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エルアーラ遺跡編
episode413
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一旦自身を仕切り直すようにベルトルドは「フンッ」と鼻息をつくと、前髪をサッと指先で払ってアルカネットに顔を向けた。
「他の3人の王たちは近くにいるのかな? 雑魚王たちに用はないから、適当に処分してきてくれ。俺は目の前の”陛下”と大事な話がある」
小さく頷くと、アルカネットは傍にあるコンソールを操作し、壁際のモニターの一つに映像を映し出した。そこには豪奢な部屋で酒を飲む3人の王たちが映っている。そして次にマップデータが映され、アルカネットは場所を確認して口元をほころばせた。
「すぐ首をはねてきますよ」
モニターの映像をそのままにして、アルカネットは颯爽と部屋を出て行った。
ソレル国王はモニターの映像には目もくれず、じっとベルトルドを睨み続けている。
「さて、こうるさいのもいなくなったし、本題に入りましょうか、陛下?」
腕を組んでふんぞり返りながら、偉そうな口調で切り出した。
「遺跡を占拠して、何を企てておいでですか? 素人が艦橋に立てこもっても、たいして扱うこともできないでしょうに」
ベルトルドたちのいるこの部屋は広大で、柔らかな青い光に満ちていた。まるで明るい海の中にいるような空間だ。その青い光は壁や床から発せられていて、材質は水晶のようなもので作られていた。
そしてソレル国王の背後の壁には、巨大な月が映し出されている。その月は絵画などではなく、写真のようにも見えた。室内の色よりも濃い青の中に、リアルな姿を映し出す月は、淡く白い光を放っていた。
「下賤の者に答える必要が、あると思うてか」
杖の柄をぐっと握り締め、ソレル国王は睨むことをやめずに佇んでいる。
白い毛の混じる髪は少々長めで、贅の限りを尽くした衣装に身を包み、宝石と金で作られた豪華な杖を頼りに老体を支えている。自らは王であることを外見と態度で主張するその様子に苦笑して、ベルトルドは近くにある一際大きな椅子にゆったりと腰を下ろした。そして長い脚を組み、肘掛に肘をついて頬杖をつく。
「ハワドウレ皇国の属国の身分でしかない陛下よりは、俺のほうが格は上だと思うのですがね」
ククッとおかしげに笑うベルトルドに、ソレル国王は歯噛みした。
「黙れ下郎! 余はかつてこの惑星の支配者だったヤルヴィレフト王家の血を継ぐ者じゃ。ワイズキュールなどというどこの馬の骨とも知れぬ輩とは、真なる身分が違うのだ!」
「そのヤルヴィレフトが滅ぼしたのだったな? この惑星の国を、他惑星をも巻き込んで」
ソレル国王のこめかみがピクリと動く。尊大な笑みを絶やさないベルトルドを睨みながらも、その老いた表情には明らかに動揺が浮かんでいた。
「貴様、一体どこまで知っておる……」
「歴史のおさらいでもしましょうか? こう見えて、歴史が大好きなんですよ、俺は」
そして、と言ってベルトルドは向かい側にある小さな椅子を指さした。
「おかけなさい。ご老体に立ち話もなんですから」
「他の3人の王たちは近くにいるのかな? 雑魚王たちに用はないから、適当に処分してきてくれ。俺は目の前の”陛下”と大事な話がある」
小さく頷くと、アルカネットは傍にあるコンソールを操作し、壁際のモニターの一つに映像を映し出した。そこには豪奢な部屋で酒を飲む3人の王たちが映っている。そして次にマップデータが映され、アルカネットは場所を確認して口元をほころばせた。
「すぐ首をはねてきますよ」
モニターの映像をそのままにして、アルカネットは颯爽と部屋を出て行った。
ソレル国王はモニターの映像には目もくれず、じっとベルトルドを睨み続けている。
「さて、こうるさいのもいなくなったし、本題に入りましょうか、陛下?」
腕を組んでふんぞり返りながら、偉そうな口調で切り出した。
「遺跡を占拠して、何を企てておいでですか? 素人が艦橋に立てこもっても、たいして扱うこともできないでしょうに」
ベルトルドたちのいるこの部屋は広大で、柔らかな青い光に満ちていた。まるで明るい海の中にいるような空間だ。その青い光は壁や床から発せられていて、材質は水晶のようなもので作られていた。
そしてソレル国王の背後の壁には、巨大な月が映し出されている。その月は絵画などではなく、写真のようにも見えた。室内の色よりも濃い青の中に、リアルな姿を映し出す月は、淡く白い光を放っていた。
「下賤の者に答える必要が、あると思うてか」
杖の柄をぐっと握り締め、ソレル国王は睨むことをやめずに佇んでいる。
白い毛の混じる髪は少々長めで、贅の限りを尽くした衣装に身を包み、宝石と金で作られた豪華な杖を頼りに老体を支えている。自らは王であることを外見と態度で主張するその様子に苦笑して、ベルトルドは近くにある一際大きな椅子にゆったりと腰を下ろした。そして長い脚を組み、肘掛に肘をついて頬杖をつく。
「ハワドウレ皇国の属国の身分でしかない陛下よりは、俺のほうが格は上だと思うのですがね」
ククッとおかしげに笑うベルトルドに、ソレル国王は歯噛みした。
「黙れ下郎! 余はかつてこの惑星の支配者だったヤルヴィレフト王家の血を継ぐ者じゃ。ワイズキュールなどというどこの馬の骨とも知れぬ輩とは、真なる身分が違うのだ!」
「そのヤルヴィレフトが滅ぼしたのだったな? この惑星の国を、他惑星をも巻き込んで」
ソレル国王のこめかみがピクリと動く。尊大な笑みを絶やさないベルトルドを睨みながらも、その老いた表情には明らかに動揺が浮かんでいた。
「貴様、一体どこまで知っておる……」
「歴史のおさらいでもしましょうか? こう見えて、歴史が大好きなんですよ、俺は」
そして、と言ってベルトルドは向かい側にある小さな椅子を指さした。
「おかけなさい。ご老体に立ち話もなんですから」
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