白緑様からのお達しです」
自然な動作で差し出された朱さんの手を取ると、私の歩調に合わせて歩き出してくれる。
「朱さんは、変わらないんですね。白緑の呼び方」
彼はもう、妖都の王ではなくなっている。代々王に仕えていたという朱さんだけど、もうその必要はないはずなのに。
私の指摘に対して、朱さんは少しだけ困ったように口元を緩める。
「そうですね。門が閉じたことで、オレの役割もなくなりました。……だからこれは、オレ自身の意思なんだと思います」
「朱さん自身の意思?」
「王でなくなったとしても、あの人はオレが傍で仕えたいと思う、敬愛すべき人です」
「白緑が王じゃなくなったってだけで、僕たちの何かが変わるわけじゃないしね」
後ろを歩いていたと思っていた紫土くんは、私たちの横をすり抜けて、一足先に屋敷の外へと踏み出していく。
彼の兄である紫黒さんは、冬眠状態だと聞かされている。それは文字通り、蛇の姿となって眠り続けているのだ。
いつ目覚めるかは誰にもわからず、目覚めない可能性もあるという。そんな紫黒さんのことを、紫土くんは世話しているらしい。
いつかまた、兄弟が笑い合える日がきてくれたらと、願わずにはいられない。
「依織ちゃん、ありがとう」
「え、何のこと?」
「ん-、全部だけど……白緑のこと」
突然お礼を言われて、私は困惑してしまう。何かをした覚えはなかったというのに、紫土くんは私の空いている手を取って笑顔を見せる。
「アイツはさ、いろんなこと考えなきゃいけない立場だったけど……僕はやっぱり、友達を犠牲にした世界で笑って生きていけない」
「紫土くん……」
「だから、ありがとう。依織ちゃんのおかげで、僕たちはまたこうして一緒にいられるんだ」
感謝をするのは私の方だというのに、彼の言葉に目頭が熱くなるのを感じる。
誰一人欠けてほしくなかった。離れる選択をするのはつらかったけれど、あの時その道を選ぶことができなかったら、こうして過ごすこともなかったのだろう。
「依織さんを泣かせるのはそこまでですよ、紫土」
「僕は別にそんなつもりじゃ……!」
「せっかくの化粧が、涙で落ちてしまいますから。白緑様に、一番綺麗な姿を見せてあげてください」
朱さんが差し出してくれたハンカチに、滲んだ涙を染み込ませる。
それを返すと、私をエスコートしてくれていた朱さんの手が離れていった。
「さあ、準備はいいですか?」
「……はい」
眼前に広がる大きな湖。そこに続く道へ案内するように、豆狸たちが私の前をトコトコと歩いていく。
その後を追いかけて辿り着いた先には、いつもとは違う羽織袴に身を包んだ、愛しいひとの姿があった。
「ちょ、ちょっと待って……!」
何度目になるかもわからない、私を呼ぶ淡紅の声。
もう少しもう少しと引き伸ばし続けていたのだけど、いい加減に痺れを切らしてしまったらしい。勢いよく開いた襖の向こうから、鬼の形相の彼女が姿を現した。
「いつまで部屋に篭ってるのよ!? いい加減に観念して!」
「だ、だって……!」
部屋の中から引きずり出された私は、淡紅によって座布団の上へと座らせられる。
目の前に置かれた鏡台へ視線を向けると、そこに映ったのは白無垢に身を包む私の姿だ。
無事に妖都へと戻ることができた私は、今日、白緑の正式な伴侶となる。
……そのつもりなのだけど、いざ結婚となると及び腰になってしまったのだ。不安と緊張のあまり、お腹が痛くなってきたような気がして、部屋から出ることができなくなっていた。
白緑のことは好きだし、伴侶になりたいと思った気持ちも本当だ。
けれど、私はまだ17歳。いずれ結婚をすることがあるのだとしても、もっとずっと先の話だと思っていたのだ。
「……もしかして、白緑と結婚したくなくなったのかしら?」
「そっ、そんなことない! それは絶対にない!」
「じゃあ、どうしてそんなに浮かない顔をしているの?」
「それは……」
これは、世間一般でいうところのマリッジブルーというやつなのかもしれない。
高そうな櫛で私の髪を梳かしてくれていた淡紅は、その手を止めて鏡越しに私のことを見る。
「人間の世界での生活を捨てて、妖都で暮らしていくなんて……考えてもみなかったから」
私はずっと、あの生活から抜け出したいと思っていた。そのために勉強を頑張っていたのだし、一から自分の人生をやり直すつもりだったのだ。
そこに降って湧いた、夢のような話。
私を愛してくれる人と、生涯を誓い合うということ。
「まだ、信じられないのかもしれない。結婚なんて……少し前まで、友達だっていなかったのに」
「だけど、今はいるわ。ここにいるアタシは現実で、依織は大事な友達」
後ろから私のことを抱き締める淡紅は、確かにそこにいる。私にとって、かけがえのない大切な友達。
「依織の望まない結婚なら、アタシが全力で阻止する。だけど、そうじゃないってわかってるもの。幸せになるのが怖いんでしょ?」
彼女の言う通りだ。私の人生には無縁だったものが、一気に手に入ろうとしている。
望めば手に入るものだというのに、そこに手を伸ばすのがたまらなく怖い。
コンコン。
柱をノックする音に、私と淡紅は同時に同じ方を向く。障子の向こうには、人影がひとつ立っているのが見えた。
「どうぞ」
声をかけると、入ってきたのは藍白だった。
妖都の門を閉じた時には、慌ただしくてきちんと話をすることもできなかったのだけど。彼女にはまだ、白緑との関係を認めてもらえていない気がする。
「少し、いい? 依織と、話をしたくて」
「構わないよ。支度があるから、淡紅も一緒で大丈夫?」
「……ん」
支度を長引かせていたのは私なのだけれど、なんとなく二人きりになるのは気まずい。淡紅には悪いけど、彼女にも同席してもらうことにした。
藍白は私の近くまでやってくると、そこに正座をする。改めて見ても、やはり綺麗な顔立ちをしている子だと思った。
「おまえ……依織に、きちんと伝えていなかったから」
「うん?」
「兄様のためだったとはいえ、たくさんひどいことをした……ごめんなさい」
「……!」
もしかしたら、結婚なんかさせないと言われるのではないかと考えていたのに。畳につくほど深々と頭を下げた藍白は、私にしたことの謝罪を口にしたのだ。
髪を結おうとしていた淡紅の邪魔をしてしまったけれど、私は思わず立ち上がって彼女の方へと身を寄せる。
「そんな風に頭を下げないで……! わかってる、藍白は白緑を死なせたくなかったんだよね。私だって、あなたの立場なら同じことをしていたかもしれない」
妖都に来る前の私だったら、藍白の気持ちを理解することはできなかっただろう。
けれど、今の私にはどんな手段を用いてでも守りたいと思える、たくさんの大切なものができたのだ。申し訳なさそうにぺたりと伏せた三角の耳ごと、彼女の頭を撫でる。
「だからもう、恨みっこなし。ね?」
「ありがとう。……依織、ねえさま」
「っ……!!」
私は一人っ子なので、きょうだいのいる感覚というものはわからない。だけど、藍白に姉と呼ばれた瞬間、私は心臓を思いきり掴まれたような気がした。
思わず藍白のことを抱き締めると、おずおずと抱き締め返してくれる。
「あらあら、随分と懐いちゃったわね。ちょっと妬けるわ」
「どっちに?」
「どっちもよ。ほら、ひっついてないで依織はこっち! いい加減にしないと、どっかの王様が乱入してくるわよ」
「兄様はもう、王ではないけど」
「知ってるわ。だけど、アタシたちの王みたいなものでしょ?」
今度こそ淡紅に引き戻された私は、藍白の手伝いもあって迅速に身支度を整えられていくこととなった。
◆
「わあ……! 依織ちゃん、めちゃくちゃ綺麗だよ……!!」
「紫土くん、ありがとう。ちょっと恥ずかしいけど」
二人の手で無事に支度を終えた頃、新たな来訪者がやってきた。紫土くんと朱さんだ。
待ちくたびれた白緑は、本人こそ乱入してはこなかったけれど。代わりに二人を使って、私の様子を見に来させたらしい。
化粧をしたりする習慣もなかった私の顔は、真紅さんと緋色さんの手によって、別人のように仕上げられていた。
綿帽子を被るので隠れてしまうけれど、白緑に貰った髪飾りもつけてもらっている。
「白緑様も、依織さんの到着を待ちわびていますよ。よろしければお手をどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「あーっ、朱ずるい! 僕も依織ちゃんのことエスコートしたい!」
「紫土では危なっかしいので、オレがそうするようにと白緑様からのお達しです」
自然な動作で差し出された朱さんの手を取ると、私の歩調に合わせて歩き出してくれる。
「朱さんは、変わらないんですね。白緑の呼び方」
彼はもう、妖都の王ではなくなっている。代々王に仕えていたという朱さんだけど、もうその必要はないはずなのに。
私の指摘に対して、朱さんは少しだけ困ったように口元を緩める。
「そうですね。門が閉じたことで、オレの役割もなくなりました。……だからこれは、オレ自身の意思なんだと思います」
「朱さん自身の意思?」
「王でなくなったとしても、あの人はオレが傍で仕えたいと思う、敬愛すべき人です」
「白緑が王じゃなくなったってだけで、僕たちの何かが変わるわけじゃないしね」
後ろを歩いていたと思っていた紫土くんは、私たちの横をすり抜けて、一足先に屋敷の外へと踏み出していく。
彼の兄である紫黒さんは、冬眠状態だと聞かされている。それは文字通り、蛇の姿となって眠り続けているのだ。
いつ目覚めるかは誰にもわからず、目覚めない可能性もあるという。そんな紫黒さんのことを、紫土くんは世話しているらしい。
いつかまた、兄弟が笑い合える日がきてくれたらと、願わずにはいられない。
「依織ちゃん、ありがとう」
「え、何のこと?」
「ん-、全部だけど……白緑のこと」
突然お礼を言われて、私は困惑してしまう。何かをした覚えはなかったというのに、紫土くんは私の空いている手を取って笑顔を見せる。
「アイツはさ、いろんなこと考えなきゃいけない立場だったけど……僕はやっぱり、友達を犠牲にした世界で笑って生きていけない」
「紫土くん……」
「だから、ありがとう。依織ちゃんのおかげで、僕たちはまたこうして一緒にいられるんだ」
感謝をするのは私の方だというのに、彼の言葉に目頭が熱くなるのを感じる。
誰一人欠けてほしくなかった。離れる選択をするのはつらかったけれど、あの時その道を選ぶことができなかったら、こうして過ごすこともなかったのだろう。
「依織さんを泣かせるのはそこまでですよ、紫土」
「僕は別にそんなつもりじゃ……!」
「せっかくの化粧が、涙で落ちてしまいますから。白緑様に、一番綺麗な姿を見せてあげてください」
朱さんが差し出してくれたハンカチに、滲んだ涙を染み込ませる。
それを返すと、私をエスコートしてくれていた朱さんの手が離れていった。
「さあ、準備はいいですか?」
「……はい」
眼前に広がる大きな湖。そこに続く道へ案内するように、豆狸たちが私の前をトコトコと歩いていく。
その後を追いかけて辿り着いた先には、いつもとは違う羽織袴に身を包んだ、愛しいひとの姿があった。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる