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フリングホルニ編
episode747
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映像の中のユリディスとアピストリたちは、とてつもなく長い廊下を突き進み、やがて部屋に通された。
真っ暗だった室内は、突然眩いばかりの照明が灯され、室内の全容を明らかにする。
ユリディスとアピストリたちは、四角い台の上に立っていた。しかし、台の置かれた床は円形にくり抜かれており、その周囲には高い塀が築かれ囲んでいる。その塀の向こうは観客席が設けられており、煌びやかな服装をした大人の男女が大勢座っていた。
まるで、闘技場のようだった。
室内は騒然と拍手喝采に包まれた。同時に、着飾った軍服の兵士たちが雪崩込んできて、6名のアピストリたちを突然拘束し、台の上から乱暴に引きずり下ろした。
台の上に取り残されたユリディスは、訳も分からず周りを見回している。そして、いきなり床の上にスポットライトが照らされ、そこには縛られたフェンリルが横たわって牙をむいていた。
「や…やだ……」
キュッリッキはよろめくように後退する。
爪先から慄きが這い上ってきて、引攣れるような悲鳴が喉を掠めた。
片方の手で顔を覆う。
「見たくない……やめて」
グレイプニルと言われる縄で縛られ、気を失っていたフェンリル。そして、アルカネットの見ている前で、自分がベルトルドにされたこと。
「ちゃんと見てキュッリッキ!!」
張り裂けんばかりに叫ぶユリディスの声に、キュッリッキはビクリと身体を震わせた。
「お願い、見て! あの男が私にしたことを、ちゃんと、見て」
「やだよ! だってユリディスは」
「貴女は見なくちゃいけないの! あの男が何をしでかしたのか、しっかり見て!」
ユリディスに一喝され、キュッリッキは怯える目を、嫌々映像に向けた。
戸惑うユリディスの後ろから、ひとりの男が入ってきた。
黄金と宝石に彩られた王冠は、艶のない長い黒髪の上に置かれ、華奢な全身を、豪奢な刺繍と金銀宝石で装飾された衣服で包み込んでいる。そして、細面の中で、狂気の光を宿す目が不気味なほど見開かれ、およそマトモではないことが判るほど下卑た笑いを、その顔に貼り付けていた。
「あれが、神王国ソレル最後の王、クレメッティです」
クレメッティ王は、室内の人々に手を振り、ニヤニヤと笑っている。そして、壁際に控える4人の兵士を手招きで呼び寄せた。
4人の兵士は台の上に飛び乗ると、いきなりユリディスに飛びかかり、仰向けに倒し、それぞれ手足を掴んで床に押し付けてしまった。
別の兵士が黄金の装飾の施された抜き身の片手剣を、クレメッティ王に恭しく差し出す。
クレメッティ王はその片手剣を受け取ると、剣の切っ先をユリディスのドレスに突きたて、そのまま乱暴にドレスを引き裂き始めた。その度に、室内から歓声がどよめいた。
ドレスも下着も全て切り裂かれ、幼い裸身があらわにされてしまう。そんなユリディスを野卑な笑いを浮かべて見おろしていたクレメッティ王のズボンを、台の下で控えていた従者が、恭しく脱がせ始めた。
下着も脱がされたクレメッティ王の性器は、すでに勃起している。それを見て、ユリディスの足を押さえつけていた兵士二人は、限界までユリディスの足を左右に広げた。
「やめてええええええええええええええっ!!」
キュッリッキは目に涙を浮かべて叫んだ。
(アタシのときより酷い!!)
卑猥なショーのように、大勢の前で見世物にされている。
室内は割れんばかりの拍手と、巫女の処女を奪った王を褒め讃える言葉と歓声で溢れ、ユリディスの四肢を押さえつける兵士たちは、ユリディスにイヤラシイ好奇の目を、憚ることなく向けていた。
狂った小さな世界の中で、しかしユリディスだけは己を強く保っていた。
歯を食いしばり、涙を浮かべていない毅然とした目は、クレメッティ王を激しく睨みつけている。腰を動かすことに夢中になっていたクレメッティ王は、ユリディスの目にも気づかず愉悦に浸っていた。
心ゆくまで満足したクレメッティ王は、やがてユリディスの中で果てると、ユリディスの身体から離れた。そして衣服を身につけさせている間に、室内にはガラスの柩のようなものが運び込まれた。
四肢を押さえつけていた兵士たちに命じてユリディスを起き上がらせると、ガラスの棺の中に躊躇いもなくユリディスを入れてしまった。
再び室内に、狂気の大歓声が満ちた。
真っ暗だった室内は、突然眩いばかりの照明が灯され、室内の全容を明らかにする。
ユリディスとアピストリたちは、四角い台の上に立っていた。しかし、台の置かれた床は円形にくり抜かれており、その周囲には高い塀が築かれ囲んでいる。その塀の向こうは観客席が設けられており、煌びやかな服装をした大人の男女が大勢座っていた。
まるで、闘技場のようだった。
室内は騒然と拍手喝采に包まれた。同時に、着飾った軍服の兵士たちが雪崩込んできて、6名のアピストリたちを突然拘束し、台の上から乱暴に引きずり下ろした。
台の上に取り残されたユリディスは、訳も分からず周りを見回している。そして、いきなり床の上にスポットライトが照らされ、そこには縛られたフェンリルが横たわって牙をむいていた。
「や…やだ……」
キュッリッキはよろめくように後退する。
爪先から慄きが這い上ってきて、引攣れるような悲鳴が喉を掠めた。
片方の手で顔を覆う。
「見たくない……やめて」
グレイプニルと言われる縄で縛られ、気を失っていたフェンリル。そして、アルカネットの見ている前で、自分がベルトルドにされたこと。
「ちゃんと見てキュッリッキ!!」
張り裂けんばかりに叫ぶユリディスの声に、キュッリッキはビクリと身体を震わせた。
「お願い、見て! あの男が私にしたことを、ちゃんと、見て」
「やだよ! だってユリディスは」
「貴女は見なくちゃいけないの! あの男が何をしでかしたのか、しっかり見て!」
ユリディスに一喝され、キュッリッキは怯える目を、嫌々映像に向けた。
戸惑うユリディスの後ろから、ひとりの男が入ってきた。
黄金と宝石に彩られた王冠は、艶のない長い黒髪の上に置かれ、華奢な全身を、豪奢な刺繍と金銀宝石で装飾された衣服で包み込んでいる。そして、細面の中で、狂気の光を宿す目が不気味なほど見開かれ、およそマトモではないことが判るほど下卑た笑いを、その顔に貼り付けていた。
「あれが、神王国ソレル最後の王、クレメッティです」
クレメッティ王は、室内の人々に手を振り、ニヤニヤと笑っている。そして、壁際に控える4人の兵士を手招きで呼び寄せた。
4人の兵士は台の上に飛び乗ると、いきなりユリディスに飛びかかり、仰向けに倒し、それぞれ手足を掴んで床に押し付けてしまった。
別の兵士が黄金の装飾の施された抜き身の片手剣を、クレメッティ王に恭しく差し出す。
クレメッティ王はその片手剣を受け取ると、剣の切っ先をユリディスのドレスに突きたて、そのまま乱暴にドレスを引き裂き始めた。その度に、室内から歓声がどよめいた。
ドレスも下着も全て切り裂かれ、幼い裸身があらわにされてしまう。そんなユリディスを野卑な笑いを浮かべて見おろしていたクレメッティ王のズボンを、台の下で控えていた従者が、恭しく脱がせ始めた。
下着も脱がされたクレメッティ王の性器は、すでに勃起している。それを見て、ユリディスの足を押さえつけていた兵士二人は、限界までユリディスの足を左右に広げた。
「やめてええええええええええええええっ!!」
キュッリッキは目に涙を浮かべて叫んだ。
(アタシのときより酷い!!)
卑猥なショーのように、大勢の前で見世物にされている。
室内は割れんばかりの拍手と、巫女の処女を奪った王を褒め讃える言葉と歓声で溢れ、ユリディスの四肢を押さえつける兵士たちは、ユリディスにイヤラシイ好奇の目を、憚ることなく向けていた。
狂った小さな世界の中で、しかしユリディスだけは己を強く保っていた。
歯を食いしばり、涙を浮かべていない毅然とした目は、クレメッティ王を激しく睨みつけている。腰を動かすことに夢中になっていたクレメッティ王は、ユリディスの目にも気づかず愉悦に浸っていた。
心ゆくまで満足したクレメッティ王は、やがてユリディスの中で果てると、ユリディスの身体から離れた。そして衣服を身につけさせている間に、室内にはガラスの柩のようなものが運び込まれた。
四肢を押さえつけていた兵士たちに命じてユリディスを起き上がらせると、ガラスの棺の中に躊躇いもなくユリディスを入れてしまった。
再び室内に、狂気の大歓声が満ちた。
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