780 / 882
フリングホルニ編
episode717
しおりを挟む
アルカネットを倒し、ベルトルドの股間に魔弾をブチ込むことを、今回最大の目標としていた。
(きゅーりを汚した、あのでっけぇブツを、オレが魔弾でぶっ潰す!)
握り拳全開で、心に誓う。
先日の温泉旅行で、あの立派な暴れん棒を直に見た。それを思い出して、こめかみに青筋が走る。バーニングしたアレは、男として妬ましいほどデカかった。
(ムカツクほどでけぇんだから、マジぶっ潰す!!)
(ちょっとザカリー、思考のベクトルがどんどん別の方向イッテルヨ)
ルーファスの念話が割り込んできて、ザカリーはハッとなった。
(気持ちは判る。ベルトルド様のアレ、ほんとデカイんだよね……羨ましい)
(うっ羨ましくなんかねえよ! きゅーりを傷つけた忌まわしいブツだ!!)
(ホントだよね。メルヴィンのも負けず劣らず立派だけど、処女でいきなりアレじゃ、びっくりして痛かっただろうに……)
「おめーら真面目にやれよ!! 何脱線してやがるゴルァ!!」
殺気立った顔を振り向けて、ギャリーが声を荒らげて怒鳴る。
「ひっ」
「すまんすっ」
ルーファスとザカリーが、首をすくめて頭を下げた。
この場にいるメンバーの意識を、ルーファスが念話で繋げている。アルカネットは念話が使えないので、念話で作戦のやり取りをするためだ。
「まったく……」
ペルラが小さくため息をついた。
「カーティス、ハーマン、援護頼む。行くぞギャリー」
構えていたガエルが、しょうもない会話をスルーして言った。
「おう」
ガエルとギャリーが正面から向かい、攻撃体勢に入る。
ガエルが右拳を振り上げ、アルカネットの頭上に狙いを定めて振り下ろす。そしてギャリーは肩に担いでいたシラーを、アルカネットの肩に目掛けて、素早く振り下ろした。
二人の攻撃が繰り出される瞬間を利用し、カーティスの氷魔法スヴァード・イスと、ハーマンの氷魔法フロスト・キテートが襲いかかる。更にペルラがアルカネットの両脚の太ももを狙って、短剣を数本投げつけた。
「攻撃の数を増やしたところで、当てなければ無意味なのですよ」
アルカネットは腰を沈めると、漆黒の翼でガエルの巨体を払い除け、
「トイコス・トゥルバ!」
土魔法で瞬時に土壁を築いて、ギャリーの魔剣シラーとペルラの短剣を防ぎ、
「トゥリ・タンシ」
火魔法で自身の周囲へ、炎を舞い上がらせた。これにより、氷の剣スヴァード・イスと、無数に突き伸びた氷の柱フロスト・キテートが、炎に溶かされ飲み込まれる。
「無詠唱で魔法連打ずるいいいいい!!」
ぎゃーすかと癇癪を起こして、ハーマンが悔しそうに喚く。
「何度も言っているでしょう、あなたの魔法は威力ばかりが強くて、コントロールが甘いのです」
「むっきいいいい」
命をかけて戦っている場面になっても、アルカネットに説教されて、ハーマンの頭の中は怒りで噴火寸前だった。
「前に出るあなたたちを傷つけないよう、攻撃魔法を選ばないとですが……もう、巻き込む勢いで撃っても構いませんよね?」
にこやかに、しかし、こめかみに筋が走っている。
カーティスの怒りにも、火が付いたようである。
「………まあ、かまわねーけどよ……。おい、ルー、オレたちの防御、マジ頼むわ」
「おっけー、頑張るよ」
肩を落とすギャリーに、ルーファスはにっこり笑った。
連携がとりづらいのだ。
相手が平凡な魔法使いなら、今の連携で防がれる心配は100%ナイ。だが相手はアルカネットであり、これまで見たこともなかった翼まで生やしている。
ヴァルトのように、攻撃を翼で払いのけるやりかたは同じだが、ガエルが勢いよく吹っ飛ばされた様子から、翼には強力な強化魔法が施されているようだった。
(俺とハーマンで組もう)
立ち上がったガエルが、念話で提案する。
(きゅーりを汚した、あのでっけぇブツを、オレが魔弾でぶっ潰す!)
握り拳全開で、心に誓う。
先日の温泉旅行で、あの立派な暴れん棒を直に見た。それを思い出して、こめかみに青筋が走る。バーニングしたアレは、男として妬ましいほどデカかった。
(ムカツクほどでけぇんだから、マジぶっ潰す!!)
(ちょっとザカリー、思考のベクトルがどんどん別の方向イッテルヨ)
ルーファスの念話が割り込んできて、ザカリーはハッとなった。
(気持ちは判る。ベルトルド様のアレ、ほんとデカイんだよね……羨ましい)
(うっ羨ましくなんかねえよ! きゅーりを傷つけた忌まわしいブツだ!!)
(ホントだよね。メルヴィンのも負けず劣らず立派だけど、処女でいきなりアレじゃ、びっくりして痛かっただろうに……)
「おめーら真面目にやれよ!! 何脱線してやがるゴルァ!!」
殺気立った顔を振り向けて、ギャリーが声を荒らげて怒鳴る。
「ひっ」
「すまんすっ」
ルーファスとザカリーが、首をすくめて頭を下げた。
この場にいるメンバーの意識を、ルーファスが念話で繋げている。アルカネットは念話が使えないので、念話で作戦のやり取りをするためだ。
「まったく……」
ペルラが小さくため息をついた。
「カーティス、ハーマン、援護頼む。行くぞギャリー」
構えていたガエルが、しょうもない会話をスルーして言った。
「おう」
ガエルとギャリーが正面から向かい、攻撃体勢に入る。
ガエルが右拳を振り上げ、アルカネットの頭上に狙いを定めて振り下ろす。そしてギャリーは肩に担いでいたシラーを、アルカネットの肩に目掛けて、素早く振り下ろした。
二人の攻撃が繰り出される瞬間を利用し、カーティスの氷魔法スヴァード・イスと、ハーマンの氷魔法フロスト・キテートが襲いかかる。更にペルラがアルカネットの両脚の太ももを狙って、短剣を数本投げつけた。
「攻撃の数を増やしたところで、当てなければ無意味なのですよ」
アルカネットは腰を沈めると、漆黒の翼でガエルの巨体を払い除け、
「トイコス・トゥルバ!」
土魔法で瞬時に土壁を築いて、ギャリーの魔剣シラーとペルラの短剣を防ぎ、
「トゥリ・タンシ」
火魔法で自身の周囲へ、炎を舞い上がらせた。これにより、氷の剣スヴァード・イスと、無数に突き伸びた氷の柱フロスト・キテートが、炎に溶かされ飲み込まれる。
「無詠唱で魔法連打ずるいいいいい!!」
ぎゃーすかと癇癪を起こして、ハーマンが悔しそうに喚く。
「何度も言っているでしょう、あなたの魔法は威力ばかりが強くて、コントロールが甘いのです」
「むっきいいいい」
命をかけて戦っている場面になっても、アルカネットに説教されて、ハーマンの頭の中は怒りで噴火寸前だった。
「前に出るあなたたちを傷つけないよう、攻撃魔法を選ばないとですが……もう、巻き込む勢いで撃っても構いませんよね?」
にこやかに、しかし、こめかみに筋が走っている。
カーティスの怒りにも、火が付いたようである。
「………まあ、かまわねーけどよ……。おい、ルー、オレたちの防御、マジ頼むわ」
「おっけー、頑張るよ」
肩を落とすギャリーに、ルーファスはにっこり笑った。
連携がとりづらいのだ。
相手が平凡な魔法使いなら、今の連携で防がれる心配は100%ナイ。だが相手はアルカネットであり、これまで見たこともなかった翼まで生やしている。
ヴァルトのように、攻撃を翼で払いのけるやりかたは同じだが、ガエルが勢いよく吹っ飛ばされた様子から、翼には強力な強化魔法が施されているようだった。
(俺とハーマンで組もう)
立ち上がったガエルが、念話で提案する。
0
お気に入りに追加
151
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
クラスで一人だけ男子な僕のズボンが盗まれたので仕方無くチ○ポ丸出しで居たら何故か女子がたくさん集まって来た
pelonsan
恋愛
ここは私立嵐爛学校(しりつらんらんがっこう)、略して乱交、もとい嵐校(らんこう) ━━。
僕の名前は 竿乃 玉之介(さおの たまのすけ)。
昨日この嵐校に転校してきた至極普通の二年生。
去年まで女子校だったらしくクラスメイトが女子ばかりで不安だったんだけど、皆優しく迎えてくれて ほっとしていた矢先の翌日……
※表紙画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで制作したものを加工しました。
凌辱系エロゲの世界に転生〜そんな世界に転生したからには俺はヒロイン達を救いたい〜
美鈴
ファンタジー
※ホットランキング6位本当にありがとうございます!
凌辱系エロゲーム『凌辱地獄』。 人気絵師がキャラクター原案、エロシーンの全てを描き、複数の人気声優がそのエロボイスを務めたという事で、異例の大ヒットを飛ばしたパソコンアダルトゲーム。 そんなエロゲームを完全に網羅してクリアした主人公豊和はその瞬間…意識がなくなり、気が付いた時にはゲーム世界へと転生していた。そして豊和にとって現実となった世界でヒロイン達にそんな悲惨な目にあって欲しくないと思った主人公がその為に奔走していくお話…。
※カクヨム様にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる